- 出演者
- 岩渕梢
自民党派閥の政治資金問題を受けた規正法の改正案は今週から参議院での審議が本格化している。立憲民主党などが先送りばかりと批判する一方、自民党内では、岸田総理が譲歩しすぎだと不満もくすぶっている。会期末まで2週間を切った最終盤の国会の行方を、今月のNHK世論調査から考えたい。内閣支持率は今月3ポイント下がって21%。政権運営が困難になるといわれる危険水域の30%を大きく割り込んだ。一方、支持しないは60%。先月より5ポイントと大きく上がって、与党支持層でも32%が支持しないと答えている。自民党の支持率も下落傾向が続いている。政治資金規正法の改正案が先週、衆議院を通過したが、自民党は2ポイント減らして25.5%。2009年の衆議院選挙で下野した直前の水準を初めて下回った。自民党とともに改正案に賛成した公明党は2.4%、日本維新の会も3.6%にとどまっている。これに対し、野党第1党の立憲民主党は9.5%。先月から2.9ポイント増やし2020年9月の合流して以降最も高くなった。無党派は44%と7か月連続で4割を超え政党への強い不信感がうかがえる。
規正法の改正案だが衆議院通過を前に修正された。改正案のポイントは大きく3点。連座制を導入し収支報告書の確認書の作成を議員に義務づけること。パーティー券の購入者を公開する基準額は現在の20万円を超えるから、公明党の主張を踏まえ5万円を超えるに引き下げた。政党から議員個人に支給される政策活動費は項目ごとの使いみちや支出した年月の開示に加えて日本維新の会の主張に沿って10年後に領収書などを公開するとしている。維新も含め野党が一致して求めた企業団体献金の禁止は盛り込まれなかった。岸田総理は具体的な再発防止策に加え、政策活動費などについても明確な方向性を明らかにしたと強調している。この改正案を国民の皆さんはどう見ているのだろうか。改正案が衆議院を通過したことを評価しない人は「あまり」「まったく」合わせて59%に上り、評価するは「おおいに」「ある程度」合わせて33%にとどまった。パーティー券の購入者の公開基準額を5万円を超えるから「さらに引き下げるべきだ」「パーティーはすべて禁止すべきだ」という人は合わせて6割余りに上っている。一方で、企業団体献金を禁止すべきだという人は半数に達している。自民党支持層では禁止する必要がないが49%と禁止すべきを上回っている。企業・団体献金は、自民党を支える重要な収入源であると考えていることがうかがえる。
野党側は政治とカネの問題などで国民に信を問うべきだとして、立憲民主党は内閣不信任決議案の提出も検討している。これに対し岸田総理は今は政治改革などの課題に専念し結果を出すこと以外は考えていないと述べている。与党内では今の支持率に加え、定額減税や子ども、子育てなどいわゆる政権肝煎りの政策への評価が上がらない状況を考えれば衆議院の解散は当面とても無理との声が大勢。一方、9月に向けて自民党の総裁選挙の構図も含め岸田総理の再選に不透明感も強まっている。今回の法案修正、派閥解散など党側と十分意思疎通がないままみずから動き亀裂も生んでいるため。衆議院の3つの補欠選挙や自治体選挙で敗北が相次いでいることで、進退を含めた総理の責任を問う声が地方組織からも上がり始めている。これに対し岸田総理が局面を変えようと国会閉会後人事に踏み切る可能性も一部で取り沙汰されているが、任期満了を前にした総裁の手による人事は成功するとは限らない。一方、立憲民主党も9月に代表の任期満了を迎える。党内の動きは活発になると見られる。23日に会期末を迎える終盤国会、そして閉会後、9月にかけて岸田、泉両氏にとって正念場となりそう。
「みみより!解説」の番組宣伝。
クローズアップ現代の番組宣伝。
「うたコン」の番組宣伝。
「ドラマ10 燕は戻ってこない」の番組宣伝。
「夜ドラ 柚木さんちの四兄弟。」の番組宣伝。
ワルイコあつまれの番組宣伝。
あの日、偶然そこにいての番組宣伝。
「プレミアムシネマ」の番組宣伝。
美の壺の番組宣伝。