- 出演者
- 若林正恭(オードリー) 磯部宗克 北野峰陽 本橋修
9月に中国・北京で行われた世界人型ロボット運動会。そこで生まれた記録は、100m走で人類最速のウサイン・ボルトの記録を超えるタイムが生まれた。今急速に進化するロボット技術。アメリカ、中国が先頭を走り、世界中で開発競争が繰り広げられている。特に注目されているのがフィジカルAIで、体に頭脳を備え自らの判断で自律的に動けるロボット。中国は今、国をあげてフィジカルAIを搭載した人型ロボットの心血を注いでいる。日本は産業用ロボットを中心に存在感を示してきたがこのままでは危うい。今回はニッポンのロボット戦略を特集。
オープニング映像。
千葉県習志野市の巨大施設。その中には数多くの人型ロボットが。35台あったがこれらのロボットがあるのはJ-HRTI 関東データファクトリー。人型ロボットに動きを学習させるロボット訓練施設。複数の企業がこの場所に集い、共同でデータを収集している。商社や物流などが参画し、一社では成し得ないスピード感を実現しようとしている。ロボットの動きに関してゴミの改修をする作業ではゴミの回収をする動きなど、すべてデータ化しAIに学習させていく。INSOL-HIGHの磯部宗克はこの施設を作った理由に今のうちに始めないとすべて海外から提供されることになると答えた。人型ロボットの実装を目指し参画を始めた2つの企業も登場。一人は家電や家庭用品などを手掛けるYAMAZENの北野峰陽。もう一人はDMSの本橋修。
競合から共闘をした理由に本橋は、元々ヒューマノイドロボットを作っているわけではないが、社会実装するために1社ではコストも膨大にかかるという。3月に発足したJ-HRTI。ロボットの購入からデータ収集まですべての資産とリスクを参画企業でシェアをしている。8月に本格稼働し、ロボットにさまざまな動きを教えデータを集めているという。J-HRTIに参画しているのはYAMAZEN、DMS以外にも製薬会社のツムラや金融リース業の芙蓉総合リース等様々な業種・業態に広がりそれぞれの狙いも違う。ツムラは漢方製剤工場での導入。芙蓉総合リースは金融業に特化したロボット活用サービスを目指している。今回一緒に話を聞くのは八木聡明。フィジカルAIの最先端技術や研究者の人材育成に尽力している。中国と差が開いた理由に八木は、産業用アームロボットは現場でなにか問題が生じた時にハードウェアを改良し・改善していくことで性能が上がっていったが、ソウトウエアとAIに与えるデータで勝負になるようになるようになってきた中で、アメリカや中国のAI開発の強みが出ていたという。中国は完璧なものを作るのではなく、とりあえず作って開発者を巻き込んで改良していく回転数を稼ぐのがうまいと答えた。
AI開発を進める中国では北京市内にAI原点街区というAI開発に特化した地区がある。施設の中には、ロボットがマッサージをしてくれる店や接客・販売する店などフィジカルAIを実装している。400を超えるAI関連企業と1万3000人以上の技術者が常駐している。AI先進国のアメリカ、中国に対し、日本の民間の合同チームで立ち向かうというJ-HRTI 。本橋はロボットの性能について、ある動きに対しては1500、3000回と取るような動きのデータもあるが数百回でできるようなものもあるという。さまざまな業種が集うことで効率的・スピーディに育成が可能だというJ-HRTI 。施設は一つ、参画企業は一つだが、3年以内に10拠点、300社以上の連携を目指す。
大阪市内に本社のある山善。取り扱っているのは扇風機や炊飯器、家庭用グリルなどの家電から昇降テーブルなど、3万点を扱っている家庭用品の専門商社。北野が所属しているのは取引先の製造現場に産業用ロボットの導入を進める部署。ネジ締めは器用にアームを動かし、狙った部分にしっかりをネジを当ててしめていくロボット。他にもピッキング、サイズ計測など産業用ロボットを導入し自動化を進めている。山善が大きな期待を寄せている人型フィジカルAI。その導入現場とは?
山善はこれまでさまざまな産業用ロボットを取り入れてきたが、どのようなところに導入しようとしているのか?山善の物流倉庫で行われているのは名寄せという作業。青い箱が倉庫から運ばれてくる商品で、緑のものが出荷用。従業員が注文書にあわせて必要な商品を箱に移し替えている。山善はJ-HRTIでその作業を重点的にトレーニングし、いち早く現場に取り入れられるように人型ロボットに教え込んでいる。
さまざまな企業のダイレクトメールや通信販売の物流業務を請け負っているディーエムエス。物流倉庫内での業務の流れは、まず注文書をもとに商品をピッキング。検品し箱詰めをしたらコンベアに流す。箱の梱包と送り先のラベル貼りをし、行き先方面の仕分けは産業用ロボットにより自動化で行われる。振り分けられた荷物をトラック別の会社に積み替えて出荷準備が完了。人の作業は3つあるが、積替え作業の自動化が目標になっている。負担軽減と時間の有効活用が期待できる。フィジカルAIは教えた動きをもとに応用動作ができるようになる。洗濯物を畳んだり食器を洗うなどを教えると、学習していない洗い終わった食器を片付けることも可能。
8月にJ-HRTIで訓練を開始したロボットに教え込んだのは箱の中身をすべて別の箱に移す作業。スタジオで実際に披露した。顔のカメラは全体の画像。両腕のカメラは対象物を映している。そこで、元々決められた形しかとらないのでは?ということで全く違うもので試したが、そうした対象物を移動させることに成功した。さらにこのロボットはフィジカルAIならではの動きが出来、掴もうとした瞬間に自らの判断で追いかけて移し替えることが可能。訓練も重ねれば、テーブルの上のペットボトルを取り人に渡すことも可能。
八木はファインチューニングという学習済みのロボットに新しいデータを追加する際にエラーを出さず、AIの忘却を防ぐ方法は?と質問。本橋はデータファクトリーでモデルを作り、そのモデルの中に現場のデータを足していくがデータ評価を作ったものは再現性をチェックしたものでデータを取っていくとした。
9月に中国・北京で行われた世界人型ロボット運動会でウサイン・ボルトを超える記録を出した天工ウルトラ。そのロボットを生み出したのが北京人型ロボットイノベーションセンター。中にはJ-HRTIと同じく大量のロボットが。なれた動きで物を仕分けていく中国は国が手動する訓練施設を70か所以上設置。そして今年7月にはフィジカルAIの国産基盤モデルを開発する高市内閣肝いりのプロジェクトが指導した。ソフトバンク、NEC、SONY、ホンダなどの44社が出資し参画した。世界最大の半導体メーカーのNVIDIAとも提携。政府は最大1兆円を投じ開発や運用を支援する。
本橋は今後について人手不足の場所で戦力になるようなロボットを届けたいとした。
若林は今日の総括に、仕事現場や家庭にロボットが来るんだと思わされる回だったなどと答えた。
アンパラレルド〜ニッポン発、世界へ〜の次回予告。
