- 出演者
- 若林正恭(オードリー) 森山哲雄 藤川茂紀
渋谷駅の地下への入口は下るはずなのに一段のぼっている。これは浸水対策のためで、入口を高くし地下に水が流れ込まないようにしている。マウンドアップと呼ばれる構造で渋谷駅は坂に囲まれたすり鉢状の地形のために地下への入口に対策を施している。こうした対策が必要な理由は近年問題になっている異常気象。この夏には千葉や北陸などで各地を激しい豪雨が襲った。さらに記録的な猛暑に世界も同様に深刻で、ネパールの土石流も始め異常気象による災害が相次いでいる。地球温暖化は二酸化炭素などの温室効果ガスが増えて地球の気象が上昇。大雨などを引き起こす。こうした異常気象対策として街には様々なものとして、下北沢の子どもたちが遊ぶ場所は周りと比べ低くなっているが、これは雨水を一時的にためてゆっくり染み込ませる場所で、雨庭と呼ばれる。こうして下水道や道路に流れる水の量を減らすことで洪水や浸水の防止に役立っている。雨庭は都内の至るところにあるという。
さらに千葉駅前にあるマンホールの中には機械が入っている。この中には水位計があり、マンホールアンテナと呼ばれ、中に通信機器が組み込まれ下水道の水位をリアルタイムで監視できる。千葉市にはその情報が搭載され誰でもパソコンで見られるように。登録しておけば水位が上昇したときにメールで知らせが届く。水深被害を少しでも減らすための都市型対策だという。異常気象に対する備えは道路にも。最近増えたグレーの道路は暑さ対策。路面の表面温度を下げる遮熱性舗装で、サーモグラフィーでみてみると9月下旬では遮熱性舗装は38度と結構違う。真夏なら最大8度の上昇をおさえている。
オープニング映像。
福岡市にキャンパスを構える九州大学。ここに拠点を置くのはカーボンエクストラクト。23年に創業し社員は10人。会社を立ち上げたのはCEOの森山哲雄。大手総合商社の双日から独立し、今取り組んでいるのは二酸化炭素の回収。CO2は排出量を減らすだけでなく回収し、利用する時代に。工場などから回収することが一般的だったが、最近では大気中から直接回収する技術に。カーボンエクストラストもそこに挑む企業の一つ。吸着剤などでCO2を捕まえて使うのがよく見られる方法だが、カーボンエクストラストはガス分離膜を使う。九州大学が発明し、CO2を分離する性能が世界トップレベル。これでCO2を回収するというが、その鍵を握るのはCTOの藤川茂紀。この膜を開発した中心人物で、九州大学の教授を務める。回収装置には薄い膜を貼り付けたフィルターがありこの膜は酸素は窒素よりもCO2をよりも多く通す性質をもつ。空気をろ過ようにCO2 を集められる。この装置の上の部分から入った空気が膜フィルターの中を通ってポンプで吸引。こうしてCO2を集めることができる。グラフで見るとCO2が回収されてその濃度が高くなっているのがわかる。この薄い膜でCO2を回収する技術は類を見ない。不可能を可能にしようと、研究すること10年以上。ようやく形になった唯一無二の技術。膜が薄くて性能も良いために装置を小型化するのも一つ。様々な場所でCO2を回収しそれを利用する。
森山は商社から独立し、今の会社を立ち上げた。しかし独立の話に周囲に止められたが、本当に良いのか?と確認されたという。藤川は大学の研究は素晴らしい研究はあるものの社会に密接するものは少なく、自分の研究が子どもに自慢できるのは憧れでもあったと答えた。
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今回一緒に話を聞くのは日本総合研究所の新美陽大。気象予報士・防災士の資格を持っている。界隈ではここ最近は気象のモードが変わったという言われ方をしていると答え、地球温暖化の対策については2015年にパリ協定が採択されて世界が地球温暖化対策で合意した。ネット・ゼロは温室効果ガスの排出量から吸収・除去量を差し引き実質ゼロを目指すこと。日本ではその排出量を減らしているものの、世界では上がり続けていると答え、出すものを抑えるだけではゼロは達成できないために、切り札が今日の「DAC」につながるという。
森山はDACについて、Direct Air Captureの略で日本語では大気から直接CO2を回収するというもの。空気には大気中のCO2 は0.04%あり、その濃度が高くなってきているのが温暖化の原因。CO2の回収は大きなプラントや工場で大規模に行うことが多いが、自分たちは薄い膜で回収していくと語った。そうした技術については発電所などでは量がとれるので膜を使う技術もあったが、個人宅などでのCO2 の回収技術は今まではなかったと答えた。
カーボンエクストラクトが開発した薄い膜は食品用ラップの300分の1くらの薄さ。ウイルスよりも薄いという。この膜はシリコーン樹脂で出来ており、酸素透過性があるコンタクトレンズに似た素材を使用しているという。今までは取れる量は少なく、経済的になり立たせるためにはその取れる量を増やす必要があったが、そのためにどんどん薄くしていく必要がある。薄くすると多く取れる理由には、渋谷スクランブル交差点のように交差点が短い距離ならば人がいてもたくさん通れるが、薄くすることによて出てくる量がどんどん増えてくると答えた。また藤川はCO2以外にも通るのか?には他のも通るがCO2が圧倒的に通る仕組みになっているという。材料がCO2と馴染みが良く、より多く引き寄せると語った。
実際にスタジオで薄い膜でCO2が吸収していく様子をみていく。薄い膜を通った空気をポンプで吸い上げ濾し取られたCO2はアルカリ性の水溶液の瓶の中に入り、ちゃんと回収されていれば色が変化する。するとその変化に若林はすごいと答えた。膜を通ったCO2の濃度は4倍くらいに高められるという。回収量は従来の膜と比べて20倍の量を取り込むことができるという。膜は表面積が多いほどより多くのCO2を回収できる。現在大型の膜の開発も勧めている。また膜を通る工程を繰り返せばCO2の濃度を高めることも可能。
CO2を直接回収する極薄膜の開発秘話に、藤川はフィルムの液を作り、薄く塗って乾燥させるという。フィルムの原液に液が薄く広がってそのまま乾燥するとフィルムになるという。遠心力と回転で薄くなるが、材料の調合も大事になってくるという。またこの技術はなかなか真似できないと答えた。藤川はそんな中で研究を続けられた理由には、人間や動物の体を構成している細胞膜は非常に薄くこれよりも薄いので、いろいろな二酸化炭素以外のものを効率よく通すことができる。できないことはないだろうという信念だったと答えた。
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回収したCO2を利用している企業がある。東京・江東区にあるNOVARE。ビルの中には装置があり、苗木がある。会主したCO2を使い、苗木の成育具合を見る実証実験をしている。ここは清水建設が手掛けるイノベーション拠点で、去年の秋にスタートした取り組み。使うのは人が吐き出す息。会議室に溜まったCO2をダクトで吸い上げて装置に送り、苗木の成育に利用している。通、大気中のCO2 の濃度は約400ppm。会議室内は625ppmを超える。大気中よりも5割以上も濃度が高い。CO2にはそもそも植物の成長を促す効果があり、レタスを栽培すると回収したCO2を使って栽培したほうが2割ほど収穫量が増えた。こうした取り組みをおこなっているのは建築はこれまで自然を破壊しながらCO2を発生させる側の企業だったが、そこを制御しCO2を活用していくことは建設会社にとって大事なことだと答えた。
回収したCO2の利用方法について森山は、回収したものを利活用して循環させることが大事だと答えた。家庭でのCO2の使い道は炭酸ジュースやビール、化粧品などがあると答えた。CO2は炭酸ガスにも使用され水に溶かせば、炭酸としても利用できる。カーボンエクストラクトは大阪・関西万博に出展。回収したCO2 を都市ガスのように使う実証を行っている。CO2 の利用手段の一つとして注目されるのは合成燃料のe-fuel。新美は、これは水素と回収したCO2 を原料とする燃料で、従来のガソリンと同じようにエネルギー密度が高く、車や飛行機の代替燃料として期待されている。またプラスチックなどからでも作れるのでは?と期待されている。また日本政府はGX(グリーントランスフォーメーション)と呼ばれる排出削減、経済成長、エネルギーの安定供給の同時実現を目指している。回収したCO2を使って合成燃料を作り、つくった合成燃料を輸出することが経済成長につながるという。
社会実装の壁に森山はコストを下げ、回収すること自体に価値や意味を持たせることが大事で炭酸飲料になる、空気のCO2濃度を低くし、回収したものをなにかに作るというようなビジネスを作ることが今後の課題だと語った。またなによりも皆で一緒に取り組むことが大事だという。
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若林は今日の総括に、細胞膜から開発が始まり、あるものだからできるはずという気持ちが大事だなどと感じたと語った。
アンパラレルド〜ニッポン発、世界へ〜の次回予告。
