2024年10月3日放送 23:06 - 23:55 テレビ東京

カンブリア宮殿
【冬より夏に稼ぐ!常識破りのスキー場 新時代リゾートのつくり方】

出演者
村上龍 小池栄子 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

冬以外に客殺到!常識破りのスキー場
秋の行楽にもうってつけ 大絶景「空中テラス」&山頂カフェ

東京から車で4時間。長野県白馬村は、北アルプスをのぞむ一帯は白馬バレーと呼ばれ10箇所のスキー場がひしめくウインタースポーツの名所。長野オリンピックの舞台にもなった。裏にあるスキー場の一つ白馬岩岳スノーフィールドは、夏場はガラガラかと思いきや、あっというまに駐車場に人が。その山頂の先には絶景が楽しめ、標高1289メートルにあるテラスは、冬だけでなくオールシーズン楽しめる山のリゾート。客を喜ばせる仕掛けがあちこちにある。タイタニックと呼ばれるフォトスポットはがあり、大行列はこのためで絶景に溶け込むSNS映えする写真が撮影できると若者に人気。10月半ばからは山頂の雪と中腹の紅葉、麓の緑の三段紅葉が楽しめる。ニューヨーク発のベーカリーカフェも。絶景の中でパンが楽しめる。また白馬岩岳は冬よりも雪のない春から秋のほうが売上が多い。来場者数をみても冬場のおよそ12万人に対し、それ以外の季節は22万人を超えている。日本のスキー、スノボ人口は最盛期に比べ4分の1にまで減少。岩岳は周囲に比べ雪が少なくシーズンはせいぜい3ヶ月。雪のない時期に客を呼ばなければ生き残れず、そんな危機感から冬以外に稼ぐスキー場へと変貌した。その仕掛け人は農水省の元キャリア官僚のズクトチエ共同代表の和田寛。

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体験者は大満足「新しい発見!」最長5時間待ちの記録も

山頂の絶景組み合わせたのはブランコ。四年前に登場すると瞬く間にSNSで拡散され最長5時間待ちに。安全ベルトを装着しスタッフもついて楽しむが料金は2分で500円。有料にした理由に和田は収入があることでメンテナンスもでき得た利益を次の施設に投資できるという。その稼いだお金で作ったのは白馬ジャイアントスウィング。より爽快感を味わえる巨大絶景ブランコ。リピーターを増やすには変化することが必要だという。ヤッホー!スウィングには4万人が体験し売上は2000万円以上。一方でゲレンデを駆け抜けることができるのはマウンテンバイク。夏場は使い道のなかったゲレンデを活かしてスリル満点コースを作り出した。

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ヤッホー!スウィング presented by にゃんこ大戦争白馬ジャイアントスウィング白馬村(長野)
老舗の民宿が大変貌!信州サーモン&そば絶品グルメ

白馬岩岳エリアの宿泊施設が集まる新田地区。その一角にある旅籠丸八スクエアエイトは明るくおしゃれな雰囲気。和田の会社では魅力ある宿づくりを行っている。この場所は以前地元の人が営む民宿だった。スキーが盛んな頃に宿が次々とできたが近年はオーナーの高齢化により畳んでしまうところも。そこで和田は思い切ったリノベーション宿にし再生をはかった。これまでに4軒の民宿を改装し統一感のあるイメージに。運営も和田たちが請負、オーナーから宿を借り受けて改装と運営を行い毎月一定額の賃料をオーナーに支払う仕組み。客のニーズにあわせ部屋のタイプも様々。若者向けのの部屋からグループやファミリー向けの部屋もあり長期間の滞在にも適応している。またペット連れも大歓迎。元々大広間のある民宿で広さ150平米のラグジュアリーな空間へと変貌。1泊8万円のプレミアムスイートも。宿ではあえて夕食は提供せず古民家を改装した食事処も作った。提供するのは海のない長野県が独自に作り出したブランド魚の信州サーモン刺身が楽しめる。他にも馬刺しやそばが楽しめ、専属の料理人こだわりの逸品を選んで楽しめる。

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透明度バツグン“神秘”の湖 絶景サウナに勝機あり!

和田が白馬にやってきたのは10年前。スキー場の運営会社に入社したが白馬全体を活性化したいと独立。かつての同僚とズクトチエという会社を起こしコンサル事業などを行っている。和田が目指すのは白馬エリア全体の隠れた資産の掘り起こし。岩岳から車で20分ほどの湖。観光客を呼び込もうと考えている。惚れ込んだのは青木湖。四季の移ろいを楽しめるが県外の人はあまり知らないという。ここで仕掛けるのはサウナ。湖のそばに作ったのには理由があり、ライフジャケットをつけて湖にダイブできる。10月上旬のスタートを目指すという。またそばにはカフェレストランも。7月にサウナに先駆けてオープンしたが、東京の人気レストランを手掛ける会社に監修を依頼したという。

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「空中テラス」&「絶景ブランコ」隠れた資産をオンリーワンに

和田は大自然だけでは人が来ず自然をそのまま楽しんでは限界があるという。ブランコや空中テラスは自然をより感じるためにアイテムでテラスから飛び出したタイタニックと呼ぶ場所は山が一番キレイにみえるところに造ったという。森の中から木越しに見るよりも圧倒的に迫力を感じられると答えた。また和田は日本の田舎には隠れた資産がどこにでもあると感じていると答え、隠れた資産はお客に楽しんでもらえるという。またポテンシャルがあるがお金がかけられていないという。また東京の人気カフェやショップを誘致するほうが安易な気がするという意見に、和田は大自然を楽しみたいが山登りをしたいところまではいかず、ハードルを感じるお客がいるという。そのハードルをどう下げるかを考えると、おしゃれな空間で美味しいものを食べながら山を眺めるのが気持ちは良いが一方でスキー場で美味しい物が食べられるというハードルはなかなか越えられないという。また東京と同じメニューではお客は喜ばないがTHE CITY BAKERYのクロワッサンやサンドイッチは白馬のハムで東京では食べられないものが楽しめるという。

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古い民宿を再生させる方法 あえて食事場所をなくす

民宿で食事場所を提供せずに共同の食事場所にしているのも意味があるのか?に和田はもともと4軒の民宿をまとめて一つの宿にしたがいままでは4軒それぞれに台所があり規模の経済が効きづらい。まとめて1つのレストランでお客を受け入れると食堂と厨房だった場所を部屋にできるという。レストランにはプロの料理人をよぶと食事の質もあがる。食事の質があがことで4軒の宿以外のお客も引き受けられるという。

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客が激減…崖っぷちスキー場 あえてライバルを〇〇にして再生

この日の営業を終えた白馬岩岳山頂。そこに和田がやってきた。待っていたのは以前の会社の同僚たち。夏に稼ぐスキー場を作り上げた主要メンバー。知る人ぞ知る名物のミックスホルモンでかつてもここで食べていたという。和田はその頃の2015年あたりはこの場所の雪は壊滅的だったという。そのとき和田は自分たちのライバルはどこだと思う?と元同僚たちに聞いたという。

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ライバルは「ディズニー」「USJ」白馬に“一戸建て”で覚悟示す

長野県の白馬村で冬以外に稼ぐ異色のスキーリゾートをつくった元キャリア官僚の和田。スキー客が激減する中で同僚たちも驚く意外なライバルを口にする。ディズニーやUSJがライバルと答えたという。和田は東京大学法学部の農林水産省に入省した。地方の一次産業を活性化したいと意気込んでいたが日々の仕事は国会答弁の資料作りなどやりたいこととはかけ離れていた。その後外資のベイン・アンド・カンパニーに入社したがスキーが趣味の和田が白馬に通うようになったのはこの頃。レジャーの多様化が進み、活気を失いないつつある白馬のために働きたいと2014年に移住。骨を埋める覚悟で7年前には一戸建てを新築。家族を東京に残し単身赴任し自分の経験やスキルがいかせるはずと人生をかけて取り組んできた。よそ者の和田の心強い味方が太田悟。ズクトチエの共同代表。民宿を借り上げて宿にした立役者でもある。また民宿オーナーは和田を警戒していたが太田が信頼している人ならばと話にのったという。和田はディズニーやUSJをライバルとした理由について大事なのは何をもとめて白馬にくるのかで、非日常感をお金をもらって提供しなければいけないと考えるとディズニーランドと同じように一日楽しかったと満喫してもらうという意味ではライバルそのものだと感じたという。またよそからきて地方を再生するには地元の応援団が必要だという和田。自分がその地域にコミットしていることをどれだけ納得してもらえるかが大事だと話した。ズクトチエという会社の由来には「ずく」は長野の方言で根気、我慢して頑張る、やる気という意味合いだという。それに知恵を組み合わせたと答えた。大事なのは根性を出して頑張ることと違う知恵を出すことだと答えた。

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白馬の大型ホテル再建に挑む「空飛ぶレストラン」が登場

長野県小谷村はかつてスキー客で賑わっていたが今は過疎化が進む一方だという。そんな村に和田が。白馬アルプスホテルは1973年に開業し白馬乗鞍温泉スキー場を運営している。客室数は210室で夏場の稼働率は30%程度。2024年からズクトチエが運営支援。このホテルは以前主流だったスタイルを今に引きずっていて、めっきり減った団体客頼みの経営から抜け出せていない。和田はいかに個人客に来てもらうかと答えたが、資金繰りが厳しく大掛かりな改装は厳しい。そこで個人客にささる体験づくりができる施設へ。スタッフがDIYしてテラスに改装。早朝の厨房でも出来上がった料理を器につめていたのはホテルの朝食。特別なプランのもので向かったのはリフト乗り場。

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白馬アルプスホテルでは朝食が作られ、それを持ってスタッフが向かったのはリフト乗り場。リフトに乗りながら朝食を楽しめる空飛ぶレストランが楽しめる。別の日には新たな体験にご来光ツアー。コーヒーつきで共に2000円。麓のゲレンデではファミリー向けに羊とのふれあい体験ができる。こうした体験企画を次々と考え出し個人客を獲得しようとしている。

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観光地の再生に必要なこと「一筋の光が見えてきた…」

和田は観光地の再生に必要なことには仲間がいれば知恵がでてくるのでそういう人たちと前を向きながらやると一筋の光がみえるのではと答えた。

冬に向けた集客戦略 秘策は”ヘリスキー”

再建中の白馬アルプスホテル。9月上旬に冬場の新しい集客プランを形にしようと和田が動いていた。それはヘリを使った壮大なプランで、ヘリで山中に向かいヘリからおりてスキーができる。手つかずの大自然が楽しめダイナミックな斜面を滑降できるのが醍醐味。安全面に配慮してガイドを付けることにした。

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(エンディング)
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編集後記

村上は今日の総括に外国語のような会社名だが、日本語だ。「ズク」は「ガッツ」を表す名詞。根性無しのことを「ズクナシ」と言うらしい。それに「チエ(知恵)」が加わった長野一帯で通用する方言だ。和田さんは、東京出身で開成中学・高校から東大法学部、農林水産省、米デューク大で経営学修士(MBA)を取得、大学時代はアメフトで卒業に5年を必要とした。中高生時代は1シーズンに数回家族でスキーに行った。人生に積極的な人だ、顔つきも肯定感に満ちあふれている。仲間と共に、岩岳をスイスのような山岳リゾートにしようとしている。とした。

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次回予告

カンブリア宮殿の次回予告。

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