- 出演者
- 村上龍 小池栄子
オープニング映像。
札幌市の郊外に人が集まる大人気スポットが。7月に見頃を迎えるラベンダーがあるが、観光客は頭大仏を撮影していた。真駒内滝野霊園のラベンダー畑の下には頭からすっぽりと巨大な大仏が植えられている構造。海外からも参拝客が押し寄せるように。この大仏は以前平地に立っていたが、それを大規模な工事でコンクリートを建設し地中に埋めてしまった。大胆な設計で人を魅了するのが安藤忠雄。サイン会を開けば大行列ができ、猛スピードでサインを描いていく。
フランス・パリではブルス・ドゥ・コメルスという18世紀に建てられた歴史的建造物が。かつて商品取引所だったこの施設を安藤が最新の美術館に生まれ変わらせた。館内に足を踏み入れると、高さ9mのコンクリートのかべに囲まれた巨大な円形の空間が。この大迫力の空間を作り出したのが安藤。内部に円筒形の壁を設計することで歴史的価値のあるブルス・ドゥ・コメルスに全く新たな空間を生み出すというアイディア。現在はグッチなどを傘下に持つ企業の創業者のフランソワ・ピノー氏が自身のコレクションを展示する美術館。無数の陶器が浮かぶ作品が展示されている。
ブルス・ドゥ・コメルスは建造物の美しさを生かしつつ。現代的魅力の美術館に生まれ変わらせた。独創的な建築で建築界に革命を越した安藤は今も世界中を魅了し続ける。
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- パリ(フランス)ブルス・ドゥ・コメルス
銀座で唯一の安藤忠雄物件を紹介。その銀座の別荘は地下1階にありおしゃれな空間が広がっている。この銀座の別荘は地上6階建てに地下1階と7部屋ある。3階は高い天井のリビングダイニング。さらに最上階は銀座の空が楽しめる素敵な空間に。
沈さんは当初あった建築用の土地にくわえ、隣の新築物件を購入。倍にして安藤に設計を依頼した。その熱にうたれ、安藤が全力で応えた。
表参道に安藤の代表作がある。通りに賑わいを生み出す表参道ヒルズはレストランからブランド店まで100店舗が入居。開業から19年が経過するが過去最高の売り上げを更新。安藤が作った内部空間は螺旋状の坂道になっている。そこには安藤にアイディアが。かつて表参道には歴史ある同潤会青山アパートがあった。老朽化から建て替えが決まり、安藤に設計が託されたが100人の建物の権利者と協議した。そんな中安藤が考え出したのが独自のらせん構造。館内を巡る3度の傾斜は歴史を刻んだ表参道の坂道と同じ角度。表参道の街内を館内へ引き込むというアイディアで愛されてきた表参道に新たな回遊性を生み出し、東京を代表する賑を生み出してみせた。
香川県の直島は人口3000人で観光客が75万人と世界中から押し寄せる。直島はアートの島で様々なテーマの美術館が。建物の大半をうめた地中美術館にはモネの名作が。ベネッセハウスミュージアムを覗くと巨大な空間に現代アートのコレクションが。島内のアート関連施設のうち10件の設計をしているという安藤。レールでしか行けない施設もあり、瀬戸内海を一望できるプレミアムな宿泊施設。かつての直島は、亜硫酸ガスの影響などで一部の山の木が枯れる状態にあった。島内をアートで再生しようと福武總一郎氏が安藤に声をかけた。直島にこの日、安藤が降り立ったが新たな美術館が完成したという。そこに福武總一郎氏も駆けつけた。
安藤は朝には必ず歩くようにしていると答え、多忙に働いているという。また病気も経験したが悲観はしなかったと答えた。また住宅の案件については銀座の別荘をつくりたいという話にはおかしいとは思ったが面白いとおもったので乗ったという。さらにパリの美術館の建設費は依頼人の想定以上の金額がかかっていると答えた。また以前番組で自分の体力にあった仕事をしたいと語っていたが、できる限りやっていきたいと答えた。
北海道の星野リゾート トマムには安藤の珍しい作品が。思わず息を呑むのは大自然をいかした神秘的な空間の水の教会が。遠方までいかないとみることができない作品。
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安藤が案内したのは大阪駅前の自身の設計による建物。現在安藤の個展が開催中。安藤忠雄展 青春はグラングリーン大阪で開催。安藤が手掛けた建築物の精密な模型が展示される。壁には貴重なアイディアスケッチが。館内には3面のスクリーンで安藤作品を体験できる巨大な展示映像のコーナーも。安藤は中学生の頃、家の改築にやってきた大工の仕事ぶりに心を動かされ独学で建築を勉強した。20代前半には7か月かけ世界を放浪した。様々な建物や人々の生き様を目の当たりにした。安藤の個展では初期に手掛けた作品も。個人向け住宅があったが、その当時の問題には日本の住宅には個性が必要だと感じたという。そして生み出したのが住吉の長屋とよばれる個人住宅。狭い敷地の四方をコンクリートで固めた。異彩を放つ設計。その最大の特徴は、部屋の部屋の間に吹き抜けに中庭がある。中庭の上にあいた四角い空から光が降り注ぐなど空間づくりで自然を取り込んでみせた。その建物が評価され、コンクリートと自然の融合という安藤建築が生まれた。
安藤は青春という自身の個展について希望のある限りは青春だと答えた。また23歳のときにシベリア鉄道で世界を回ったが、一つの地球の中で人々に感動してもらえる建築はできないかと考えたという。また安藤は建物に自分の空があるようにここにしかない家を作ることが重要と答えた。また安藤は良い建築は好奇心が湧いてくるがそういう感性から遠のいている人が多いと答えた。
大阪・中之島にあるこども本の森 中之島は2万冊の本に囲まれる空間は安藤建築の工夫がいたるところに。巨大な本棚に作られたくぼみには親子が絵本に夢中。階段下の隙間も常連に人気。そして館内には子どもたちがワクワクできる空間があちこちにある。幼い頃から本を読んで豊かな感性や想像力を育むことが大切だとし、図書館を寄付している。こども本の森 はこれまで4つの地域で開業。7月28日に愛媛・松山でオープン予定。今年の初から瀬戸内海で竣工したのは船の図書館こども図書館船 ほんのもり号。瀬戸内海の離島で暮らす子どもたちのために中古の船で図書館を作った。
安藤はカーネギーがアメリカ中に図書化の作っていると語り、自分もやってみたいと思ったという。
安藤はこの20年の日本の変化に世界も日本も大変だがもっと地球全体で考えて生きたほうが面白いのではと思っていると答えた。また一人一人が責任をもって気合を入れる必要があると答えた。
村上は今日の総括に、1976年「住吉の長屋」が完成した。安藤さんの原点だ。その建築には特徴があった。そんな「長屋」はみたことがない、いったい誰が住むんだろうと思ったのだった。以来、83歳となった今でも、わたしが同じ感想を持つ建築を作り続けている。09年と14年、「がん」で5つの臓器を摘出した。その後に、パリの元商品取引所「ブルス・ドゥ・コメルス」の再生に挑み完成させた。「約束は守れ。嘘はつくな。自分の信念だけを貫け。自分が納得する人生を生きろ」安藤忠雄を育てた明治生まれの祖母の言葉だ。彼は、その通りに生きてきた。とした。
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