- 出演者
- 村上龍 小池栄子
オープニング映像。
静岡県熱海市には展望レトロ喫茶 桃山館という昔懐かしいレトロなゲームを配置。カプセルトイはアメリカ生まれ。1965年にペニイ商会がカプセルトイマシンをアメリカから輸入。一回10円、20円で楽しむことができ、子どもたちの心を掴んだ。70年代に大流行したのはスーパーカー消しゴム。80年代にはキンケシが大ヒット。手軽に楽しめる玩具として全国へ広まった。そんなカプセルトイ近年市場が急拡大している。東急百貨店 たまプラーザ店にはカプセルトイマシンだらけの専門店が。そこには大人が夢中になる商品が登場している。
カプセルトイの市場規模は今や1400億円以上に拡大している。渋谷センター街の入口から徒歩20秒の場所にあるのはカプセルトイ専門店のシープラ。地下1階から地上2階まで3つのフロアにマシンの数は1700台。シープラの店内はいつも大混雑で、ここだけで月に1億円を売り上げる。店内でひときわ目立つ場所にあるのがシープラ限定のオリジナル商品。こうした個性的なオリジナル商品が多くの客をよんでいる。渋谷以外にも銀座や原宿など全国に225店舗を出店。その売り上げは210億円に急成長している。シープラは北海道に本社を構えるトーシンという会社が運営している。拡大しているカプセルトイ市場ではメーカー間の競争が激化している。メーカーのシェア率は大手2社で8割をしめている状態。その大きな理由は数多くの人気アニメやキャラクター。一方そのようなアドバンテージがないトーシンは同時の戦略がある。渋谷にトーシンの開発部がある。スタッフの数は12人で月に10商品を開発。秘密兵器は3Dプリンター。店舗限定などの小ロット商品を自社製造。
トーシンの武器は発想力。渋谷店で人気なのは渋谷スクランブル交差点到達証明プレート。渋谷に立ち寄った記念にとインバウンド客にウケているという。中にはおじさんをシートにしておじさんを尻に敷くなどのユニークな商品も。さらに大手とは一線をかくすキャラクター商品も。イラストレーターのかわのまきこさんを呼んで行われたのはオリジナルキャラクターの餃子のぎょざ・ぎょざおを自分たちで探し出し、かわのさんと商品化する計画。まだあまり知られていないキャラクターを発掘したという。商品化の契約を結ぶ。オリジナル商品の中で力をいれているのは北海道おなじみのセイコーマートの店頭で打っている商品をミニチュアにした。北海道のコンビニチェーンのセイコーマートの商品をカプセルトイにして販売。他にも道内では随一の生産量を誇る。北海道ワインの商品もミニチュア化しているが、こうした地元に根ざした商品とコラボし、今人気の生活に身近な商品のラインナップを増やしている。この日もトーシンを訪ねる企業が。もりもとは北海道の名産のハスカップを使った人気の洋菓子などを手掛ける菓子メーカー。トーシンとのコラボでないメリットがある。企業とコラボした商品は入口近くの目立つ場所にマシンを設置。デジタルサイネージを使った広告で商品や名前をアピール。
コラボする企業にとって認知拡大以外のメリットも。ダノンジャパンはヨーグルト製品などを販売するフランス発の外資系企業。カプセルトイの製造にかかるコストはトーシンが負担するためにコスト面のリスクがない。またカプセルトイを自社の販促イベントでも使えるという。ドミナント戦略とは特定のエリアに集中して出店しそのエリアのシェアを拡大し独占すること。札幌市の狸小路では数100mほどの通りにカプセルトイの店が5店。新規出店もしているという。集中して出店する理由には司会に入ったところにふらっと入る業種だと考えているという。他社に抑えられる前に空きテナントを抑えておきたいという狙いがあり、こうした戦略で全国に225店舗。売り上げを210億円まで伸ばしている。
トーシンで発売しているカプセルトイのおもちゃが登場した。尻に敷かれる おじさんシートなどを商会。また、渋谷センター街やスクランブル交差点が世界的に有名な観光地になっているというがより盛り上げるために企画した商品だという。インバウンドでは日本のカプセル専門店は観光名所のようになっているという。ここまで市場が急拡大した理由に宮本はカプセルトイを作るメーカーが10年ほどで増えたが、結果的にいろいろなジャンルの商品が増えたことが業界を盛り上げているという。また北海道では現在人口減少は凄まじく、地方の会社としてこうした状況をなんとかしなければと感じ、カプセルトイで盛り上げたいと思ったという。
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- トーシン尻に敷かれる おじさんシート
シープラを運営するトーシンは北海道に本社を構えている。総合は1975年で、宮本の父の健康治が自動販売機の代理店を立ち上げたのがきっかけ。その後1978年にバンダイの北海道内の特約店店としてカプセルトイ業界へ進出。商店の空きスペースにマシンをおかせてもらうルートセールスを行っていた。そんな北海道だけで事業を行っていたが全国へ出ていくきっかけになったのは札幌の各区限定のオリジナルバッジ。厚別区限定のものは地元の人が迷う場所をRPG風にした。他にもこうしたオリジナル商品が事業を大きく変化させた。宮本は北海道・帯広生まれ。幼い頃から父の事業を手伝うのが日課だった。その後東京の大学に進学し家業を継ぐことは考えていなかった。当時は就職氷河期をいわれた時代で、圧倒的な買い手市場で就職活動は厳しいものだった。宮本は100社以上にエントリーし、なんとか北海道の地方銀行から内定をもらった。期待に胸をふくらませていたが、全く向いていなかったという。歯を食いしばって仕事をしていたがこのまま続けるべきか悩んでいたという。そんな中父が還暦を迎えたことで家業を継ぐことを意識した。そして30歳でトーシンに入社。しかしそこでも厳しい現実が待っていた。少子化の影響もあり、当時の市場は頭打ちで毎年穂ように赤字経営が続いていた。会社の敷地内には処分しきれない廃棄物があちこちに放置されたままだったという。さらに宮本がショックを受けたのは社員からの思いも寄らない言葉。
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宮本がトーシンに入社した頃、経営は火の車だった。さらにないよりもショックだったのは社員の意欲の低さ。そこで社員のモチベーションをあげるために新たな事業にのりだし、収支を改善させていく。社内の反対をおしきり、カプセルトイ専門店の2018年シープラを札幌市内にオープン。店は大盛況になり、月に数百万円を売り上げたがこれに満足することなくさらに客を引き寄せる。その一つが会員アプリで、店舗にあるQRコードを読み取ると来店ポイントがもらえるという仕組みが。ポイントがたまるともう一回マシンが回せる再チャレンジチケットなどと交換が可能に。またオリジナル商品の開発。初めて作ったのは札幌市東区限定の缶バッジ。当時、パートの従業員が考えたものを宮本が採用した。そこで店舗での実験には大手メーカー製の人気キャラが並ぶ場所に限定缶バッジのマシンをおいた。その結果どのキャラ商品も自分たちの商品がはるかに売れていたという。これがきっかけで従業員たちが自由に発想する商品の開発に力をいれていく。こうし社員のモチベーションアップにもつながった。
宮本は銀行に勤めていたがこのまま銀行で働くか、新しい道として家業を継ぐかと悩んだという。母はその息子の判断に泣いていたというが、息子にまで会社でつらい思いをしなくていいと思っていたという。また社長になったが社員が入れ替わるほどやめてしまい、自分に原因があるとわかり、従業員を大切にしていこうとおもったという。
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ある日、トーシンの商品開発部のある渋谷のオフィスを訪ねた。新商品の開発会議が行われていた。
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トーシンでは新商品の開発会議が行われていた。500円以上の高価格帯の商品を考えているという。そのためにカプセルトイは1000円から3万円まで自由に料金を設定できる。第一弾はトーシンで販売している自社製品だが値段は1万円。カプセルをカバンとして売るアイディアも。他にも様々なアイディアが出た。宮本は高価格帯のカプセルトイについて他社がやっていないと答え、ブルーオーシャンだという。またトーシンではそうした高価格帯の物を作れる土壌も販路もあるので増やしていきたいという。
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トーシンの宮本はサイバルに必要なことはやってみてダメなら軌道修正すればいいと答え果敢にチャレンジすることが大事と答えた。
村上は今日の総括に大手が持つ知的財産を持っていない。アニメキャラなどだ。長くゲームセンターなどに、卸していた。だがここ数年は、カプセルトイの専門店「シープラ」を、2018年1号店のオープン以来、7年で全国225店舗を展開している。「スクランブル交差点到達証明書」というのがある。シープラが一から企画したオリジナル商品だが、ただスクランブル交差点に立ったということがわかるだけだ。それをバカバカしいと笑うか、面白いと思うかで、人間は分かれる。わたしは、面白いと思うタイプだ。これは面白いと感心するほうが人生は得だ。
カンブリア宮殿の番組宣伝。