- 出演者
- 村上龍 小池栄子
オープニング映像。
ラーメン店やイタリアンで使われている透明醤油は6年前に発売され、これまでに140万本を売り上げた。飲食店だけでなく、都内の高級スーパーやロフトにも並んでいる。今回は醤油に革命を起こした地方メーカーの奮闘を徹底深堀り。
熊本の醤油メーカー・フンドーダイは1869年創業。生揚げ醤油から作る伝統の製法を守り続けている。生揚げから作っているメーカーは全体の2割ほど。近年の減塩志向などから醤油の1人あたりの年間購入量は、この50年で4分の1にまで減少。フンドーダイの経営状況も悪化していたが、元証券マンの山村社長が透明醤油をヒットさせて危機を作った。真空の中で生揚げを低温で沸騰させ、それを企業秘密の技術で2つの液体に分ける。1つは黒い醤油で、もう1つが透明の液体になる。透明醤油を使って、フンドーダイでは透明なみたらし団子や透明なポテトチップスも作った。「FOODEX JAPAN 2025」では、透明醤油が泡になって出る新商品が話題をさらった。
フンドーダイは3年前、浅草にアンテナショップを開いた。透明醤油を始めフンドーダイの様々な調味料が置かれ、多くの外国人客が訪れる。海外では和食人気が後押しし、醤油の輸出量は20年前の3倍以上になっている。透明醤油のふたにはNFCタグがついており、スマホを近づけると使い方やレシピの紹介が出てくるようになっている。100以上の言語に対応しており、どこからアクセスされたのかも表示される。そのデータをマーケティングに活かそうとしている。山村社長はターゲットを広げ、フンドーダイの醤油を世界32の国と地域に出荷している。
山村社長は、透明醤油を作ったとき話題性はあると思ったが売れるかどうか自信はなかった、透明醤油としての特許は取っていないが作る過程で特許技術を使っている、キッコーマンが時間をかけてアメリカに醤油の文化を根付かせたので実はアメリカ人が一番醤油に対する理解があると話した。
山村社長は慶應義塾大学を卒業後、野村証券に入社し企業の上場やM&Aをサポートする部署で活躍。金型製造のベンチャー企業に転職。2013年に農業の6次産業化を目指すベンチャー企業・五葉フーズに取締役として入社し、事業を多角化していった。2014年にフンドーダイと事業統合し、フンドーダイ五葉となった。2016年の熊本地震で多くの取引先を失い赤字に陥った。当時の社長はフンドーダイとの経営に専念できず、山村に白羽の矢が立った。2018年に社長に就任すると、醤油事業にテコ入れをした。
山村社長は、社長就任当時は社員も変化することに対する精神的な負荷もあったかもしれないし不安もあったかもしれない、新宿伊勢丹に置いてもらえるような九州の醤油を作ると旗を振ったが盛り上がらなかったと話した。
TVerの案内。
- キーワード
- TVer
商品開発室の早田さんは透明醤油のアイデアを考え、山村社長がそのアイデアを掘り起こした。幹部たちに提案したが大反対された。しかし山村社長は開発にゴーサインを出した。開発は始まったが、時間が経つと色がつくとわかり早田さんは調合を改良していった。一方で地域の保育園で職員や保護者を対象にアンケートを実施。多くの親たちが子どもの食べこぼしに悩んでいると知り、透明醤油の開発にも熱が入った。2019年に透明醤油が発売されると、初年度から40万本を売り上げる大ヒットとなった。山村社長は事業を調味料1本に集約し、社名もフンドーダイに戻した。
山村社長が力を入れているうまかもんマルシェでは、熊本のメーカーが作った食品が並べられている。地元の商品をPRし、熊本の食品業界全体の底上げを図っている。
山村社長は九州ファームを訪ねた。九州ファームの自慢は、嫌な匂いが食後3時間で消えるというおろしニンニク。これとフンドーダイの調味料技術をコラボさせて旨みをアップした商品を出そうとしている。
次回予告。