- 出演者
- 北村花絵 石川ありす 小菅正夫
札幌市円山動物園参与である小菅正夫が講演を実施。小菅は大学卒業後から動物園で仕事しており、学生時代は柔道ばかりに打ち込んでいたが就活するタイミングで動物園が求人を出しており、獣医として働く自分が容易に想像できて就職したなどと明かした。小菅は一度動物園を退職後にアジアゾウについて学ぶため生息地へ出向き、現地の専門家から学び、縁あって円山動物園にてその経験が活かせているなどと伝えた。
札幌市円山動物園参与である小菅正夫が「アジアゾウ 奇跡の誕生」をテーマに講演を実施。小菅はミャンマーと日本との国際交流記念年にミャンマーからはアジアゾウが贈られ、日本からはミャンマー首都に新たにできた動物園に入れるための動物たちを贈ったなどと明かした。小菅はアジアゾウが贈られる際に現地で学んだ知識を活かし、自分たちでゾウを選定したと話し、ゾウの写真を紹介した。小菅は動物園では3000平米ほどの敷地にアジアゾウエリアを作り、札幌は寒いため1年の5か月は屋内でゾウたちが過ごすために深さ3mのプールを設け、ゾウたちは水浴びが大好きで川があれば体を横にして水に浸かる習性があるなどと伝えた。小菅は動物園ではゾウたちによる事故は多いものであり、欧米が研究した準間接飼育を可能にした壁を用いて革新的に安全にゾウたちを飼育することが可能となったなどと告げた。
小菅は妊娠したアジアゾウを採血してプロゲステロンの血中濃度を調べたグラフを紹介し、当時は準間接飼育でのゾウの出産が初の試みであったため考えた末にゾウたちに任せることにし、自分たちは万全の準備をしつつ見守ることにしたと伝え、アジアゾウが出産した様子の映像を紹介した。小菅はアジアゾウの母親はわずか10分で出産して子どもが立ち上がり、子どもを蹴ってしまうこともなく出産を終え、翌日には子象は歩き回っていたなどと明かした。小菅は園内の群れに子象がどう馴染んでいくかが問題であり、生後二か月の段階で子象に寄り添っていた個体に任せてみると、母ゾウに余裕が出てゆっくり睡眠を取ることができたなどと話した。
小菅は次の段階として子象が群れのリーダーたちとの共存させることに挑戦した際には、元々母ゾウとリーダーが距離を置くようになっていたが、子象が輪を和ませ、母ゾウとリーダーゾウも距離を近め、子象が自分を守らせる群れを作り出し、子象がプールで溺れかけたときには大人のゾウ全員で協力して助け出していたなどと語り、その様子を映像で紹介した。小菅は子象の成長として体重推移グラフを紹介し、月平均で39kg増加していて順調に成長できたとし、ミャンマー側に子象が5・6歳になったらミャンマーに戻す代わりに同年代の違う個体を日本にて飼育し、ミャンマーのゾウを増加する手助けをし、日本の動物園でのゾウを維持もできると提案したのだと明かした。
講演を終えた小菅は自然での暮らしを知ることでゾウ本来の生態を維持でき、昔のような一緒に群れをいさせるだけではちゃんとした飼育にはならないなどと語った。
次回の「テレビ寺子屋」の番組宣伝。
エンディング映像。