2025年1月21日放送 21:00 - 22:00 NHK総合

ニュースウオッチ9
▽トランプ大統領始動▽何が出る?“大統領令”

出演者
広内仁 斉田季実治 佐藤真莉子 星麻琴 吉岡真央 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

(ニュース)
トランプ氏 大統領就任

米国・トランプ新大統領は「米国の黄金時代はまさに今始まる」と述べた。第47代大統領に。

キーワード
ドナルド・ジョン・トランプパリ協定

就任式を終えた米国・トランプ新大統領は、予告どおり次々と政策の大転換を打ち出した。超大国・米国はどこに向かうのか。米国・ワシントンから報告。就任初日、慣例にとらわれないトランプ劇場第2幕の始まりを見たという印象。トランプ大統領は昨夜、ホワイトハウスに4年ぶりに入り、主に返り咲きた。8年前に取材していたときは、政治家の経験がなく、政権をどう運営するか、手探りな部分も見られたが、今回は再び支持を得て自信に満ちた強気の姿勢がうかがえる。米国にとっても、世界にとっても、異例のスタートとなった1日を取材。

キーワード
ドナルド・ジョン・トランプホワイトハウスワシントン(アメリカ)

日本時間のきょう午前1時過ぎ、大統領就任式に臨んだ米国・トランプ大統領。会場となった連邦議会議事堂の広間には、約800人と見られる参加者が集まった。式には歴代の大統領たちの姿も。IT大手のトップらも出席。米国史上最高齢での就任となったトランプ大統領。注目の就任演説は、「米国の黄金時代はまさに今始まる」とのことばから始まった。米国第一主義を強調し、国家のビジョンを語った。さらに「一連の歴史的な大統領襟に署名する。米国の完全な復活と“常識の改革”が始まる。きょうから政府の公式方針として、性別は男性と女性、2つだけだ」と述べた。約30分に及んだ演説。スタンディングオベーションが何度も起きる中、パナマ運河を巡る発言などでは、米国・バイデン前大統領らが立ち上がらない場面もあった。

キーワード
アメリカ合衆国大統領就任式アメリカ合衆国議会議事堂イーロン・マスクサンダー・ピチャイジェフ・ベゾスジョージ・W・ブッシュジョー・バイデンティモシー・ドナルド・クックドナルド・ジョン・トランプバラク・オバマパナマ運河ビル・クリントンマーク・ザッカーバーグ

米国・ワシントン中心部では、トランプ大統領を一目見ようと、多くの人たちが集まっている。トランプ大統領を乗せた車が通ると大きな歓声が上がった。2万人が待つアリーナに移動したトランプ大統領は、支持者の前で署名するというパフォーマンスも。地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」から離脱するとする大統領令に署名。「DEI」と呼ばれる多様性などの理念を追求する政策など、バイデン前政権時代の78の大統領令なども撤回された。一方、就任式が行われているワシントンでは、トランプ大統領に抗議するデモ集会も開かれている。参加者は、トランプ大統領の就任で、女性や性的マイノリティーの人たちの権利が脅かされているなどと訴えていた。

キーワード
DEIドナルド・ジョン・トランプパリ協定ワシントン(アメリカ)

4年ぶりに戻った米国・ホワイトハウス。トランプ大統領は、大統領執務室で記者団を前にさらなる大統領令などへの署名を続けた。署名の合間に記者からの質問に答えた。ほかにもトランプ大統領は、WHO(世界保健機関)から脱退すると表明して大統領令に署名。2021年1月に連邦議会に乱入した事件で訴追された支持者らについて、約1500人に恩赦を与えると発表。来月1日からメキシコやカナダからの輸入品に25%の関税を課す考えなどを改めて示した。トランプ大統領は「全ての国が米国を利用している。いい“ディール(取り引き)”ができていない。米国でのビジネスには一律関税をかける」と述べた。

キーワード
ウラジーミル・プーチンドナルド・ジョン・トランプホワイトハウス世界保健機関非常事態宣言
”アメリカ第一主義” 次々と政策転換

就任初日に米国・トランプ大統領が署名した大統領令などの文書は、40を超えた(ホワイトハウス公表)。主なものを紹介。地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」からの再離脱。その上で、エネルギー政策について化石燃料を増産する考えを強調。WHO(世界保健機関)からの脱退。米国はWHOへの最大の資金拠出国。脱退すれば運営に支障が出ることは避けられないほか、パンデミックなどに対する国際的な取り組みに影響が出るおそれもある。不法移民対策では、南部国境の非常事態を宣言。軍隊を派遣して、不法入国を即時かつ完全に阻止するとした。米国で生まれれば誰でも米国国籍が与えられる現在の仕組みを見直し、不法移民の子どもなどには適用されないようにする大統領令にも署名。関税について。来月からメキシコやカナダからの輸入品に25%の関税を課す考えを示す一方、選挙戦で訴えてきたすべての国からの輸入品に一律で課すことについては「準備ができていない」と述べた。

キーワード
ドナルド・ジョン・トランプパリ協定ホワイトハウス世界保健機関
2期目の”トランプ流” 相次ぐ政策転換狙いは?

ワシントン支局・高木優支局長が解説:米国・トランプ大統領は8年前の1期目初日、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)から離脱することを明らかにした。今回も大きな政策転換を打ち出したが、2期目の初日をどう見る?「就任演説は理想を語るというよりは、自分が優先して取り組む政策をストレートに語る場という印象だった。キーワードはトランプ大統領が使った“常識の革命”。背景には、民主党・バイデン前政権が取ってきた政策はエリート思想に根ざしていて、一般庶民からすれば、非常識なのだという考えがある。例えば不法移民に寛容な政策を取ったりすることは、日々の生活に苦しむ庶民から見れば受け入れ難く、自分は庶民の常識に照らして、すべての政策を実行するんだという宣言にも受け取れた。同時に国民の目の前の課題を優先するという米国ファーストの姿勢は、米国社会がさらに内向き化する可能性をはらんでいるようにも感じた」。

キーワード
ドナルド・ジョン・トランプワシントン(アメリカ)民主党環太平洋戦略的経済連携協定

ワシントン支局・高木優支局長が解説:米国・トランプ大統領はパリ協定からの離脱、WHO(世界保健機関)からの脱退を表明するなど大統領令に次々と署名。そのねらいは?「初日から予告どおり記録的な数の大統領令に署名して、スタートダッシュを印象づけた。1期目に米国の政治を知らないまま大統領の座に就いて、政権を立ち上げるだけで時間を浪費してしまった苦い経験があったんだと思う。初日に打ち出した政策は、自身に近いシンクタンクが周到に準備してきたもので、不法移民対策の強化は、国民の半数以上が望んでいること。トランプ大統領は、署名に使ったペンを一本一本支持者に向かって投げるなど、派手な演出を楽しんでいる様子だったが、その裏には周到な準備と計算があった」。

キーワード
ドナルド・ジョン・トランプパリ協定ワシントン(アメリカ)世界保健機関
トランプ氏 大統領就任 世界・日本の反応は

就任初日から、次々と政策転換を打ち出したトランプ大統領。その行方に世界中の目が注がれた。世界で報道された就任式。各国首脳なども相次いで祝意を示した。英国・スターマー首相「両国の特別な関係はこの先何年も発展し続けるだろう」(Xより)。イスラエル・ネタニヤフ首相「再び同盟関係をさらに引き上げられると確信している」(Xより)。ウクライナ・ゼレンスキー大統領「いまこと私たちが協力し、公平な平和を取り戻すチャンスだ」(Xより)。ロシア・プーチン大統領「われわれは世界で重要な役割を果たしていて、対話は対等かつ相互を尊重する基盤の上に築かれるべきだ」。多くの祝意が寄せられる一方で、打ち出された政策に対する抗議の動きも。メキシコ・メキシコシティーではトランプ大統領の移民政策に対して抗議のパフォーマンスが行われている。石破首相は、早期の日米首脳会談の実施に改めて意欲を示したうえで「世界平和や世界経済にどう2国間の関係をいかすことができるかを中心に真摯な議論を行い、信頼関係を確立したい」と述べた。就任式に出席した岩屋外相は「日米関係をより高みに引き上げていきたい」と述べた。

キーワード
Xアメリカ合衆国大統領就任式ウラジーミル・プーチンキア・スターマードナルド・ジョン・トランプベンヤミン・ネタニヤフメキシコシティー(メキシコ)ヴォロディミル・ゼレンスキー岩屋毅石破茂首脳会談

米国・トランプ大統領は就任直後、中国について「これまでほぼかけてこなかったが、米国が関税をかけられることを忘れるな」と言及。ただ中国製品への追加関税を発表することはなかった。中国外務省・郭嘉昆報道官は「米国が中国に歩み寄り、経済貿易関係の安定的かつ健全で持続可能な発展を共に推進することを望む」と述べた。

キーワード
ドナルド・ジョン・トランプ岩屋毅郭嘉昆
トランプ氏 大統領就任 各国の受け止めは

米国・トランプ大統領2期目の就任初日を世界はどう見たのか。各地から中継。中国総局・田中正良総局長が解説「就任演説について、中国の識者の1人は“米国の衰退を事実上認めたものだった”と冷ややかな受け止めだった。中国が気にかけているのは、トランプ大統領が今後、対中政策をどの程度厳しくしてくるのかという点。演説では中国の名前を1回だけ挙げて、パナマ運河を取り戻すと述べたが、1期目のような関税戦争を再び受けて立たなければならないのか、当面は対話モードで、その出方を見守る構え」。

キーワード
ドナルド・ジョン・トランプパナマ運河北京(中国)

中国総局・田中正良総局長が解説:中国は再登板する米国・トランプ大統領とどう向き合う?「国営テレビのトップニュースは、中国・習近平国家主席とロシア・プーチン大統領のオンライン首脳会談だった。国際情勢に中ロの両国が協力して対応していくという内容で、トランプ大統領就任に合わせて今後の対応を協議したと見られる。中国はかつて、トランプ政権と厳しい交渉を重ねた経験から、その思考や行動パターンは予測可能と見ている側面もある。さらにトランプ大統領の関心が、米国人の懐を豊かにすることや国民のいわば人気集めに集中していることも見抜いている。この点では、民主主義や人権といった中国と相いれない原則や理想を前面に打ち出したバイデン政権とは異なり、攻めどころは分かりやすい。就任の直前、トランプ大統領は習主席について“すばらしい関係を大切にして、対話を続けたい。早く会えることを楽しみにしている”と述べた。こうした発言から中国は米中関係の突破口は、首脳どうしの直接会談にあると見て、切り札をいつ切るのか、そのタイミングを注意深くうかがっていくことになる」。

キーワード
ウラジーミル・プーチンドナルド・ジョン・トランプ北京(中国)習近平

ソウル支局の・山下涼太記者が解説「韓国で、最も波紋を広げたのがトランプ大統領の“キム総書記とはとても関係がよかった。核保有国だがうまくやれた。彼は私の返り咲きを喜んでいるだろう”との発言。北朝鮮は核保有国、これを米国が認めることになれば、長年の米韓の外交目標だった朝鮮半島の非核化の前提は崩れ、韓国の安全保障にも大きな悪影響が出かねないと懸念が高まっている。トランプ大統領の真意を探るため、韓国政府としてはなるべく早く、トランプ新政権との関係を構築したいところだが、就任式に外相は招待されず、政府代表として駐米大使が出席するにとどまった。国家元首・ユンソンニョル大統領は職務停止、逮捕されていて、対トランプ外交は出遅れたという指摘も出ている。混乱が長期化し、国内の政治の安定はしばらく見通せない中、トランプ大統領の発言に、北朝鮮がどう反応するのか、双方の出方をうかがいながらの韓国外交となりそう」。

キーワード
キム・ジョンウンソウル(韓国)ドナルド・ジョン・トランプユン・ソンニョル

ロシアによる軍事侵攻が続いているウクライナの首都キーウから取材班・松本弦が解説「ウクライナ側の不安は、トランプ大統領が国内の政策を優先して、停戦を急ぐあまり、ウクライナに不利な条件をのませようとするのではないかというもの。きのう安全保障の専門家などがキーウで会見を開いたが、トランプ大統領の周辺にはウクライナに精通した人材が不足していて、ロシアに有利な形で話が進んでいくのではないかと心配する声も聞かれた。一方、トランプ大統領に期待する見方もある。まもなく3年がたつ軍事侵攻に疲れ切った人々にとって、なんらかの変化をもたらしてほしいと、そのリーダーシップに望みを託すというもの。国の将来を方向づけかねないトランプ大統領の言動に、ウクライナの人々は引き続き重大な関心を持って見守っている」。

キーワード
キーウ(ウクライナ)ドナルド・ジョン・トランプ

各国の反応を見てみると、就任初日から米国・トランプ大統領のペースで世界が動きだしたように見える。ワシントン支局・高木優支局長が解説「外交安全保障政策でトランプ大統領の脇を固めるのは、ルビオ国務長官、ウォルツ補佐官などいずれも対中強硬派。ウクライナでの戦争に投じている資金や武器を中国に対抗するために振り向けるべきだという考えで一致。またトランプ大統領が最近よく口にするグリーンランドやパナマ運河を巡る問題は、どちらも底流にあるのは、中国への警戒で、全体として対中シフトが加速する可能性がある。一方で、不確定要素は、友好国と競合国の間に特段の線引きもしない、トランプ流のトップ外交。取材してきた元高官らは、ロシア・プーチン大統領や北朝鮮・キムジョンウン総書記とも、直接会談を行う可能性が高いと口をそろえる。1対1のディール、取り引きを重んじるトランプ流のトップ外交と、側近が描く戦略が果たしてかみ合うのか。同盟国、日本にとっても先が読みづらい局面が出てきそう」。

キーワード
ウラジーミル・プーチンキム・ジョンウングリーンランドドナルド・ジョン・トランプパナマ運河マイク・ウォルツマルコ・ルビオワシントン(アメリカ)

ワシントン支局・高木優支局長が解説:米国・トランプ大統領の2期目の政権運営をどう見る?「今月からホワイトハウスだけでなく、議会の上院、下院も、共和党が主導権を握るトリプルレッドの状態に入った。大統領選挙では、全体の得票総数でもハリス氏を上回ったことが、トランプ大統領の立場を一段と強くしている。一方で政策には危うさも伴う。公約の目玉である関税措置を実行に移せば、インフレが再燃するリスクが高まる。また急速に影響力を拡大したイーロンマスク氏と、別の幹部の間に対立が生じているという指摘もある。政権発足から100日間が勝負ともいわれる中で、2期目に入ったトランプ大統領の実行力がまさに問われることになる」。

キーワード
アメリカ合衆国大統領選挙イーロン・マスクカマラ・ハリスドナルド・ジョン・トランプホワイトハウスワシントン(アメリカ)共和党
インスタグラム 日本でも10代利用制限へ

SNS上のひぼう中傷などが問題となる中、米国のIT大手・メタは、インスタグラムの10代の利用を一部制限する仕組みを日本でも導入すると発表した。具体的には、きょうから順次、13歳〜17歳を対象に専用のアカウントを導入し、初期設定ではアカウントは非公開となっていて、つながりのない人と連絡を取り合うことができないほか、いじめを防止するため、暴力的なことばなどを表示しないようにするなどとしている。

キーワード
Instagramメタ・プラットフォームズ
温泉くみ上げ量の抑制を要請

佐賀・嬉野温泉で去年、源泉の水位がこれまでで最も低くなり、県は温泉資源を保護するため、くみ上げる温泉の量を抑制するよう、地元の旅館などに要請した。地元の温泉旅館組合では、午前0時〜5時までの温泉の利用を控えるよう利用客に求めたり、一部では日帰り入浴を休止したりする対策を取っているとしている。佐賀県は「西九州新幹線の開業に伴う観光客の増加などが背景にある」と分析。

キーワード
佐賀県嬉野温泉西九州新幹線
小林製薬 山根社長退任へ

小林製薬は、山根聡社長が退任し、後任の社長に豊田賀一執行役員が昇格する人事案を発表した。新たな会長には、京セラ出身で日本航空の経営再建にも関与した大田嘉仁氏が就任する。退任の理由について、会社は「経営体制を刷新し、信頼回復に向けて、外部の視点を入れるため」などとしていて、ことし3月の定時株主総会で正式に決定する見通し。

キーワード
中央区(大阪)京セラ大田嘉仁小林製薬山根聡日本航空豊田賀一
1 - 2

© 2009-2025 WireAction, Inc. All Rights Reserved.