- 出演者
- 山内泉
オープニング映像。
ことしの防衛白書がきょうの閣議で報告された。防衛白書では中国について伊豆諸島から小笠原諸島、グアムなどを結ぶ第二列島線まで活動を活発化させ、ロシアとの連携強化の動きを一層強めているとしている。また台湾周辺での軍事活動を活発化させ、台湾との間で軍事的緊張が高まる可能性も否定できないとしている。一方、北朝鮮については装備体系の多様化や情報収集といった質的な意味での核ミサイル能力の向上に注力しているとしている。そして日本としては、相手のミサイル発射基地などを攻撃できる反撃能力に活用する国産のミサイルなどを2025年度から配備していくとしている。白書では「日本を取り巻く安全保障環境を戦後最も複雑で厳しい」とし防衛力強化を急ぐ必要性を強調しているが、今その足元が揺らいでいる。自衛官による特定秘密の不適切な取り扱いや手当の不正受給、防衛官僚によるパワハラといった不祥事のほか重大な事故も相次いでいる。自衛隊でもなり手不足が深刻な課題となる中、こうした不祥事や事故は人材確保を困難にし防衛力の強化に支障を来すことにもつながりかねない。組織を挙げた実態解明と再発防止の徹底が不可欠といえる。
3日間にわたったNATO(北大西洋条約機構)の首脳会議ではウクライナに対し400億ユーロの軍事支援を来年も維持することや、NATOの上級代表をキーウに置くことなどで合意し閉幕した。しかしウクライナが求めるNATO加盟については具体的な道筋は示されなかった。首脳会議が終わったあとウクライナへの支援を発表する会見で、バイデン大統領は連帯を強調した。そして次に登壇するゼレンスキー大統領を紹介する際に「プーチン大統領」と言い間違えた。バイデン大統領は間違いにすぐ気付いて訂正し「プーチンを打ち負かすことに集中していた」と釈明した。このあとの別の記者会見でバイデン大統領は選挙戦を継続する考えを改めて強調。一方で仮にハリス副大統領が大統領候補となった場合の資質について問われた際にハリスを“トランプ氏”と言い間違えた。これを受けてトランプ氏は早速、SNSにその部分の動画を掲載したうえで「よくやった、ジョー」と皮肉交じりに投稿した。バイデン大統領の記者会見は撤退圧力が収まらない中、大きく注目されていて、事態の推移にどのような影響を与えるのか関心が高まっている。
歴史的な円安局面が続く中、外国為替市場では昨夜、円相場がドルに対して4円以上円高方向に動く場面があった。円相場が大きく動いたのは日本時間の昨夜。米国の消費者物価指数の上昇率が市場の予想を下回ったことをきっかけに円相場は一時、4円以上値上がりした。市場関係者の間では政府・日銀による市場介入が行われたのではないかという見方が強まっていて、きょうの東京市場でも円相場は一時、1ドル159円台まで値を戻したあと、1円以上急速に円高方向に進むなど荒い値動きが続いている。財務省の神田財務官はけさ取材に対し市場介入の有無を明らかにしなかった。一方、東京株式市場では急速な円高も背景に売り注文が膨らみ日経平均株価は一時、1000円以上値下がりしている。市場関係者は「昨夜から大きく円高に動く場面が繰り返されていて市場では介入への警戒感が一段と高まっている」と話している。
エンディングの挨拶。