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千葉・館山市のレストラン「mon Reve tateyama」では地産地消にこだわった料理が味わえる。シェフの島田さんは地元の食材を生産者から直接仕入れているため、山や海の変化に詳しいとのこと。島田さんは「毎日色んな魚が入ってくる。沖縄で有名なグルクンが館山でもとれるようになったので使っている」などと話した。
海の異変を調査。ベテランダイバーの荒川寛幸さんによると、昔は様々な種類の魚が館山の海で見られたというが、今は海が豊かではなくなったという。館山の海はかつては藻場が広がっていたが、現在は磯焼けが広がっているとのこと。海藻が育たない原因について杉本憲司さんは「泥が溜まって海の透明度が低くなり、海藻が育つのに必要な光が届かなくなった」などと話した。磯焼けは全国的に広がっており、約8割の都道府県が「藻場が衰退している」と答えている。1番の原因がウニの食害で、他にも水温の上昇など気候変動も上位を占めている。
一人目の守り人は福岡県糸島の漁師・楢崎裕太さん。子どもの頃から共に生きてきた海。今は生活の基盤。糸島は日本有数の天然真鯛の漁場だが、タイがとれる場所や時期の変化に危機感を持っているという。楢崎には4人の子供がおり、子どもたちは海で働く楢崎さんの背中を見て育ってきた。8月下旬、海を守るため漁協を上げて動く。向かったのは漁場となる島の周辺。海に潜ってみると中は完全に磯焼け状態だった。岩の間に生息するウニが磯焼けの原因。このままでは魚がいなくなり、本業の漁も危うくなる。エサとなる海藻がないため、ウニ自体も育たず売り物にならない。この10年で潜る漁師は半減した。それでも、守り人達は地道な努力を続けていくと決めていた。
海を守るための取り組みについて杉本憲司は「海藻が生えにくい環境になっているので、映える場所を作るか種まきをするなどを通じてブルーカーボン量が増えていけば海の環境は少しずつ良くなっていく。」などと話した。海藻は光合成で大気中の二酸化炭素を取り込む。海藻が増えれば海の生態系も維持され、大気中の二酸化炭素も減らせて一石二鳥。吸収力は陸上の植物に比べ最大5倍とも呼ばれている。このブルーカーボンが海野守り人達の次の一手になっていた。3月上旬、糸島はワカメの養殖の季節。養殖ワカメも海の中で二酸化炭素を吸収する海藻の一種。本業の漁がブルーカーボンに繋がっていた。今年は大豊作で、食糧ワカメのとれ高としても上場。ブルーカーボンはワカメの重さから二酸化炭素の吸収量を推計する。それを現地の状況などと合わせて政府の認可を受けた認証機関に申請。認められればクレジットとなり、企業などに売ることが出来る。
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- 糸島市(福岡)
楢崎さんの元へやってきた中村優希さんの会社は、1年半前からブルーカーボンを担当している。中村さんの仕事は糸島のブルーカーボンをクレジット化する仕事。中村さんが働くヴェントゥーノは海藻から取れる成分を使った健康食品などを製造・販売する会社。糸島のワカメについても九州大学と組んで研究開発を進めている。ブルーカーボンクレジットで漁師の収入を増やすと同時に、海藻を原料として買い取って商品化して販売する。漁師にも自社にも利益のあるブルーカーボン経済圏を作ることで継続して活動出来る。ブルーカーボンの仲間を増やすべく向かった先は糸島市長。自治体にも力を借りに来た。ヴェントゥーノは糸島漁協と2021年にブルーカーボン水深協定を締結。そこに糸島市が協力する背景には日本が抱える大きな問題があった。
東京・港区のサントリーHDを紹介。市田智之さんが、海と森の関係が分かる水の実験を教えてくれた。森、川、川が流れ込む海を再現した装置に、落ち葉が積もったフカフカの土地、砂や粘土の土の2種類の土に雨を降らせる。砂や粘土の土は、雨水が土に染み込まず泥水が川から海へ流れる。フカフカの土は、雨水が土に染み込み、地下深くに水が落ちていく。つまり、落ち葉や有機物が森の中にある土では、雨が降ってもきちんと受け止めてくれて長い時間をかけて地下に浸透していく。森があることによりきれいな水が出て、なおかつ栄養も含まれるので、盛りは非常に海を守る上で大事。深層地下水が飲料として汲み上げる水。飲める水になるまでには20年かかると言われている。サントリーは地下水を組み上げて清涼飲料や酒などに製品化している。
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鳥取県・奥大山の麓にはサントリーが森を守る活動を行う広大な天然水の森がある。森の守り人はサントリーの社員。大学教授も同行し学術的な知見も加えて森の専門家を育てている。天然水の森は全国に26箇所あるが大半がサントリーのものではない。国や地方自治体などが所有する森をサントリーが整備している。森を整備し汲み上げる量の2倍の地下水を育んでいる。温暖化などの影響もあって全国でシカが増えている。森林の鳥獣被害の6割以上がシカによるもの。地元の団体と協力してシカ柵を設置した。植物が生えている土は枝が通る。
サントリーは今年から企業向けに森と水を守る研修を開始した。案内するのはキリンの社員。サントリーはネイチャーポジティブフォーラムを主催し企業や大学などから約2300人が参加した。
糸島市でシュノーケリング体験教室が開催された。
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海の守り人・大神弘太朗さん。海の環境を楽しみながら学べるシュノーケリング体験教室が行われた。地元・福岡県から約30人が参加した。まずは海に入るために必要な技術を教える。大神弘太朗さんは「考えるきっかけは実際に見るのが一番」などと話した。
「海の森をつくろう」プロジェクトの紹介をした。
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