- 出演者
- 佐々木明子 真山仁
オープニング映像。
真山さんが訪れたのは千代田区のオフィスビル。トライポッド・デザインCEOの中川さんに密着。中川さんが開発した超小集電を紹介。まずとりだしたのはパン。パンに電極2本を刺すと電気が生まれる。電極はマグネシウムとアルミニウムの合金とカーボンの2種類を使用している。異なる2本の電極を刺すことでマイナス端子にイオンが発生。それがプラス電極に移動する時にわずかに電気が発生する。この微量を集めた電気が超小集電という。超小集電は土や水など絶縁体以外なら発電可能。その他にも別々の物体から接続しても電気を生み出すことができる。
この超小集電について真山さんはある疑問を抱いた。1ボルト未満は電気なのかという疑問だ。革新的な電気には弱点があり、電気としては微力というのが課題だった。そこで中川さんは集電装置を開発し、装置内には約200個の土の電源を連結したものが入っている。 電気を装置で集める事によって、ライトを数年間ともし続ける電力を作ることが可能。この集電装置には土に秘密があり、この土は酪農の堆肥を使用しており、中川さんは一からの土作りや電気を生み出すのに最適は電極の素材にこだわってきた。2025年には電極の小型化に成功しており、土と電極の接地面積を増加させ終電効率を高めた。その結果スマートフォンを数年間も充電を可能にした。微弱な電力は使い物になるのかについて、中川さんは将来的に日本が得意とする省電技術と超小集電でうまく組み合わせ、電気の大切さを知っている人と企業として話していく組織を作るべきと話した。
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- 超小集電
中川聰さんが開発した超小集電。実験場が茨城・常陸太田市にある。壁には集電装置が1500個埋め込まれており、夜になると800個ものLEDライトが点灯する。去年この装置内で行われたPRイベントでは自治体や企業約30人が集結。中にはスポーツブランドのゴールドウィン幹部などもいた。施設には超小集電で発電している照明機器があり、土に照明機器を差し込むだけで発電するという、超小集電の初の製品化が実現した。さらにNTTグループの関係者もおり、誘導灯やバッテリーといった災害時に使用できる物に活かせないかと話していた。大企業も注目している技術、真山さんがこの後超小集電ビジネスの展望に切り込む。
超小集電ビジネスについて儲かるのか質問した。中川さんは広い意味でソーシャルデザインとして考えることを価値にしたいと話しており、日本市場だけではなく、この技術が結ぶ1つのネットワークをつくりたいと述べた。中川さんは1987年にトライポッド・デザインを創業、環境デザインを手がけてきた。超小集電は偶然の発見であった。試行錯誤の上2019年に開発がスタート。行き着いたのが土を使用した超小集電装置だった。超小集電装置の実装に向けて、装置の小型化のため新装置を開発した。装置にはセルロースが含まれており、土と成分が似ていることから、薄く加工し 約3週間LEDライトを点灯することができる。この装置は将来信号機やビーコン等に活用できるとかんがえている。このビジネスは医療分野にも挑戦したいと考えており、メッキをして皮膚上で神経に刺激を与えることも可能なのではと話した。政府関係者からも評価をもらうことがあるが、個人ではなく企業として組んでいく必要があると話した。
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最後に、中川さんにとってのブレイクスルーポイントをきいた。中川さんは、「見損なったものを見直すもう一度みようとする勇気」と話した。国内でコンサルタント等を行ってきた中で、この技術をきっかけに人が育てばと話した。真山さんはこの取材を通して、今あるものから発電ができるという点で、日本から今までの方法からもっとこのような方法があるとアピールができればいいと話した。
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