- 出演者
- 佐々木明子 相場英雄
本日の企業は印刷技術で限界を突破した創業125年の老舗大企業「TOPPAN」。今挑戦しているのががん治療など放送内容を伝えた。
- キーワード
- TOPPANホールディングス
オープニング映像。
TOPPAN本社の地下にはデジタル技術を活用した文化財を鑑賞できるデジタル文化財ミュージアム「KOISHIKAWA XROSS」がある。映像はコンピューター上で情報を合成して表現したもので、そのために細部まで3D計測し特殊カメラで質感まで撮影していて、TOPPANのカラーマネジメント技術が使用されている。この技術は国内外20カ所以上で採用されている。
埼玉・杉戸町にある「総合研究所」が原動力となっている。総合研究所はセキュリティーが高いエリアで登録者しか入ることが出来ない施設。まず訪れたのは3D細胞培養の研究開発。この技術を使ってがん患者の組織を持ってきて複製し、抗がん剤を試し、どれが効くか判定をしている。これによりこれまで投与しないと効果があるかないかを判断していのを投与前から判断でき、医療費の削減などに繋げられる。また細胞は通常積み上げるには反発して剥がれてしまうが大阪大学の松崎教授と独自開発した「バイオ材料」で細胞の周りにのりをつけて積み重ねる事ができる。TOPPANでは2000年頃からバイオテクノロジー領域の研究開発に着手していた。3D細胞培養技術は先進医療として2025年度中に申請予定。
3D細胞培養技術でがん治療の領域まで踏み出すTOPPAN。2023年、大阪大学や島津製作所と共同で立ち上げた培養肉未来創造コンソーシアム。近年、大豆や小麦が原料の代替肉が普及し始めている。培養肉は牛の細胞を培養し複製する。2021年、塊肉の製造に成功した。筋肉・脂肪・血管まで複製できる。培養肉は日本では安全性などの問題から販売・消費など法整備がされていない。
新たな領域に次々と挑戦し売上高は1.7兆円にせまるTOPPAN。それぞれ違うテーマを研究しているがほぼ毎日話し合いの場を設けている。なぜTOPPANに入社したか聞くと遠藤さんは「大学4年の時に「こういう仕事がしたい」などの定まったものがなかった。凸版印刷が広い事業領域で事業展開していることを知って、仕事をしながら方向性を見つけていけると思って」などと話した。遠藤さんは「フロントランナー制度」があり大元の3D細胞培養はフロントランナー制度の提案がスタートだったという。フロントランナー制度では若手が自発的に研究テーマを提案し組織活性化や人材育成を図る。TOPPANでは技術革新や市場の変動に迅速に対応するため2016年から国内外70社以上のベンチャー企業に投資してきた。今年1月にはTOPPANホールディングスがオープンイノベーションに積極的な大企業1位に選ばれた。
遠藤さんにとってブレイクスルーとは「組織の限界をつくらず挑み続けること」。