- 出演者
- 佐々木明子 相場英雄
半導体の材料や炭素繊維など素材大国日本。驚きの新素材が開発された。空気よりも軽く中に浮かぶ超軽量素材。宙に浮く素材開拓者に作家・相場英雄が迫る。
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オープニング映像。
今回相場が訪れたのは、名古屋大学 東山キャンパス。本日の開拓者は名古屋大学 大学院の上野智永助教。上野は、こちらの実験室で超軽い素材の作成をしているという。目を閉じた相場の手においてみると、相場は本当に軽い、本当にびっくり、重みが全然ないと語る。ランプで温めると、浮き上がる。これが宙に浮く超軽量素材。顕微鏡で素材を見ると細かい穴が無数に空いているのがわかる。内部の空気が温まり浮揚する。さらに空気の温度を安定させれば長時間浮き続けることも。実用化が近そうなのが、断熱材。軽さを活かして活用を期待されているのが航空機の断熱材。部品の軽量化やエンジンの効率化で熾烈な競争が繰り広げられている航空機産業。超軽量素材を使うと、燃費が1%向上の可能性があるとすれば大きなメリットとなる。2024年 フランス・トゥールーズで開かれた航空宇宙産業の商談会に出展したところ、航空機業界が注目。燃費向上の為自動車業界からも引き合いが。巨大産業を変革するかもしれない新素材。
相場英雄がメーカーなどの企業の反応を質問。上野智永助教は、昨年度100社ぐらいから色々な問い合わせをもらった、今まさに検討してもらっているところだという。この超軽量素材で日本は素材大国を強固にできるかと聞かれると、そうなればいいと思っている、これからの産業、新しい産業で勝ち上がっていくために我々の素材が役に立つといいと話していた。子供の頃から空や宇宙が好きで宇宙飛行士に憧れていた上野。2014年に超軽量素材を発明。その実用化に向け奮闘している。主原料はカーボンナノチューブ。それを水とセルロースと独自配合で組み合わせミキサーで撹拌させる。混ぜ終わったら型に注入し冷凍する。最後に真空乾燥させるだけ。ミキサーで混ぜた素材を冷凍し、真空乾燥される方法はフリーズドライ食品とほぼ同じ。この作り方には、作り方を変えることで多様な機能をもたせる事ができるという。そして今、変革の第一歩を踏み出していた。
宙に浮く夢の超軽量素材。開発したのは名古屋大学 大学院の上野智永助教。この素材が持つ機能の一つを見せてくれた。音を吸収する吸音効果。測定したデータを見ると、全体的に騒音レベルが下がっていることがわかる。ドローンや空飛ぶクルマの市場規模について聞かれた上野は、空飛ぶクルマとか2050年ぐらいには200兆円産業になると言われている、その中で素材の分野として、できれば我々は材料屋としてそういったところに貢献したいと話していた。大きな可能性を秘めた超軽量素材。しかし上野の前に立ちはだかったのが、新素材の宿命。前例がない素材のため、企業が製品化をイメージしづらく、実用化のスピードが遅いという。そこで上野はソラマテリアルを起業。社長を任せたのがかつての教え子の大里智樹。実用化を目指して日々企業にアプローチをかけている。この日、大里が向かったのは東京・港区のタキロンシーアイ。遮音壁や農業用フィルムなどを製造・販売している。早速魅力をアピールする。反応はまずまず。タキロンシーアイは新製品の開発を検討していきたいという。
スタートアップを立ち上げた意義について、上野は「大学だけだとレイヤーが閉じている 今広げる努力はしているけどスタートアップを作ることでもう一つ違うレイヤーがあって、そこでの繋がり 広がりは非常に大きかった」という。米中だとものすごい予算が付くが、そこに対するストレスを聞かれると、 超軽量素材は100万円もかかっていない予算だという。
TVerの告知。
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米中だとものすごい予算が付くが、そこに対するストレスを聞かれた上野は、 超軽量素材は100万円もかかっていない予算、最初お金がない中でやっていたので、新しい研究にお金は必要ないと思っている、と語った。最後に相場英雄が問う。上野にとってのブレイクスルーとは?上野は、過去を知り、未来を思う、そうするとその間にある現在にギャップがある、そのギャップが何かを考える、などと答えた。