- 出演者
- 佐々木明子 北斗晶 和田明日香 大野泰敬
オープニング映像。
この番組では未来の食について、「フードテック」の技術から解決策を探る。
プロキシマーシーフードはアトランティックサーモンの陸上養殖技術を研究しており、卵から孵化させた稚魚を養殖・出荷している。その生産量は国内需要の8%に及び、漁獲量の減少に悩む鮭の需要を支えているのだ。また、日本ハムは植物由来の素材を使用したマグロの刺身や、本来は破棄する部分を使用したフォアグラといった代用食品の開発も進めている。
新たな食の技術であるフードテックには孫正義やビル・ゲイツも興味を示しており、ソフトバンクはAIを使った魚の養殖事業に参入している。そして、マイクロソフトは農業部門への投資を続々と進めているという。
フードテックの最前線となっているのがシンガポールシンガポールでは世界では初めて細胞培養肉の販売を認可しており、その味は本物の80%を再現するほど。シンガポール政府は培養肉の生産にかかるコストを一部負担するなどフードテック分野への投資を進めているが、これは食料自給率が低いシンガポールの事情を反映したもの。食料自給率を上げることを目標に、シンガポールでは公営住宅屋上に農園を構築するなどの対策を進めている。他にもコンテナでの魚の養殖といったフードテック産業が進化を続けているのだ。
シンガポールは食料自給率アップのために国家的なサポート体制を構築しており、新たな取組には100%補助金が出されるという。ここまでの手厚い支援が行われる背景には、将来的なビジネスになることを見越しての戦略もある。
シンガポールで注目が集まっているのが代替タンパク質の原料となる微生物「ソレイン」。これは環境に優しいだけでなく、加えるとコクがでるためバターの代わりにもなるのだという。こうした事情に目をつける日本企業も多く、味の素はソレインの利用に注目。そして、マルハニチロは魚の細胞を培養するシンガポールの技術に興味を示している。魚肉の培養には日本の研究者が起業した「インパクファット」も技術面で関われないか模索を進めており、日本企業も続々とシンガポールのフードテックに参入している。
日本ではまだフードテックの法律が未整備であることや資金面の問題などから、フードテックの技術はまだ未熟なのが現状。そのため、日本企業もシンガポールでの投資を進めているのだという。
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- ジャック・マー
宮崎市のマンゴー農家たちが注目しているフードテックが「ZEROCO」。これは果物や魚といった生鮮食品の鮮度を保ったまま保管できる冷蔵倉庫で、庫内の温度を0度に近づけて湿度を100%に保つことで1ヶ月以上も食品を保管できるのだという。
ZEROCOのような技術は過去にも挑戦されていたものの、コスト面の問題から実現しなかったという。ZEROCOは多数の会社が関わっているため、この問題を解決したのだ。
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- ZEROCO
日本のフードテックを使って作られた商品が今夏話題となった。それが日清食品の謎うなぎ丼。プラントベースうなぎ「謎うなぎ」は植物油脂などを使い本物の蒲焼きそっくりに作り上げた。近づけるために最も苦労したのは食感。白身・皮・脂身の3層を開発して合わせてうなぎの食感を再現したという。日清食品グループは他にも植物由来の材料を使わない培養ステーキ肉を開発中。
北斗晶は「こういう研究が進んでいるのはとてもいいことだなと思う」などとコメントした。
エンディング映像。