- 出演者
- 矢内雄一郎 佐々木明子 平出真有 藤井由依 齋藤陽 矢嶋康次 伊藤邦雄 後藤祐二朗
モーサテに出演する専門家が経済の先行きを独自の分析で予想する。調査は3月6日~8日にかけてインターネット経由で実施し、32人から回答を得た。日経平均株価の3月13日金曜日の終値の予想は中央値54400円と、先週末の終値から1200円ほど低い水準。中央値よりさらに1400円低い53000円と予想した三井住友DSアセットマネジメント・市川雅浩氏は、イラン情勢への警戒ムードが続く中、原油価格が大きく上昇していることに加え、アメリカではスタグフレーション懸念も浮上していることから、今週の日本株は再び下値を試す展開とみている。55000円と予想した第一生命経済研究所・藤代宏一氏は、原油高に対する懸念は残存するものの防衛産業・原発関連産業が誘発する需要に対する期待が下値を支えると予想している。ドル円相場の今週末の終値の予想は、中央値158円だった。175.50円としたあおぞら銀行・諸我晃氏は、イラン情勢の悪化と原油高が円安要因となるものの、為替介入への警戒感からドル円相場の上値は徐々に重くなると分析している。
アップルとサムスン電子が今週、相次いで新型のスマートフォンを発売する。去年、スマートフォンの出荷台数でサムスンを抑えトップとなったアップルが、低価格のiPhoneで販売の押し上げを狙う一方、サムスンも新型GalaxyでAI機能などを強化した。スマホ2強によるシェア争いが激しさを増している。
アップルが今週発売するiPhone17eは、AI機能・アップルインテリジェンスに対応しているほか、ディスプレイの耐久性も強化。以前のモデルから容量を増やしつつ価格は据え置き、実質的な値下げで消費者の掘り起こしを図る。一方、サンフランシスコで開かれたイベントでサムスンが発表したのがGalaxy S26シリーズ。AIエージェントによる必要な情報の先回りで、ユーザーの日常生活をサポートする。プライバシーディスプレイ機能では、独自のディスプレイ技術でスマホの覗き見などを防ぎ、プライバシー保護をより強化。韓国でサムスンを担当するパク・キョンヒョン記者は、アップルを強く意識した機能だと指摘。去年、世界のスマホ市場では、アップルが出荷台数で14年ぶりにサムスンを上回り首位に。ソウルにあるサムスンの販売店では、新型Galaxyの発売当日から多くの人が訪れていた。価格は13万6400円~、最上位機種では約30万円。首位奪還に向けて、パク・キョンヒョン記者は価格設定について課題を指摘した。
ニッセイ基礎研究所・矢嶋康次氏が解説する。赤沢経済産業大臣が週末にアメリカを訪問し、対米投資第2弾案件について協議した。今回のイラン問題でアメリカは、今までとは考えられないスピードでサプライチェーンを強化するだろう。日本からの対米投資の枠が動いていくことになった時、どのようにしたらよいかを解説する。トランプ大統領が昨年、貿易交渉で獲得した各国の投資額を紹介。日本は5500億ドルで、2029年の1月までに実行するとされている。日本の設備投資の約4分の1の規模にあたり、かなり巨額である。先月には第1弾として3つの案件が発表された。3月19日の高市総理の訪米に合わせて、原発や銅の精錬施設の候補も挙がってきており、一気に経済安保・エネルギーの領域で新しい投資が米国向けに行われるだろう。日本内での議論のスピード感が間に合うかどうかがポイントになってくる。
投資がどのように行われるかは2つのパターンがある。ひとつは、日本企業がアメリカで設備投資をするパターン。ガス火力発電プロジェクトに日本企業が参入しJBICが出融資するなど、わかりやすいパターン。もうひとつはJBICなどがアメリカ企業や第三国の企業に資金を出し、日本企業がサプライチェーンの中に組み込まれるパターン。どちらのパターンも日本企業にとってビジネスチャンス。もうひとつの見方としては、1つ目のパターンでは、本来日本の中で起きたはずの設備投資がアメリカに持っていかれているということになる。高市政権は国内投資を増やすとしているが、海外へ投資をすることになる。また、2つ目のパターンでは、一時的には部材が日本から輸出されるため良いが、日本企業が5年後10年後に、アメリカで新しい設備投資をしたほうが良いともなりかねない。将来的には利益や雇用がアメリカに吸収されるのではとの見方ができる。今回の投融資でノウハウを身につけた企業がアメリカに残る、または増やすという可能性がある。
日本の成長戦略がどれくらい機能するか、日本で設備投資をしたいという企業がどれくらい増えるかを、アメリカ対比、スピード対比で頑張る必要がある。潜在成長率を国際比較すると、日本は全要素生産性では大きいが、資本投入と労働投入の部分が非常に弱い。設備投資については、企業のキャッシュフローに比べて設備投資の比率が少な過ぎる。成長基盤を見つけてそこにどれだけ集中投資できるかが、大きなポイントになる。弱い労働については、日本の成長の寄与度分解を見ると、労働時間が足を引っ張っている。働き方改革は重要だが、働かない改革になっている面がある。労働の規制緩和の話は動き始めているが、この点も改善の余地がある。石破政権時に行った見通しでは、5年ぐらい長期金利と名目成長率の逆転が続く。高市政権になって長期金利が上がっており、イランで原油価格もあり長期金利が上がりやすい状況。ドーマー条件に含めて時間がないという話と、外圧に対して外へのスピード感を示せないと、イラン問題が終わった時に日本の成長戦略がなくアメリカに持っていかれるという話になりかねない。国内の成長投資の部分も見ていかなければならない。
今週は「テレ東系ウェルビーイングってなんだ?WEEK」。番組で心と体に良いことを取り上げていく。ウェルビーイングの第一人者である一橋大学CFO教育研究センター長の伊藤邦雄氏に話を聞く。ウェルビーイングとは「良好で満たされた状態」をいう。自己実現、豊かな人間関係、社会的な満足感を含む包括的な概念。WHOも重要性を唱えている。伊藤氏は企業はROE(自己資本利益率)8%を目指すべきと提唱した「伊藤リポート」で企業の変革を促した。伊藤氏は、企業の利益を生み出す源泉は人とウェルビーイングであるとして「人材版伊藤リポート2.0」を2022年にまとめた。キーワードは、人的資本✕アウトカム✕長期価値。人材はコストではなくて資本であり、人的資本への投資が必要。従業員のエンゲージメントや幸福感が高まると、将来のキャッシュフローが高まる。人材を含む無形資産に投資することが企業価値を生む。人的資本に関する開示も進んでおり、有価証券報告書でも開示が義務付けられつつある。投資家も人的資本に関心を寄せており、株価に影響を与える可能性も出ている。
時間が経つのも忘れるぐらい仕事に没頭している状態を「フロー」という。高い能力と高い挑戦度が釣り合うとフロー状態が生み出され、質の高い仕事をすることで高いレベルの幸福・満足感が両立する。社員がウェルビーイングを感じると、生産性が13%あるいはそれ以上上昇することが実証されている。心の不調を抱えるとGDPの1%強のロスが生じると言われている。従業員のウェルビーイングを高めると売上高が高まり離職率が下がり、企業の経営の観点からも重要な概念。日本経済新聞では2023年から日経統合ウェルビーイング調査を実施しており、去年の調査でウェルビーイングの認知は上昇。伊藤氏がフレームワークを開発し、5つのカテゴリーで調査している。去年6月に行った上場企業勤務の正社員1万人の調査では、組織風土WBで3.03点、健康安全WBでは3.08点。3点が分水嶺のためどちらも少し平均よりは高いが、まだまだ改善の余地があると言える。年齢によっても違い、20代の男性・女性のウェルビーイング実感の高い人の割合が48%に対し、50代の男性は31%。低いところを上げていくということが大事になってくる。
ウェルビーイングの考え方は経営の外側と捉えられ、経営の文脈で十分に語られてこなかった。ウェルビーイングを高めることが企業経営上、重要なテーマになっている。経営者もウェルビーイングの需要性を発信していると社員のウェルビーング度合いは高まる。意識している企業については、丸井グループは多くの社員がフロー状態に入れるように支援して、それを通して企業文化の遠隔に挑戦している。トリドールホールディングスが運営している丸亀製麺はAIを使って社員の満足度を図ってハピネスが高まるとお客へのサービスが向上して感動をもたらし、ビジネスに繋がっていくサイクルを実現している。矢嶋さんは「だいぶ浸透してきて、ウェルビーイングの数値化を行って、社内に発表したり、対外的に発表したりっていう形でいろいろ見る機会が非常に多くなってきていると思う」と話した。課題はまだある。社員個人も会社に使われる資源なのか、あるいは価値有無主体なのかということを問う時代に入ってきている。そういう意味では、企業経営の文脈の外ではなくて企業経営の中の中核的なテーマに据えることが大事だし、投資家の皆さんも今や対話の中で、あるいは開示の書類をみながら、その企業が人的資本にどのように取り組んでいるかと高い干渉を持つようになるという。
東京証券取引所が企業に対して資本効率や株価を意識した経営を求めたことで、企業のIRに対する意識は大きく改善し、情報発信することが当たり前になってきている。しかしその中身を見ると、大型株の中でも取り組みが二極化している。企業の主なIRに対する活動は「決算や株価に重要な影響を与えそうな事象の開示」や「決算説明会や事業方針説明会などの開催」など幅広い(出所:日本IR協議会2025年「IR活動の実態調査」)。こうした中で増えているのが「投資家との対話」で、日本IR協議会が全上場企業を対象に行った調査によると海外投資家向けのIR活動を実施した企業は62.2%と、2023年の調査から6ポイント増加した。日本IR協議会が選定する「IR優良企業賞」に応募した企業と、東証プライムに上場する企業の2008年末からの時価総額の変化を見ると、応募企業の増加率が高い結果となった。さらに応募企業の中から日本IR協議会に選ばれた企業の変化率はもっと高かった。2025年にIR優良企業賞を受賞した企業の取り組みを見ると、CEOやCFOが投資家と直接対話をしたり、IR資料にセグメント別の情報が細かく開示されていたりした。投資家との対話を増やすことは会社側にとっても気付きが多いよう。特別賞を受賞したコマツは、トランプ関税が発表された25日後に行った決算で関税の影響学を一早く公表した。業績や良い時も悪い時も、投資家にとっては安定した開示があれば企業の実力を適切に評価することができる。IR優良企業賞を受賞した企業の中には重複している企業が多く、知名度のある大型株は登場する企業名が固定化されていて、IR活動の二極化が進んでいることがわかる。機関投資家が評価するIR資料とは「過去との変化を比較できるように構成は変えない」「数字は必ず明示し、変更点には“NEW”を付ける」などだという(三井住友DSアセットマネジメントの金子将大氏)。先週明らかになったニデックの不正会計では、投資家に対して虚偽の情報を開示していた問題が明らかになった。不祥事を防ぎ人的資本経営の浸透を進める上でも、IR資料とは活動の重要性は高まっている。
全国の天気予報を伝えた。
中東情勢の悪化を受けて日本人ら107人を乗せてオマーンを出発した日本政府のチャーター機が、きのう午後7時半ごろに成田空港に到着した。107人にはUAE(アラブ首長国連邦)の首都・アブダビとドバイから陸路で移動してきた約90人が含まれる。きょうはクウェートなどから退避してきた日本人らを乗せたチャーター機が、サウジアラビアを出発する見通し。
イランメディアは9日、殺害されたハメネイ師の後継となる最高指導者にモジタバ・ハメネイ師が選出されたと報じた。モジタバ師はハメネイ師の次男で、反米保守強硬派として知られている。イランはさらに強権的な体制に傾く可能性がある。一方イスラエル軍は7日もイランの首都・テヘランを中心に空爆を継続し、石油施設も攻撃した。イランメディアによると石油会社の従業員ら10人が死亡した。
ハメネイ師の次男が次の最高指導者に。反米保守強硬派として知られる人物となると、イラン情勢の出口がなかなか見えない。矢嶋は「軍事行動は明らかにアメリカ、イスラエルがかなり優勢と見えるが、今回の一連の次男が上になったと考えると、出口がそうとう長くなる可能性があると思う。長くなればなるほど日本として経済的に価格の問題から原油の量の問題になってくるので、実際にホルムズ海峡が実質的に、物理的に封鎖されないかとか、石油施設等々が壊されないかみたいな話で、シナリオが変わる可能性がある」と話した。イラン情勢による原油高となるとインフレ懸念もくすぶる。ウォラー理事は「持続的なインフレを引き起こす可能性は低い」との見方を示している。後藤さんは「オンラインの予想サイトだと、4月中の停戦が五分五分程度折り込まれている状況なので、この程度で済むと楽観的だと、金融政策、世界的に影響限定的なのかなと思いますが、長期化といったリスクが高まってくると、どうしても景気減速、スタグフレーションといったところに警戒が高まる中、日米ともに金融政策動きにくい状況になってしまうと思う」と話した。 が
