- 出演者
- 豊島晋作 原田亮介 竹崎由佳
オープニング映像。
石破総理大臣の後任を決める自民党の総裁選挙は来月4日、投開票が行われる。ポスト石破による積極的な財政出動が意識されるなか、市場では国債の金利がさらに上昇することへの懸念も浮上している。官邸では石破総理大臣から閣僚に対して「職務に支障が出ないよう万全の体制を整えてほしい」と要望があった。ただ、会見でこの総理の要望を発表した林官房長官は、すでに自民党の総裁選に立候補する意向を固めている。同じく閣僚の小泉農林水産大臣は今日も総裁選への対応については明言を避けた。一方、すでに立候補の意向を明らかにしている茂木前幹事長は明日、記者会見を開き、立候補を正式に表明する予定だ。今日はみずからを支援する議員らと会見の内容について意見を交わした。この他、高市前経済安全保障担当大臣や小林元経済安保担当大臣の動向も注目されている。こうした中、自民党の鈴木総務会長は総裁選について国会議員に加え、全国の党員党友が投票に参加するいわゆるフルスペック方式で実施すると決めた。日程は今月22日告示、来月4日投開票とする見通し。これに対し立憲民主党の笠国対委員長は「これ以上政治空白が続くのは許されない」と述べ、野党側は今月中に臨時国会を召集し、与野党が今年中に行うことで合意しているガソリン税の暫定税率廃止について実現に向けた道筋をつけるよう迫る方針だ。
ポスト石破による積極的な財政政策への期待から昨日は大きく上昇した日経平均株価は、今日も取引開始直後から上昇し、一時、史上初となる4万4000円台をつけた。しかし、その後は利益確定の売りに押され終値は前日より184円安い4万3459円だった。一方、債券市場では満期までの期間が10年を超える国債、超長期債の利回りが過去最高の水準で推移している。加えて、ポスト石破をめぐりさらなる金利の上昇が見込まれる可能性が高まっている。マーケットでは積極的な財政出動のために大量の国債が発行されるとの観測から国債価格が下落。つまり、超長期債の利回りがさらに上昇する可能性が懸念されている。超長期債の主な買い手は保有する資産を長期に運用する年金基金や生命保険会社などで、最近の利回り上昇の根底にはこうした買い手側の需要の減少があると指摘する声もある。
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日本はじめ先進国では30年という超長期国債の利回りがコロナ禍だった2020年頃を底としてどんどん上昇している。原田亮介は「財政悪化の黄信号だと思っている。日本は2016年、19年あたりが底だったが今3.2%台に上がっている。フランスでは昨日、バイル内閣の信任投票が否決され、新内閣でポピュリズム政党が歳出拡大を求めるという見方、これを織り込んで市場では事前に金利が急騰した。イギリスでも同じことが起きていて、アメリカもトランプ大統領がFRBの独立性を無視する行動に出てインフレ懸念の警戒感が生まれている」と指摘した。
誰が次の自民党総裁になったとしても当面は、少数与党という不安定さが残る。野党からはやはり減税をしろというふうな要求が強く出てきており、こうした動きはもう先進国に共通しているという。原田亮介は「ウクライナ戦争以降、既成政党が負け、右派政党が台頭している背景には資源価格の高騰で物価がどんどん上がって国民に不安が募ってそれが与党の敗因になっている。国民の負担減を公約で競って日本でも7月の参議院選挙で参政党が議席を増やすという動きがあった。この中で各国の財政はボロボロなのだけれどそれでも政治的に減税などで対応せざるをえないっていうその結果が超長期金利の急騰になっている」と指摘した。今日のマーケットはアメリカの金融緩和は観測で少し落ち着いたですけれど財政悪化に無頓着の政治の動き、これが加速するようだと金利上昇に弾みがつく。そうすると利払い費が膨張するだけじゃなくて今後、国債の格下げ、企業の社債の格下げにも波及しかねない。原田は「金利は財政に対して警鐘を鳴らしている。そういう債権自警団の動きに今後も要注意だ」と指摘した。
セブンイレブンは現在19の国と地域でおよそ8万6000店舗を展開している。セブン&アイホールディングスは今日コンビニを運営する世界中のフランチャイズ企業の幹部を一堂に集め、グローバル戦略の強化に向けた会議を開いた。けさ、都内のホテルには世界中から集められたセブン‐イレブンのフランチャイズ企業の幹部たちが集められた。そこに登場したのは、セブン&アイのデイカス社長。これまでのローリスクローリターン経営からの脱却を訴えたセブン&アイのグローバル事業では日本と北米では本部が資本を投入し経営に深く関与しているがアジアなど、その他の地域ではほとんどがライセンスを貸すだけにとどまっている。こうしたライセンスビジネスは安定した収入が得られる一方でデイカス社長は攻めの経営が期待できず収益で伸び悩む原因になっていると分析している。デイカス社長が変革の試金石としているのが、オーストラリアだ。セブン&アイは去年4月オーストラリアの運営会社を完全子会社化。従来のガソリンスタンド併設型の店舗から日本と同じ食を中心とした店作りへの転換を図り売り上げアップを目指している。オーストラリアで日本のコンビニのスタイルを普及させさらに北米など、世界へ水平展開させる狙いだ。
セブン-イレブンでは国内でも変革へ向けた動きが始まっている。荒川区にある荒川西奥7丁目店ではロボットを使った実証実験が始まっている。人間が指示をしなくても店舗の売り上げデータや陳列状況を把握し必要に応じて、自動で補充まで行う。また、掃除ロボットでは店員が1日2回行っていた床掃除や毎日行う窓拭きも代行する。こうしたロボットの導入で店員の作業量を3割減らすのが目標だ。これからおよそ3か月間、実証実験を行い来年以降、全国の加盟店への導入拡大を目指す。デイカス社長は伸び悩む国内市場で収益性を高めるとともに日本式のコンビニを世界各地の巨大市場で拡大展開することを狙っている。
セブン-イレブンのデイカス社長は現状を「ローリスクローリターン経営」というふうに率直におっしゃっていたのが印象的でしたけれども実際、店舗を取材して、ロボットの導入によって商品化するだけでなく浮いた時間を店内調理に使うことで出来立ての総菜の提供を増やすことができるとそれが付加価値だと話していた。
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- スティーブ・デイカスセブン-イレブン
日立製作所は1億ドルを投じたアメリカの新たな鉄道工場の本格稼働を開始した。東部メリーランド州ヘイガーズタウンに日立製作所のアメリカ事業の中核となる工場がある。8日、本格稼働を開始した。生産するのは鉄道車両。ワシントンの地下鉄向けに256両など北米で600両以上を納入する計画だ。日立の鉄道事業の売上高は1兆円を突破。北米では、古い車両の更新などで需要が増えていて2031年3月期には倍の2兆円を目指す。そのための中核工場となるこちらの工場の最大の特徴は日立が持つデジタル技術の導入。この工場最大の特徴は床。従来の工場は線路が敷かれ、その上を電車が動きながら組み立てられていく自動車の生産ラインのような形だったがここにはない。
従来の工場は、作業工程によって車両を線路の上を移動させながら組み立てられていた。代わりとなるのがモビリティー。工場のカメラ映像をAIで分析し作業員に危険を知らせるシステムや複雑な形状の部材を3Dモデルにして設計とずれがないか調べるスキャナーも。総投資額は1億ドル、150億円規模でそのうち3割はデジタル技術の導入に投資した。しかしトランプ政権の関税策で今後の見通しは立っていない。日立製作所は1億ドル、およそ150億円を投じたアメリカの新たな鉄道工場の本格稼働を開始した。徳永社長は、日立が持つ工場の自動化やデジタル化の技術に商機があると見ている。
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- ドナルド・ジョン・トランプ日立製作所
Googleが手がける検索サービスでAIを使用した新機能「AIモード」の日本語対応が開始した。ブラウザやアプリなどの検索画面から日本語で入力された文章や質問に対してAIが回答する仕組みで無料で利用できるという。AIモードはアメリカなどで英語版が提供されていたが日本語を含む5言語を追加し今後、韓国語なども順次対応するという。
三菱電機は今日、工場をサイバー攻撃などから守るソフトウエアを手がけるアメリカのセキュリティ関連会社、ノゾミネットワークスを買収し完全子会社化すると発表した。買収額はおよそ1300億円で三菱電機として過去最大の買収となる。製造業やインフラ企業のサイバー攻撃への対策が急務となる中支援事業を強化したい狙い。
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東京都内にある、明治安田生命保険の内幸町営業所。この道、30年以上のベテラン営業職員の鈴木さんは朝礼後、担当する営業先に向かった。保険の営業は企業や個人宅を回り客に合った保険商品を提案して契約を取る仕事。この日も保険に加入した客のフォローなどのため30年通っているという銀行を訪ねた。営業所に帰ってきた鈴木さんは自分の席でスマホに向かって何かをしゃべり始めた。これは明治安田が去年10月に導入したAI秘書「MYパレット」。顧客の人となり、趣味や生い立ちなどあらゆる情報を管理するアプリでその日、誕生日を迎える客もAIが教えてくれる。1人で何百人という顧客に対応している鈴木さんにはこれまで情報はノートで管理していたため机の中もいっぱいになっていた。明治安田はこうしたAI秘書を営業職員およそ3万7000人に導入。この秋、さらに細かい営業の提案をAIができるようアップデートしている。今年4月に新設した部署デジタルイノベーションHub。大手コンサルティング会社のアクセンチュアからおよそ100人を受け入れ合わせて200人という、業界でも最大級の体制で開発に当たっている。今年度中に営業職員だけでほぼすべての社員が、AI秘書を使えるように開発中。導入を推進する永島社長は「事務やシステムの分野でAIを使っていきたい」と話していた。
AIは保険の根幹にも活用され始めている。7月に自宅の火災保険を使ったという鬼頭さんは買ったばかりの自宅の雨どいが破損してしまった。すぐに保険会社に問い合わせると「写真を撮るとAIで金額の見込みがすぐに出る」と言われ、指示に従って自宅全体や壊れた箇所のアップなど写真を7枚ほど撮影し、請求。すると数日で保険金が振り込まれた。これは三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損保が展開する保険サービス。写真をもとにAIが自動で被害金を算定するもの。これまでは、ささいな破損でも現場に修理業者を呼び見積もりを作った上で、保険会社に送る必要があった。そのため、支払いまで1か月ほどかかっていたがAIを使えば最短2営業日で支払いが済むという。膨大な過去のデータから類似ケースを見つけ被害金を算定する。特に台風や、ひょうなど広範囲で被害が出て修理業者の見積もりに時間がかかるような災害での活用を期待している。時間と手間のかかる作業をAIに担わせることで客の心情面のフォローなど人にしかできない仕事に集中することを狙っている。
保険業界ではAIを秘書代わりにも活用したりあるいは損害査定のため写真をAIが解析するということで済ませていたりしている。原田亮介は「ようやく企業は経営のど真ん中にデジタル化っていうものを取り組むっていうことを始めたってことだと思う」と評価。もう2〜3年で変わると思うと指摘した。ボストンコンサルティングの調査によると、日本企業がAIへ投資に1億ドルを超える企業の割合は11%とアメリカよりも多い。デジタル化がこれまで遅れてきたから投資の未処理が大きいともいえる。特にコンサル会社は今どこもAIエージェントに取り組んで力入れてるだが、一番大事なのはそこを使う自分の会社で、誰が何のためにそのAIエージェントを使うのかっていうことを絞り込んでやるっていう、そういう人材が必要だという。例えばMS&ADは舩曵社長が専務だった7年ほど前から東洋大の坂村健さんが作ったプログラムで社員を研修させてデジタル人材を8500人確保したという。
スズキは10年先を見据えた新たな技術戦略を発表した。安全を確保しながらも100kgを目標に車体の軽量化に取り組むほかエネルギー効率の高い新型エンジンの開発を進める。また、今年度中に発売する初のバッテリーEV、eビターラを皮切りに二輪車でもエネルギー効率を最適化した電動車を各国の市場に投入する。
ロイター通信が調査会社コックスオートモーティブのデータをもとに伝えたところによると8月のテスラのEV販売台数は1年前に比べ3%減りアメリカでのシェアは38%まで低下した。40%を下回ったのは2017年10月以来だという。
為替と株の値動きを伝えた。
スポーツ用品大手のナイキが今日、国内最大級の旗艦店「Nike Harajuku」を報道陣に公開した。先月末に閉店した旧店舗の隣に売り場面積を拡大し、リニューアルオープンする。日本に初めて導入したのがFormというナイキが独自開発したランニングの分析システム。6台のカメラで150か所を測定し体の角度やブレなど、ランニング中の動きを詳細に分析。その結果をもとに客の走り方に最適なクッションや反発力を持ったシューズを提案するという。現在は6種類の商品から提案しているが今後、新しい商品も追加される予定だ。分析は無料でおすすめのシューズの他にも最適なトレーニング方法も紹介する。ナイキスポーツ研究所の開発担当者キャサリン・ポーさんは「われわれは単に製品を作るだけでなく提案をしていく。世界中から多様な人々を引き寄せる原宿の店舗に導入することが重要だった」とコメントした。
アメリカの酪農地帯では企業と農家がタッグを組んで牛のふんなどから作るバイオガスの導入が進んでいる。東部バーモント州では2035年までに州内すべての公共電力を再生可能エネルギーに変えるという目標を掲げ全米一環境に優しい州といわれている。ベンチャー企業、バンガードリニューアルブルズが手がけるバイオガスの製造所に運ばれてきたのは飲食店や工場から集められた食品廃棄物、これがバイオガスの原料になる。そして、もう一つの材料が牛のふんだ。牛のふんは放置すると二酸化炭素の28倍の温室効果があるメタンガスを大気中に放出する。それを回収し、バイオガスの製造に役立てる。牛のふんと、食品廃棄物を混ぜ合わせて30日間発酵させると発電や、家庭の給湯などに使えるバイオガスが出来上がる。バンガードは牧場に土地の利用料を支払って設備を設置。新たに土地を購入することなく安定的に、ふんの供給を受けてバイオガスが製造している。牧場にとっても、余った土地を有効活用できる利点がある。取材に応じたバンガードリニューアブルズのマイケル・オラーフリンCEOは、畜産農家との共生が競争力につながると強調した。
