2025年11月28日放送 4:15 - 5:00 NHK総合

国際報道
2025 どうなるウナギ 国際規制を求める声

出演者
辻浩平 藤重博貴 酒井美帆 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

(ニュース)
ワシントンで銃撃 州兵2人重体

現地時間26日午後2時すぎ、現場はホワイトハウスから約400mあまりのところで、2人の州兵は当時パトロール中だった。容疑者が道の角から現れ突然撃った(ワシントン・ポスト)。撃たれた2人は重体。FBIなどは容疑者1人を拘束、州兵を狙った単独の犯行とみて調べている。8月トランプ大統領は「我々はまずワシントンから始め(街を)いち早く浄化する」と話した。トランプ大統領は2期目就任以降、主に野党・民主党が地盤の州の大都市に治安対策のため等として州兵を派遣。今年8月首都ワシントンに州兵の派遣を指示。南部ウェストバージニア州やアラバマ州など共和党の知事がいる州などからも派遣された。今年9月ワシントンの地元当局は市長の同意や要請がなく違法だなどとして派遣の差し止めを裁判所に求め、州兵派遣の妥当性が物議を醸していた。トランプ大統領はテロだと非難している。

容疑者はアフガニスタン出身29歳男。トランプ大統領は演説で容疑者だけでなくバイデン政権にも批判の矛先を向けた。2021年9月男はアメリカに入国した。この時期はアメリカ軍がアフガニスタンでの軍事作戦を終え、撤退完了した時期と重なる。タリバンが権力を掌握、混乱が起きた。バイデン政権はアメリカ軍に協力してきたアフガニスタン人とその家族の受け入れを進めた。トランプ政権はこのときのバイデン政権の審査が甘かったと批判、当時入国した人たちをもう一度審査すると厳しい姿勢を示している。容疑者も重傷。

少なくとも65人死亡

香港の30階を超える高層住宅7棟できのう火災が起きた。4棟はほぼ鎮火、3棟で消火活動が続いている。この火災で65人(うち1人は消防士)が死亡。地元メディアによると連絡が取れていなかった279人のうち72人は無事が確認。消防などが消息確認を急いでいる。高層住宅では修繕工事のために竹の足場が取られていて、警察は工事を担当していた会社責任者の重大な過失によって火災が広まったとし会社幹部ら3人を過失致死の疑いで逮捕、火災の原因を調べている。

香港 高層住宅火災で65人死亡

火の手が上がっている建物、消火活動は難航している。40年余り前に入居が始まった高層住宅。今も約200人の安否が確認されておらず、習近平国家主席も事態を重くみて、香港政府を全面的に支援するよう指示を出した。延焼の原因について消防は修繕工事の仕方に問題があったとみている。防護ネットやシー トが防火基準に達していなかった、使われていた発泡スチロールが被害を拡大させた可能性があるとしている。

どうなるウナギの国際取り引き

養殖ウナギの稚魚の分布の紹介。ニホンウナギのほかヨーロッパウナギを使っていたが規制され、アメリカウナギが主流。ワシントン条約締約国会議でニホンウナギなどすべての種類のウナギを国際的な取り引きの規制対象とするよう求めたEUの提案について議論した。ヨーロッパウナギはすでに条約に基づく規制の対象、輸出の際にはその国が発行する「許可書」が必要になる。提案したEUはニホンウナギやアメリカウナギの個体数が大幅に減少し、包括的な規制が必要だと訴えた。ウナギの資源管理を徹底していると主張してきた日本は“EUの提案には科学的な根拠がなく不合理だ”と反対の立場を表明した。143国中賛成35,反対100、棄権が8で、提案は否決された。多くを輸入に頼っている日本は取り引きを規制されると価格の高騰に繋がる恐れがあるとして、うなぎの養殖が盛んな中国や韓国と同じく反対の立場を表明、主張が認められた形だ。結果は来月4日から開かれる全体会合で確定する。

ウナギ規制の提案を否決

日本の関係者は胸を撫で下ろした。今回の投票結果は確定していない。来月5日の全体会合で再び投票を求めることができるため、水産庁の担当者は緊張を持ち対応したいという。絶滅の恐れがないと日本政府の見解に対し、国内の専門家などからも異議を呈する声がある。

SPOT LIGHT INTERNATIONAL
ドミニカ共和国 ウナギの稚魚を追う 国際取り引きの実態は

アメリカウナギの実態について伝える。世界各地からのウナギ稚魚輸入(東アジア)の紹介。ヨーロッパウナギの規制が始まり、アメリカウナギの輸入が増えた。中国では養殖の7割がアメリカウナギで、日本では蒲焼の約4割がアメリカウナギ。ドミニカ共和国・ナグアを取材する。川の河口で日没、ウナギの稚魚を獲っている。買取所で1g75円。2時間で平均月収の1/10を稼いだ。バス運転手・アレハンドロ・ゴンサレスさんの紹介。ウナギ漁を副業としている。ゴンサレスさんは足に障害があり、また両親も病気療養中で3人分の薬代がいる。稚魚漁で暮らしが変わった人もいる。夢のマイホームを建設中の建設現場監督・ホセ・カルデラさん。6年前に漁を始めた。漁の収入は多いときで本業の10倍、約250万円を家の建設資金にあてた。「家を建てられるのは神様とウナギのおかげ」と話す。ナグアの漁業組合・フリオ・セサル組合長は「ここ数年ウナギのち漁猟は無制限に行われていた。ビジネス目的などで川の財産が全て持ち去られていた」と話した。政府は乱獲を防ごうと、指定した組合のみ漁業を許可、組合から出荷し輸出専門業者へ。輸出量に上限を設定した。 しかし依然として不透明な流通があるという。密輸対策を進める漁業資源局は去年12月隣国ハイチからの密輸を摘発、発泡スチロール25箱余りから稚魚約6万匹を押収した。

ドミニカ共和国漁業資源局・カルロス・テン局長は「ハイチが漁を行いドミニカ共和国の船と合流」、ドミニカ共和国の船に乗せ替え、野生動物の輸出入規制が緩いとされるシント・マールテンに移動、そこで飛行機に乗せ替え、ニューヨークやフロリダへ、水の交換などをして東アジアへ運ばれる計画だったとみられるという。国連安全保障理事会は1月ハイチについてウナギの稚魚がギャングの資金源として麻薬取引や資金洗浄と結びついていると指摘した。カルロス・テン局長は「種の保護と秩序ある漁業の実現を同時に推進していきたい」と話した。中央大学・海部健三教授は「国際貿易を通じると管理が行き届かない国の資源が消費されていく。そのことが生態系、社会への悪影響を生み出す可能性がある」「資源動態に関しもっと正確なデータを掴めるように今後努力していく必要がある」と話した。

今後はアメリカウナギだけを対象にした別の規制が始まる。ドミニカ共和国がワシントン条約の枠組みで独自に要請、来年1月に開始される。輸出許可や産地証明が義務となり、ハイチなど他の産地国も対象になるため不正な流通に一定な歯止めがかかることが期待されている。ドミニカ共和国・バティスタ副環境天然資源相は「主要な消費国日本は生産国の追跡可能性や公正な商品の重要性を理解してくれていると思う。種を保全し漁業や合法的な消費に利益をもたらすことができる」と話した。日本としても持続可能な消費に向けた国際協力の姿勢が求められている。

視聴者の意見を募集

皆さんの声の募集。

WOW!The World
冬季オリンピック 採火式

ギリシャ・オリンピアでは来年のミラノ・コルティナオリンピックの採火式が行われ、聖火リレーが行われた。

パンダのカップルにお別れ

フランスの動物園のパンダカップル(ホワンホワン、ユエンザイ)が中国に帰るため多くの人が詰めかけた。13年間過ごし、3頭の子どもをもうけた。ホワンホワンは腎不全を患っているため前倒しで帰国。国家元首なみの扱いで中国へ旅立った。

クリスマスが待ち遠しい

フランス・シャンゼリゼ通りのイルミネーションが始まっている。香港でもショッピングモールがライトアップ。ドイツでは7箇所あるクリスマス郵便局に子供たちからの手紙が続々と届いている。ケルン近郊の郵便局にはオーストラリアやマレーシア、韓国、中国からも。12月18日までに届いた手紙には返事が来るという。

辻’s Angle
“トランプ氏の起訴取り下げ”背景は

5年前の大統領選挙で敗北を受け入れずジョージア州の結果を覆そうとした罪に問われていたが、州の検察が起訴を取り下げた。当時ジョージア州の州務長官に電話で圧力をかけた音声が報じられた(2021年1月ワシントン・ポストのウェブサイト)。3年後トランプ大統領は起訴され、保釈金を支払い保釈された。トランプ氏は他にも裁判を抱えていたが、ジョージア州の件は最も深刻なものだった。アメリカメディアは“州によるケースで有罪が確定すれば大統領自身が出す恩赦で逃げ切ることが出来ない” と報じている。州の司法当局の文書(トランプ大統領による州務長官への電話は単に落選した候補者が敗北を受け入れかねている会話の可能性がある。複数の解釈が妥当な場合、被告人には疑わしきは罰せずの原則が適用される。専門的な見解としては今後5年から10年かけて本件を全面的に追求することはジョージア州民の利益にならない)の紹介。トランプ大統領はSNSに「ジョージア州で法と正義が勝利した。魔女狩りが却下された」と投稿した。アメリカ社会の分断を深めた結果になった。

(ニュース)
中国 急速に普及する生成AIの利用

中国で登録された生成AIのサービスは今年6月末で45%増え439件。生成AI利用率(中国企業95.8%、個人81.2%、アメリカ企業90.6%、個人68.8%、日本企業55.2%、個人26.7%)。中国・上海で行われた大規模な国際見本市。AI搭載の製品に力が入っている。パナソニックは生成AI搭載の洗濯機を発表。パナソニックホールディングス・本間哲朗副社長は「我々も(生成AIを)使わないと競争から振り落とされてしまう」と話した。AI搭載の靴は加速をアシストする。動画生成AIが拡大している。可霊AIは動画投稿アプリ大手「快手」が一般公開、文章に合わせ、動画・アニメーションを生成する。日本語にも対応している。オープンAIやグーグルの動画生成AIに匹敵するとの指摘もあり、ユーザーは4500万人に拡大。2億本以上の動画が生成されている。今年6月北京で行われた短編映画の試写会でSF、歴史、ファンタジーなど7つの短編を組み合わせた映画は動画生成AIを使い制作された。試写会の映画を手掛けた監督・陳翔宇さんは「中国のAIは力強く発展。真の旅路はまさに今始まったばかり」と述べた。

中国・上海のクリエイター・呉瑕さんは動画生成AIの活用が仕事には欠かせないという。政策コンテンツが大幅に増え、ビジネスの拡大に繋がっている。中国「快手」は今後サービスをより多くの言語に対応させ、各国で事業を拡大させる計画。アメリカ・オープンAIの最新モデルではアニメキャラクターなど自由に生成できる仕様になっていたとし、著作権をめぐり議論になっている。可霊AI運営責任者さんは「国ごとにAIに関する著作権や法律、規制には違いがある。私たちはサービスを展開する各国・地域の法律、規制を遵守できるよう体制を整えており現地のコンプライアンス要件にきちんと従うようにしている」と話した。

“中国か 台湾か” 揺れるホンジュラス

アメリカの裏庭といわれる中米・カリブ海地域。台湾と断行し中国と外交関係樹立したのは、ドミニカ共和国、ニカラグア、パナマ、エルサルバドル、ホンジュラス。しかしホンジュラスでは台湾への揺り戻しの可能性がある。最貧国の一つで教育・医療の格差、不安定な雇用が課題になっていた。2年前中国と外交関係を結び大規模な支援と投資が期待されたがほとんど実現していない。4年に1度のホンジュラスの大統領選挙が30日に行われる。前国防相・与党リブレ党候補・モンカダ氏は中国重視、テレビ司会者・野党自由党候補・ナスララ氏、テグシガルバ元市長・野党国民党候補・アスフラ氏は台湾重視で三つ巴になっている。ホンジュラスでは中国支援で病院の建設や学校の拡張工事などが進められていた。中国から利益を得るという政府の方針に懸念の声もある。台湾とのFTA破棄などで損害を被る産業がでている。特にエビの養殖だ。エビの養殖はホンジュラスの主要産業の一つだが輸出の4割が台湾だった。東京ドーム8個分のエビの養殖場が1月以降操業停止になった。ナスララ氏は投票日1週間前に「中国に侵略されホンジュラスの小規模起業家や生産者がさらに貧しくなっている。私は台湾との外交関係を取り戻すつもりだ」と話す。アスフラ氏も台湾との外交関係復活に前向きな姿勢だ。アスフラ氏は「2023年まで台湾との関係は貿易黒字」と話す。東京大学・松田康博教授は「トランプ政権が非常に中国に強硬。中国に向いているより台湾側に向いていった方が良いという計算もあると思う。米中の戦略的競争関係の一部としてこういった動きがでてくるのではないか」と話す。

INTERNATIONAL NEWS REPORT
“AIが自殺の原因ではない”

今年4月高校生が自殺した裁判。ChatGPTから自殺の方法を助言されたり、遺書の下書きを作成されたりしたことが影響したとして、両親が「オープンAI」やアルトマンCEOなどを訴えた。オープンAIは25日「チャットの履歴を読み解くと、彼の死は悲惨であるがChatGPTが原因ではないことが分かる」という書面を裁判所に提出、責任を否定した(ブルームバーグ)。アメリカでは生成AIとのやりとりが子どもの自殺の原因になったなどとして、遺族らが裁判を起こすケースが相次いでいて、企業側の安全対策が大きな議論になっている。

停戦から1年で127人死亡

レバノン・シーア派組織ヒズボラはハマスとイスラエル軍の戦闘に呼応しおととし10月からイスラエル軍と交戦した。イスラエルとレバノとの間では去年11月27日停戦合意が発効した後、イスラエル軍は合意に反しベイルート近郊やレバノン南部に空爆を繰り返している。国連の報道官は25日停戦合意が発効してからの約1年間で少なくとも127人の民間人が死亡したとして深刻な懸念を表明した。

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