- 出演者
- 山澤里奈 辻浩平 藤重博貴
驚異的なスピードで進化するAIが今、選挙のあり方を大きく変えようとしている。AIを活用し有権者一人一人の心理を分析し最適化した個別戦略や、真偽不明の映像を使ったネガティブキャンペーンなど、その最前線を辻キャスターが取材した。
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- 人工知能
オープニング映像が流れ、出演者が挨拶。
アメリカ・テキサス州ダラスから中継でリポート。辻キャスターは「ここテキサス州はAIと民主主義のあり方が問われている震源とも呼べる場所。中間選挙で前例のない規模の選挙資金が、AIを使った政治広告に投じられている。その額は5億ドル(約800億円)を超える。AIの用途は政治広告の動画を制作したり、オンライン上の世論を分析し支持者などにメッセージを送ったりするなど様々」などと語った。視聴者からは「生成AIによる政治広告が分断をさらに深刻化させているのか」「AIの法規制は後追いになるとしても必要なこと」などのコメントが寄せられている。辻キャスターは「ディープフェイクは世界でも日本でも選挙や民主主義に影響を与えかねないと懸念されている。アメリカでは選挙期間中のディープフェイクの使用を規制する法律がある州はある。しかしいまアメリカではディープフェイクは法規制すべきか、表現の自由の範囲内なのかが議論されている。双方の立場を主張する当事者たちを取材した」などと語った。
保守派の住民が多く長年共和党の地盤とされてきたテキサス州だが、今回の中間選挙では民主党候補が支持を伸ばし異例の接戦となっている。激しい選挙戦の新たな火種となっているのは、生成AIを使った政治広告。音声は民主党上院議員候補のタラリコ氏の発言を使っているが文脈を無視して切り取られ、キリスト教を否定しているかのように描かれた動画が260万回以上再生された。動画を投稿したのは対立候補の共和党・パクストン候補の陣営で、「タラリコ氏は信仰を政治利用している」などと批判した。動画にはAIを使用していることも表示していた。去年ダラス市議会選挙に立候補したジェフ・キットナーさんは、投票日が迫る中でキットナーさんを中傷するかのような生成AI動画を拡散された。過去の肉声が断片的に切り取られ、使われていたという。こうした政治コンテンツはSlop(ゴミ)とPropaganda(プロパガンダ)を組み合わせた造語「AIスロパガンダ」と呼ばれ、AIで大量生産された情報によって世論への影響を狙う手法を意味する。キットナーさんは選挙で500票差で敗れ、「AIが民主主義そのものを脅かしかねない」と訴えた。
一方でこうした動画は「正当な政治批判だ」と主張する人もいる。キットナーさんの生成AI動画を作った人物が取材に応じた。ダミエン・レヴェックさんは映画監督として働く傍ら、地元の選挙や政治をテーマにした動画をSNSなどで発信している。候補者を批判するAI動画を制作した理由を聞くと、「彼は適任ではない。政治経験もなく、掲げていた政策にも賛同できなかった」などとコメント。また「ディープフェイクではなく、政治の風刺。21世紀版の政治的な風刺画だ。私はわざと本人そっくりには作らず、誇張した姿にした」などと語った。選挙の際に生成AIの活用をどこまで認めるべきか、規制のあり方も問われている。テキサス州では2019年にディープフェイクを規制する法律が全米で初めて成立した。しかし政治風刺だと主張されるケースが少なくなく、表現の自由との線引きが難しいため実際の取り締まりには課題も残っている。AIがコンテンツを調査・分析する専門家のジェレミー・カラスコさんは「AIコンテンツの生成そのものを法律で規制するのは難しいだろう。一方で公開・拡散する行為については法整備による対応が必要だ」などと指摘した。
アメリカ・テキサス州ダラスより中継で伝える。表現の自由と両立する法整備が必要だということだが、なかなか難しそう。法律で規制する動きはあるが、実効性を持って取り締まるのは簡単ではない。アメリカでは30以上の州で、選挙広告などでのディープフェイクの使用を制限する法律が制定されている。テキサス州もその1つ。しかしテキサス州では先月も、副知事選挙で民主党の候補が共和党の相手陣営にディープフェイクを作られたとして、刑事告訴している。共和党の候補者側は、「これは誰が見てもわかる風刺なんだ」と主張して、表現の自由の範囲内だと争う姿勢をみせている。AIを使った政治広告を研究しているウェズリアン大学によると、確認できたAIの政治広告動画220本のうち、8割以上が共和党系の陣営によるものだったという。ディープフェイクの規制はその数の多さや風刺なのかどうかの判断が壁となって、実行力を持っていると言えないのが現実。有権者を惑わすような情報が大量に出回れば、選挙及び民主主義への影響は計り知れない。こうした流れは程度の差こそあれ、日本にも及んでいる。AIによるコンテンツがもたらす危険性について専門家に聞いた。
東京大学・澁谷遊野准教授が行った調査では、生成AIの動画・画像がウソだとわかっていても受け取り手の考えをより強固にするケースがあるという。澁谷教授は、「簡単な処方箋は絶対にないのが偽・誤情報だと思っている」と指摘し、真実か風刺かわかりにくいものの大量拡散で有権者が知るべき情報にたどり着けないことも危惧している。
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国際報道の次回予告。あすは辻キャスター現地報告2。中間選挙AI活用最前線。
シドニーに西シドニー国際空港がオープンした。アルバニージー首相は最高の空港だという。最初の便がゴールドコーストへと旅立った。客は大興奮。運賃を下げる可能性もあるという。
今年のドイツ環境賞は、革新的なフィルターを開発した技術者へ。有害物質をろ過できるという。もうひとりは気候変動と戦う人のための弁護士へ。シュタインマイヤー大統領から表彰された。
ポケモンカードのコレクションがオークションに出品された。20年近く屋根裏に眠っていたもの。セットで2100万円の値がついた。コレクション全体では3億3000万円以上。
ブラジルの大統領選挙は決選投票が行われ、左派で現職のルーラ大統領が右派のフラビオ・ボルソナロ上院議員を破って再選を決めた。ルーラ氏は当選4回目。ボルソナロ氏は、「きょう起きたことは普通ではなく、受け入れられない。選挙の無効を求めていく」と、選挙結果を認めない考えを示した。
サンパウロから決戦投票から一夜明けた。フラビオ・ボルソナロ氏が有利を伝えられていたが、ルーラ大統領が勝利。投票率が上がったことが勝因だ。フラビオ・ボルソナロ氏は最高裁判所の判事の判断で投票時間の延長は公平ではないと主張。選挙結果の無効を求めている。前回の選挙のあとでは連邦議会を襲撃する事件に発展した。ブラジルは左派政権が継続する。アメリカとの関係は悪化するのか。関税措置を通じて圧力をかけるアメリカ。ルーラ氏はこの国は誰かの裏庭になることを受け入れないという。トランプ政権を牽制している。南米の多くの国がルーラ氏を祝福している。
中国共産党の中央委員会が開く全体会議「五中全会」が、北京で始まった。汚職などによる幹部の処分が相次ぐなか、引き締めを強化するため、どのような方針が示されるのかが焦点だ。他人の昇進に便宜をはかり金銭を受け取ったをして軍の制服組の2人が党籍を剥奪される予定。中央軍事委員会のメンバーは7人のうち5人が失脚。中国共産党は党大会を来年開き、指導部人事を決める見通しだ。幹部人事も行われる見通しだ。最終日29日にコミュニケが発表される。引き締めが強化されるためどのような方針が示されるかが焦点となる。
イスラエルの総選挙。ネタニヤフ首相の与党陣営と反ネタニヤフの与党陣営のどちらが勝利するか焦点だ。パレスチナへの強硬姿勢が続いている。将来的にパレスチナ国家の領土とされるヨルダン川西岸では国際法に違反してユダヤ人入植地が拡大。与党と野党、それぞれの支持者を取材した。
イスラエル総選挙では、ネタニヤフ首相の続投を訴える与党陣営と、反ネタニヤフの野党陣営が対決している。極右政党「宗教シオニズム」のスモトリッチ党首は、ネタニヤフ政権の財務相として入植地拡大を推進した。ネタニヤフ政権は3年余りで新たに104か所の入植地を承認していて、非公式の拠点は2倍以上に増加した。宗教シオニズムの支援者や、入植者にインタビューした。民主党は、極右政党のパレスチナ強硬策に反対している。民主党を支援する若い世代は、対話の重要性などを伝えている。
毛利春香さんがエルサレムから中継で、イスラエル総選挙について解説した。イスラエル総選挙では、ネタニヤフ首相の続投などが注目されている。
去年ノーベル平和賞を受賞したマリア・コリナ・マチャド氏が、ベネズエラに帰国した。ベネズエラは、マドゥーロ大統領がアメリカの軍事作戦で拘束されていて、ロドリゲス暫定大統領のもとで体制を維持している。
ネパールで大規模な土石流が発生してから2カ月となった。ネパール軍が仮設の橋を建設し、被災者に支援物資を届けられるようになった。ネパール政府は、被災者が当面生活できる避難場所を整備している。土石流の復旧・復興には推計47億7000万ドルがかかり、作業を終えるのは約3年かかる見通し。国連はネパールへの支援として、2160万ドルを確保したと発表した。
