2025年6月28日放送 17:30 - 18:50 TBS

報道特集
イラン・イスラエル停戦合意の行方◇斎藤知事とPR会社 SNS運用を検証

出演者
伊藤隆佑 村瀬健介 國本未華 日下部正樹 山本恵里伽 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

オープニングトーク

アメリカの空爆で急展開。トランプ大統領が宣言したイランとイスラエルの停戦合意は本物なのか。特集1「停戦合意は続くのか」。兵庫県の斎藤知事とPR会社社長を書類送検。去年の知事選でのSNS運用は適切だったのか検証する。特集2「知事選でのSNSの運用を検証」。

(ニュース)
各地で厳しい暑さ 熱中症に警戒

きょうは全国各地で気温が上昇し、19地点で猛暑日となった。東京都心では最高気温が33.8度を記録し、今月11回目の真夏日に。6月の真夏日最多記録を更新。日本一暑い町とも言われる埼玉県熊谷市では34.5度を記録。こうした中、神奈川県鎌倉市では水道管が破裂した影響で一時断水となった地域があり、観光名所・小町通りでは臨時休業する店舗も。愛知県名古屋市では34度を記録。来週にかけても全国的にきびしい暑さが続く見込み。

中国返還 パンダ4頭旅立つ

和歌山県のアドベンチャーワールドから中国に返還される4頭のジャイアントパンダが関西空港から飛び立った。4頭は帰国後、四川省の繁殖研究基地で暮らす予定。

ガザ戦闘「来週中に停戦実現の見通し」

パレスチナ自治区ガザでのイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘をめぐり、アメリカのトランプ大統領は、来週中に停戦が実現する見通しだとの認識を示した。またトランプ氏は、イスラエルとイランの停戦などに自身が貢献したと強調したうえで、「ガザの問題にも取り組んでおり、解決に努めている」と話した。ガザ保健当局によると、先月27日にガザ人道財団が物資の配給をはじめて以降、周辺ではイスラエル軍の発泡などがあり、これまでに500人以上が死亡したという。

カナダとの貿易協議 全て打ち切りを表明

トランプ大統領は、カナダがアメリカのテック企業にデジタルサービス税を課すことに不満を示し、カナダとの全ての貿易協議を打ち切ると表明した。カナダからの輸入品に対し、新たな関税率を7日以内に設定、通知する方針を示した。カナダはアメリカのテック企業を主な対象としたデジタルサービス税の徴収を30日から開始する方針を示していた。

赤沢大臣 追加交渉で米国滞在延長を検討

トランプ関税をめぐる交渉を担当する赤沢経済再生担当大臣は27日、ラトニック商務長官と会談。日本側の発表によると、会談は約1時間で、トランプ関税に関して日米の立場を改めて確認したとしている。交渉は来月9日が期限の目安となっているが、日米の間では自動車関税をめぐり立場の隔たりがなお大きく残っているとみられる。赤沢大臣はベッセント財務長官らとの会談を模索しており、28日までの予定だったワシントン滞在の延長を検討している。

大阪・集合住宅でロシア人女性死亡殺人か

昨夜10時頃、大阪市浪速区の集合住宅の一室で「住人が血を吐いて倒れている」と警察に通報があった。警察によると、ロシア国籍の女性がベッドで仰向けに倒れていて、その場で死亡が確認された。別居中のロシア国籍の夫が倒れていた女性を部屋で発見したという。死後数日経っているとみられ、顔には血がつき、殴られたような痕があり、警察は殺人事件として捜査している。

高校生ら”無免許3人乗り”バイクが衝突事故

きのう夜、沖縄県浦添市の県道で、3人乗りのオートバイが対向車線の乗用車と正面衝突した。この事故で、オートバイに乗っていた17歳の男子高校生2人と18歳の少年が重傷。3人はいずれも無免許。警察はオートバイが何らかの原因で対向車線にはみ出したとみて捜査している。

「独自のドローン開発」が台湾安全保障の要

軍事的圧力を強める中国を前にドローンに力を入れる台湾。台湾製ドローンの開発では安全保障の観点から中国企業を排除している。その中核となっている研究施設を取材した。先月、中国・深セン市で開かれたドローンの展示会。中国では400社以上がドローンを製造し、世界シェアは7~8割。そんなドローン市場で今、拡大している分野が軍事分野。ロシアに侵攻されたウクライナは戦力差がある非対称戦争を強いられる中、ドローンが重要な役割を果たしている。台湾当局もこれに注目。中国からの軍事的圧力に直面し、ドローンの重要性が高まっている。南部の嘉義県。飛行実験を行っているのは台湾のラジコンメーカーが開発中の偵察ドローン。完成すれば10時間以上飛行し、100キロ先まで偵察が可能になるという。その特徴は、部品から技術まで台湾企業と連携した点。中国企業は全て排除。研究・開発を行っているのはアジアドローンAIイノベーション応用研究開発センター。軍事用を中心に台湾製ドローンにこだわっている。一方、中国を排除することで、コストアップや材料調達が困難になるなど様々な課題も。方針次第では産業を維持できない可能性もあるという。安全保障において大きなメリットが見出されている台湾製ドローンだが、今後の飛躍は海外市場への売り込みや政府の支援なしでは容易ではなさそう。

大谷29号HR&菅野6勝目

きのう5年連続のオールスター出場を決めたドジャース・大谷翔平選手。ロイヤルズ戦の第1打席は2試合連続となる第29号先頭打者ホームラン。第3打席にはタイムリースリーベースも放ち、チームの5連勝に貢献。

菅野 メジャー最多失点も…

オリオールズの菅野智之選手は今シーズン16度目の先発。3本のホームランを浴びるなどメジャー移籍後最多の7失点。しかし、オリオールズ打線が22得点を奪う猛攻。菅野はまさかの形で6勝目。オリオールズ22-8レイズ。

大規模断水 週末の観光地直撃

きょう未明、神奈川県鎌倉市浄明寺で水道管が破裂し、一時大量の水が吹き出した。約1万世帯で断水し、影響は週末の観光地を直撃した。水道管の破裂の原因は1964年敷設のボルトの腐食。

(気象情報)
気象情報

全国の気象情報を伝えた。

(特集)
イラン・イスラエル”停戦”の行方

イランとイスラエルの停戦合意。完全に戦闘が終結するとされた25日以降、大規模な攻撃は伝えられておらず、両国とも停戦を維持する姿勢をみせている。今月13日にイスラエルがイランの核関連施設など空爆したのを機に始まった軍事衝突。イラン保健省は25日まで627人が死亡し、4870人が負傷したと発表。一方のイスラエルもミサイルやドローンによる反撃で28人が亡くなったとされている。首都テヘランは攻撃を受けた直後から、赤十字社にあたるイラン赤新月社が救助活動を始めた。赤新月社は救助にあたっていた職員4人が死亡。このうち2人はイスラエルの攻撃を受けた救急車に乗っていたと発表した。生放送中にイラン国営テレビも攻撃を受けた。衝突が激化する中、22日にはアメリカのトランプ大統領がついにイランの核施設を空爆。この翌日にはイランとイスラエルが停戦に合意したと投稿した。さらにトランプ大統領は、イランへの攻撃の成果を、日本への原爆投下になぞらえて、「あの攻撃が戦争を終結させた」と強調した。

攻撃されたイラン国内の様子は

テヘラン上空で爆音を響かせる飛行物体。撮影したイラン人の男性は仕事をしていた日本からイスラエルの攻撃の前に帰国。この数週間のイラン国内の状況を「空爆、ドローン無人機を使って空爆されていた。早朝、夜、朝、夕方関係なく(攻撃を)受けました」と話す。今回の攻撃にはイスラエル側のスパイも関わっていたとして、イラン当局は疑いのある人物を逮捕・処刑している。こうしたことから、今、町中で多くの検問がされているという。アメリカとイランの対立が徹底的になったきっかけは、1979年のイラン革命。それまでイランは親米派のパーレビ国王が実権を握っていたが、イスラム教シーア派の指導者・ホメイニ師率いるイスラム主義勢力によって倒された。その後、イランは欧米型の近代化政策を真っ向から排除する一方で、核開発を進めていった。だが2009年、オバマ政権発足でアメリカはイランと対話する方針に転換。2015年、アメリカを含む6か国は、イランの核開発を制限する見返りに、イランへの制裁を解除する核合意を締結した。しかし、新に大統領に就任したトランプ氏は2018年、国際社会が反対する中、一方的に核合意からの離脱を表明。再びイランに制裁を発動した。かつてオバマ政権下で大量破壊兵器に関する政策を担当したゲイリー・セイモア氏は、「アメリカが核合意から離脱したことを逆手に取り、イランは核開発を加速させた。経済制裁を加えることで交渉を進めようとしたトランプ氏の戦略は失敗。しかし、大統領に返り咲いたトランプ氏は、まだイランと交渉の余地があると考え、武力でイランの核施設を破壊することで、交渉を上手く進められると考えている。(イランとの)交渉は可能だが、イラン政府があれだけの軍事的な敗北にもかかわらず、合意に歩み寄るかどうかは不透明」などと話す。アメリカ・ロサンゼルス市内の一角に14万人以上のイラン系移民が暮らす地区がある。イラン最大の反体制派グループで活動していた男性、ルーズベ・ファラハニプールさん。デモを組織したことなどから逮捕され、2000年末にアメリカへ逃亡。現在はロサンゼルスで3つのレストランを経営し、西地区の商工会議所の代表も務めている。今回のアメリカの攻撃について、イラン人コミュニティーの反応は二分しているという。男性はアメリカに移住しても生活への不安は変わらないという。イラン側はイスラエル、介入したアメリカをどう思っているのか。1979年のイラン革命直後に創設された革命防衛隊は、最高指導部直属の精鋭部隊。今回、革命防衛隊のトップらも殺害された。革命防衛隊の元司令官で現在、イランの国会議員を務める男性は、殺害された革命防衛隊幹部の葬儀に参列。IAEA(国際原子力機関)に加盟もせず、核を保有しているとされるイスラエルが、核施設を攻撃したことに対し、「イスラエルとアメリカは滑稽。イランだけでなく世界はイスラエルが90~120の核弾頭を保有していると知っている。核を持っているのに、国際社会からいかなる制限も受けていない唯一の国。イスラエルが脅威なのか、イランが脅威なのか。アメリカは核施設を攻撃した。ノーベル平和賞が戦争の旗振り役に贈られるものになるとしたら、いたずらか悪ふざけかジョークだろう」などと憤った。トランプ氏が手柄として主張する停戦合意は維持されるのか。イラン政治を専門とする東京外国語大学の松永泰行教授は「イスラエルとアメリカが仮に非核武装化をすれば、イランが感じているかもしれない核武装しなければいけない必要性もなくなる」などと話し、トランプ氏がイランに体制保証を与えなければ、停戦合意の持続は難しいと指摘する。

翻弄される在日イラン人

東京・世田谷区でペルシャ絨毯の輸入販売会社を営むイラン人のホスロー・タギーさん。テヘランで暮らす妹家族のことが気がかりだという。今月13日、イランが攻撃を受けたと知り、すぐに連絡したが連絡がつかなかったという。連絡がついたのは2日後、「無事です」とメッセージが送られてきた。25日、アメリカのトランプ大統領が「完全に戦闘が終結する」としていた時刻が過ぎた。タギーさんが妹に電話をかけると、妹は「この先どうなるか、まだ何も決まっていない」などと話した。タギーさんは自分の無力さを感じているという。

”アメリカの介入”で問題は解決するのか

取材した専門家やイランの議員たちは口を揃えて、今回の軍事行動では問題を解決しないと言っている。一方のトランプ大統領や側近らは、イランの核兵器開発を完全に葬り去ったと勝ち誇っている。バンス副大統領にいたっては、「トランプドクトリン」という言葉を言い始めている。外交交渉で解決できない問題は、圧倒的な軍事力で解決すると。こうした言動は軍事大国のおごりそのもののように見える。トランプ大統領はイランへの攻撃を正当化するために、広島と長崎を持ち出した。全く不適切。日本人にとって看過できない発言。

公選法違反の分かれ目は?

去年の兵庫県知事選挙をめぐって、斎藤元彦知事とPR会社社長が先週、書類送検された。問われたのはSNSを使った選挙運動。何が選挙違反に当たるのか、取材をもとに考える。今週水曜、兵庫県・斎藤元彦知事は会見で、去年の知事選をめぐる公職選挙法違反の疑いについて繰り返し問われた。県議会から不信任を突きつけられたが逆転勝利を果たした斎藤知事。その直後、兵庫県内のPR会社merchuの社長A氏がインターネット上に投稿した内容が問題となった。演説のライブ配信をするA氏自らの写真もあった。斎藤陣営はA氏の会社merchuにポスターデザイン製作等として71万5000円を支払っている。これが選挙運動の報酬にあたり、買収の疑いがあるとして、去年12月、大学教授らが斎藤知事とA氏を刑事告発。兵庫県警はスマートフォンなどを押収。先週、斎藤知事とA氏を書類送検した。知事はSNSに運用は自分や斎藤事務所が主体的に行っていたなどとして、違法性を否定。

ポイント(1) 機械的作業か?

公職選挙法ではポスターの印刷など機械的な作業のみを行う場合、報酬の支払いを認めている。だが、機械的な作業ではないものに報酬を支払うことは公職選挙法の買収罪となるおそれがある。1つめのポイントは、merchu(メルチュ)の行為が機械的な作業だったのかどうか。報道特集は選挙中のSNSの映像などから、選挙戦へのメルチュの関与を独自に検証。メルチュの社長A氏は兵庫県西宮市出身。PR会社メルチュを立ち上げ、兵庫県など自治体からの依頼でSNSを使った地方創生事業などに関わってきた。兵庫県知事選への関与については、自身のYouTubeで「広報全般を任せていただいていた。ポスターを作ったり、ビラを作ったり、SNS運用をやったり、YouTube運営をやったり」と話していた。A氏が発信するSNSの1つ「note」。斎藤氏が出直し選挙に臨むと表明した3日後、去年9月29日の写真には、「オフィスで作戦を提案中」などと書かれている。他にもSNS運用フェーズという提案資料。メルチュは機械的に作業していたのではなく、SNSの主体的な運用を任されていたのか。斎藤氏の代理人、奥見司弁護士は「SNS戦略を依頼したということや広報全般を任せたということは事実ではございません」と述べている。実は問題発覚後、A氏のnoteからはメルチュの主体性をうかがわせる記述が修正されていた。斎藤氏の選挙戦略にはA氏の他にももう1人鍵を握る人物がいた。男性B氏。初当選のときから斎藤氏の選挙をサポートし、メルチュにも同行していた。斎藤氏の陣営で選挙対策を率いてきた。斎藤氏とB氏を知る人物が取材に応じた。上原みなみ神戸市議は、斎藤氏がメルチュを訪ねた6日後、斎藤氏とB氏と面会。上原市議がSNSの手伝いを申し出ると、同席していたB氏は「メルチュに依頼している」と言い、上原市議が斎藤氏のSNSを手伝うことはなかった。「SNS監修はメルチュさんにお願いする」とのLINEを送ったB氏が事情を知っているのか。取材を申し込むと断られた。一方、斎藤知事は公職選挙法に関わる問題については代理人に対応を任せていると繰り返し、発言を避けている。買収にあたるのかどうか、2つ目のポイントは、メルチュの行為に報酬が支払われたのか。奥見弁護士は「ボランティア。社長とは何の契約もなく、報酬支払の事実も約束もない」と述べている。知事側の主張は、71万5000円は全てチラシやポスターなどの機械的な作業に支払ったもので、SNS運用には報酬はなく、A氏個人のボランティアであるとしている。しかし、知事とA氏を刑事告発した神戸学院大学・上脇博之教授は、noteの記載などから買収が成立するとみている。一橋大学・只野雅人教授は「起訴までもっていくのはなかなか簡単ではない」などと話す。選挙カーの運転手やウグイス嬢への報酬は公選法で上限額などが定められている。一方で、ネット上の選挙運動費用については、その解釈をめぐって問題になるケースも出ている。去年の都知事選では、街頭演説の配信業者に支払われた機材キャンセル料をめぐり刑事告発されている。

1 - 2

© 2009-2025 WireAction, Inc. All Rights Reserved.