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放送中のドラマ「虎に翼」では、主人公が弁護士を目指して奮闘する物語が描かれる。物語では日本国憲法が重要な役割を果たしている。主人公のモデルとなった三淵嘉子さんは日本発の女性弁護士。国会でも衆院憲法審査会が開かれ、自民党が憲法改正条文案を作るよう提案。野党はこれに反対。この番組では、その改正など憲法論議の在り方について特集。
ことしの通常国会で憲法審査会が衆院で4回、参院で1回開催された。逢坂誠二「議論を急ぎすぎではないか」、加藤勝信「緊急事態に対応することは喫緊の課題」、音喜多駿「論議は具体的な成果にきわめて乏しい」、北側一雄「国会議員の任期は憲法で定められているので憲法改正は必要」、玉木雄一郎「冷静で緻密な議論が行われきた」、大石あきこ「世論調査によると改憲に賛成の人が激減している」。
日本国憲法改正について各党で議論。野党からは、裏金問題など念頭に早急な憲法改正に反対の立場。「政権に都合の良いやり方になってしまう可能性がある」との指摘も。与党側は「平時から緊急時の話をしておかなければならない」「具体的な条文を提示しながら議論を深めていくことが大事」など応じた。
「同性婚を認めない民法などの規定は違憲」という判決が札幌高裁で示された。憲法は「婚姻は両性の合意にのみ基づいて成立」としており、判決では「同性婚を異性婚と同程度に保障していると考えるのが相当」などとされた。同様の訴訟は全国5カ所6件起こされており、それぞれ見解が分かれている状況。
逢坂誠二は、札幌高裁の判決はまさに今の状況にそぐうものだと思っている、などと述べ、我が党はすでに同性婚を可能とする法案を国会に提出済みなどと説明した。自由民主党の加藤勝信は、こうした問題は我が国の家族のあり方の根幹に関わる問題、我が国において婚姻制度においてどういう意味において法的に保護されてきているのか、などと述べていた。日本維新の会の音喜多駿は、同性婚は認めていくべきという立場、ただ同性婚といっても様々な手法が考えられる、札幌高裁は憲法24条は同性間の婚姻についても保証しているという新たな解釈をした、などと述べた。共産党の山添拓は、同性婚も認める法改正を直ちに進めるべき、裁判所に違憲と判断される問題で動こうとしないで改憲を急ぐというのはあまりに身勝手で国会の役割を履き違えているのではないかと感じるとした。公明党の北側一雄は、同性婚を認めていく制度として国会で議論をして政府の方でもしっかり検討してもらいたい、などとした。国民民主党の玉木雄一郎は、文言上「両性」と書いてあってかつこれまでの政府解釈は同性婚を禁止もしていないけど保証もしていないということだったので、認めるのであれば両性を両者の合意にしたほうがいいのではないかと改正案を提案している、などと語った。れいわ新選組の大石晃子は、同性婚はいまの憲法でも保証されるべき権利だ、というのは明らかだ、法改正の最大のボトルネックは自公政権が違憲状態で同性婚をせき止めている問題だと指摘した。自由民主党の加藤勝信は、婚姻をどう守っていくのか、そこには権利もあれば義務もある、根本はなぜ法的に保護されているのか、その中でこの問題をどう入れ込んでいくのか、こういった議論になると語った。
日本維新の会の音喜多駿は、個人を尊重することと、社会の調和を保つこと、これは相矛盾するものではないと思う、などと述べた。公明党の北側一雄は、お風呂で女性の方に不安を与えるのではというのは別次元の話しだと思う、浴場については取り決めがあり、今も守られているわけで具体的に対応する、そうじゃなくて原則はどうかということを最高裁は示している、と述べた。立憲民主党の逢坂誠二はLGBT理解増進法について、差別禁止ということを明確にした法律にすべきだと言及したい、と述べた上で、今の問題は難しいので国会で議論を深めていくのが大事だとした。
1967年、佐藤内閣は紛争の当事国などへの武器輸出を認めないとする「武器輸出三原則」を打ち出した。1976年には三木内閣が出した政府統一見解によって武器の輸出は原則禁止となった。その後日本を取り巻く状況が変化する中で、歴代内閣は武器を含む装備品の輸出のルールを段階的に緩和。そして岸田内閣は去年12月、防衛装備移転三原則の運用指針を改め、地上配備型の迎撃ミサイルをアメリカに輸出することを決めた。さらに今年3月、イギリス・イタリアと共同開発を進める次期戦闘機について、第三国への輸出容認を決定。
日本がイギリス・イタリアと共同開発を進める次期戦闘機について、これまで他国と共同開発する防衛装備品を第三国に輸出することは「防衛装備移転三原則」に規定がなく認められていなかった。しかし次期戦闘機を巡って政府は3月、第三国への輸出を容認する方針を閣議決定し、防衛装備移転三原則の運用指針を見直した。ただ輸出の歯止めとして、個別案件ごとに閣議決定するほか、戦闘が行われている国に輸出しないなどとしている。立憲・逢坂さんは、今回の戦闘機の輸出を巡る議論は国会で開かれた場できちんと議論されていないのが問題だとした。今回の共同開発すると言っていた頃、戦闘機の輸出を想定していなかったかのような発言があり、どういう経過だったかをはっきりしてもらいたいなどと述べた。共産・山添さんは、本来安全保障環境を好転させる外交戦略が求められているとし、悪循環に陥ることは明らかだとした。憲法に基づく平和国家として、国際紛争を助長する武器輸出を行わないのは国是なので、これを崩し輸出を解禁して軍事産業を成長産業にするのは死の商人国会の堕落と言われても仕方ないなどと述べた。自民・加藤さんは、平和主義を維持する中で専守防衛をどう進めていくかだとし、防衛装備移転三原則に関して、例外的に決めてきたものを一定程度の原則を作り対応し、今回共同開発研究というなかで具体的に進め我が国にとって必要な装備を開発し生産していくために必要だという判断の中で行われているとした。
日本維新の会・音喜多さんは、防衛力及び友好国との関係強化は必要不可欠だとし、防衛装備品の国際共同開発は国際的にも主流であり日本も貢献していくことが求められるとした。武器輸出の第三国対象について、今回のイギリス・イタリアとのものに限って認めるという腰の引けた決断をしたことに懸念を覚えているという。現在の防衛装備移転三原則の運用指針では、第三国輸出が過度に制限されていると言わざるをえないとし、日本の防衛産業基盤を強化するためにも国際共同開発の推進、第三国輸出の解禁は欠かせないもので指針のさらなる見直しは不可欠だとした。国民民主党・玉木さんは、自分の国は自分で守るというのは原則だとし、ほんとうの意味で自国の防衛力を強化するというのは、自国で作り開発できる能力を持つことで、国際共同開発は必要で他国の信頼を得るために柔軟に認めていくことが必要などと述べた。公明・北側さんは、戦闘機は最先端技術の塊のようなもので、共同開発するのがコストやリクスなどを考えてやむを得ないとした上で、第三国に移転するには一定のルールが必要などと述べた。一番のポイントは個別案件ごとに閣議決定で、事前に国民に情報が公開されるので、国民的な論議さらに国会での論議にすると思っているという。れいわ・大石さんは、武器輸出解禁に関して進めている人は「中国が危険」「ビジネスチャンス」ということを言ってるがどちらも間違ってるとし、中国と米国の世界的な緊張に巻き込まれてはいけないし、儲かるのは日米の一部の資本家だけだと指摘。
玉木雄一郎は、安倍総理が一部集団的自衛権まで可能にしたために9条の改正の必要性は極めて低下していて、これ以上解釈でやるのではなく条文をしっかり書くべきだと思うなどと話した。音喜多駿は、自衛隊明記をするべきだと思うなどとコメントした。大石晃子は、9条を変えようとしている人たちは戦争で血を流せるようにしようとしているからやってはいけないなどと考えを述べた。山添拓は、徹底した外交で戦争をさせないのが政治の責任だと思うなどと話した。北側一雄は、自衛隊を明記するならいかに民主的に統制をするのかという観点から憲法改正を検討していくことはあり得るのかなと思っているなどとコメントした。逢坂誠二は、自衛隊は合憲だと考えているのであえて明記する必要はないという考え方などを述べた。加藤勝信は、自衛隊の明記に関しては憲法審査会のなかでも議論が集約しつつあるのではないかと思っているからこの点を前に進めさせていただければなどとコメントした。
憲法を巡る今後の議論について前原誠司は「9条の2項には陸海空、その他の戦力を保持しないと書かれているが、見直していく必要がある。」、福島瑞穂は「1つ目は憲法の破壊を止めること。憲法9条の平和主義に則って非核三原則や軍事研究をしない国だったのが破壊されている。2つ目は憲法改悪をさせないこと。裏金で法律を守らない自民党に憲法を変える資格はない。3つ目は夫婦別姓選択制や同性婚など憲法価値の実現。4つ目は戦争への準備ではなく平和の構築。」などと話した。神谷宗幣は「占領下に作られた憲法は0ベースで見直すべき。国柄を明記すること、情報戦や経済戦など国防の問題を書いていくこと、国民の権利自由を侵さないこと。」などと話した。
憲法を巡る今後の議論について大石あきこは「裏金自民が憲法を変えるのは厚かましい。改憲勢力の人が憲法を変えようと言っている流れは胡散臭い。」、玉木雄一郎は「まともな緊急事態条項がないことで、いざ緊急事態になったら様々な権利が簡単に侵害される状況なので、緊急事態条項の制定が必要。」、山添拓は「日米共同声明で自衛隊と米軍の統合を合意してきたが、米国の行う戦争に巻き込まれる可能性があるので、憲法破壊をさせない路線に臨む。」などと話した。
北側一雄は「緊急時において国民の権利自由を守る為に国会の機能を維持するとの議論について具体的な条考案などより緻密な議論を行っていきたい。」、音喜多駿は「堂々巡りに入りかけている憲法の議論は一度区切りをつけて、国民の意思を聞いて国民投票を早期に実現することが必要。」、逢坂誠二は「緊急事態条項についての条文化は急ぐべきではない。国民投票法制も十分ではない中で発議をするのは本末転倒。国会で公文書の廃棄・捏造・隠蔽などが行われている為、憲法において防止することが必要。」などと話した。
加藤勝信は「憲法審査会で議論をして、中身を広報周知にて国民に理解してもらうことが大事。また、審査会ではしっかりとした成果を出していく姿勢が必要。」、逢坂誠二は「選挙制度や緊急集会をどうするか、その上で誰がどう判断するのかが大きな論点。」、加藤勝信は「まずは憲法審査会の場で役割を果たしていきたい。」などと話した。