- 出演者
- 所ジョージ 湯上響花 平井文彦(Tokyo Bug Boys)
オープニング映像。
科学技術映像祭は1960年から続く日本で最も歴史ある科学映像コンテスト。第66回科学技術映像祭にて所さんの目がテン!「折り紙の科学」が文部科学大臣賞を受賞した。今回はその受賞作をもう一度放送する。
第66回科学技術映像祭・文部科学大臣賞受賞作品「折り紙の科学」。日本では古くから折り紙が芸術として親しまれ、最近では折り紙をモチーフにしたCGアニメーション作品がアメリカ映画界の最高の栄誉とされる第51回学生アカデミー賞アニメーション部門で「Origami」監督:金森慧さんが日本初の銀賞を受賞した。世界的に折り紙が注目を集めている。折り紙の原理や技術を工学に応用し様々な分野で役立てていこうという学文が折り紙工学。地図もミウラ折りで瞬時に開いたり閉じたりできる折り紙の技術が採用されていたり、宇宙観測装置スターシェードも折り紙の技法を応用し開発された。
折り紙の技術を応用する折り紙工学。折り紙の技術で大きなものを省スペースで運べたり、金属などにも応用でき折ることで軽くて丈夫なものを作ることができる。昆虫映像クリエター・平井文彦によると昆虫も折り紙工学と深い関係があるという。第27回国際昆虫学会議に「昆虫折り紙コーナー」があり、昆虫を模った折り紙がたくさんあった。海外の研究者たちが群がっていたという。
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- 南九州大学新谷喜紀第27回国際昆虫学会議
ハニカム構造は蜂の巣模様の構造で軽量かつ高強度を実現できる。従来は平板パネルしか作作製できなかったが、1枚の波型の板を折り紙のように折り曲げることでハニカム構造を作ることができた。折り紙のような製法でさまざまな形状を作れるようになった。テントウムシやカブトムシなどは根元に全部筋肉が集まっていて根元の部分を動かすだけで他の部分が連動して羽を開いたり閉じたりできる。昆虫たちは羽の広げ方にバリエーションをつくって戦っている。斉藤先生イチオシの昆虫はハサミムシで羽が13倍~15倍大きく開き、昆虫の中で一番のl収納効率のある羽を持っている。
ハサミムシの羽の写真を見てみると白い筋の間に美しい折り目のパターンがあり、この折り目によりコンパクトな収納ができるという。斉藤先生はハサミムシの複雑な折りたたみパターンが実はシンプルな幾何学的なルールで作図できることを発見した。このルールで設計した扇子を作ってみると、フレームの根元がずれていて半分に折った時に紙と紙の間に隙間ができ厚みが重ならずスリムに折りたたむことができる。生き物の構造や機能を模倣して工学などに応用するバイオミメティクスの面白いところ。軽トラックに詰める折りたたみ式の屋根としても実用化されている。他にも月面基地での滞在時に必要な電力を得るためのコンパクトに折りたたみ可能なソーラーパネルを開発している。
実際に月面基地の電力タワーの太陽電池パネルに採用が検討されているモデルを試してみると根元を動かすだけでパネルが大きく広がり、元に戻すとコンパクトに折りたたまれた。ハサミムシの羽は柔軟性と剛性を併せもっていた。
科学技術館で行われた「CONNECTING ARTIFACTS つながるかたち展04」でも折り紙工学が応用されたさまざまな作品が並んでいた。折り紙で作った三次元ウサギ(作者:舘知宏)は曲線が多く立体的なウサギを1枚の大きな紙を折るだけで作り上げている。オリガマイザーは与えられた多面体の形状に基づいて折り線パターンを作るソフトウェア。3次元の立体形状を入力して展開図を作り折っていくと3次元のウサギの形で出来上がる。慶應義塾大学・鳴海紘也准教授はシートを温めるだけで自動で折る技術を開発した。熱で収縮するフィルムの上に印刷により熱で縮まない加工をしたもので、70℃から100℃に温まると印刷していない部分が収縮して自動的に折れ曲がる仕組みだという。
お湯をかけるだけで自動的に折れ曲がってしまうシート。お湯につけてみると徐々に形が変化し帽子が出来上がった。この帽子になるシートは計算した通りに折れるように設計していて溝の太さによって折れ曲がる角度が変わる。全て計算で1枚のシートから望み通りの形を折ることができるという。慶應義塾大学・鳴海准教授は将来的にはペラペラなシートを紙束みたいにしてロケットで運んで宇宙で立体にして使うことが考えられるとコメントした。
折り紙の科学が文部科学大臣賞を受賞したことをきっかけに、2025年10月26日・日本科学未来館で上映会が行われた。上映後は特別ゲストによるトークショーも開催し、子どもから大人まで幅広い世代の100人以上の方々が来て盛り上がった。
