- 出演者
- すっちー 礼二(中川家) 剛(中川家)
茨城・古河市で耐熱ガラスの工場を探検する。この工場が作る耐熱ガラスはコーヒー器具や理化学用品まで幅広く使われている。耐熱ガラスはキッチン用品としても大活躍。
創業103年の耐熱ガラス製造工場を訪れた。1921年に東京・神田須田町で創業したこの会社は日本で唯一耐熱ガラス量産工場を持っている。工場長の飯島さんに案内してもらう。まずは原料の調合設備へ。普通のガラスと耐熱ガラスは耐熱温度差が違う。耐熱温度差とは急激な温度変化に割れずに耐えられる温度差。一般的なガラスは耐熱温度が60~80℃だが耐熱ガラスは120℃に耐えられる。耐熱温度を高める効果を持つのが原料の20%を占めるホウ砂とホウ酸。製造工程は大きく分けて5つ。まずは原料を溶かす溶融の工程。調合された原料は溶融炉に運ばれ、約1600℃の高熱で加熱。電気式の溶融炉の開発によりこの工場は50年以上前から煙突がない。続いては成形の工程。この工場では量産マシンだけでなく手作業でも成形を行っている。量産マシンでのブロー成形はガラスの塊に空気を入れ、手吹き職人の技術を再現している。もう1つのプレス成形はガラスの塊を型に入れ圧力で引き伸ばす。次は徐冷の工程。ひずみの発生を防ぐため冷やし方には工夫が必要。ガラス全体を600℃程度に温め直し、約20分かけて40~50℃に冷やす。次は二次加工の工程。不要な部分を切り離すチルカットマシンで加工している。ダイヤモンドカッターで筋をつけ、バーナーで加熱。仕上げに水を吹きかけ切り目を作りカットする。
最後は検品の工程。製品を軽く棒で叩いて音の響きを検査する打感検査は不良品が一発でわかるため素早く確実に検出できる。礼二が打感検査に挑戦した。検品を終えた製品は組み立て場所に運ばれる。樹脂製のパーツを取り付け、最終確認をして完成となる。年間約1500万個の製品がこの工場から生まれている。工場に隣接する工房では耐熱ガラスを使ったアクセサリーを作っている。2013年に耐熱ガラス加工技術の継承のために始めた。すち子は一本の耐熱ガラスの棒を加工して小さな玉を連続で作るのに挑戦した。最後に岐阜県にある観測装置カミオカンデのために作られたガラスバルブを紹介した。同じものを1000本作り、すべて工場の手吹き職人が作った。製造の様子はプロジェクトXでも取り上げられた。また楽器を世界で初めて楽器を耐熱ガラスで作った。総製作費約1000万円だという。
剛は今日の学びを「強い職人(たましい)強いガラス」とまとめた。
「探検ファクトリー」の次回予告。