2023年10月21日放送 22:00 - 22:30 テレビ東京

新美の巨人たち
【帝国ホテル東京・知られざる建築美×内田有紀】

出演者
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(オープニング)
今回は…

帝国ホテル東京を特集する。

キーワード
帝国ホテル 東京高橋貞太郎
オープニング

オープニング映像。

新美の巨人たち
帝国ホテル東京 ホスピタリティの舞台

帝国ホテル東京は国家の迎賓館としても機能した。このホテルは現在三代目でその場所は東京のメインストリートの日比谷通りにある。都会のオアシスの日比谷公園と向き合うようにそびえ立つのが帝国ホテル。開業は明治23年で地上17階建てで地下三階の鉄骨鉄筋コンクリート造で、客室数は570室あり外壁が鈍色に輝く建物はうえから見ると十字にクロスしている。低層部にはインド産の石を5000枚張り巡らせたぬくもりのある装飾。これには 設計者の密かな狙いがあるという。世界中VIPや著名人がこのホテルを訪れた。その館内を紹介。その所作と佇まいに一流の品格があり、フロントスタッフや客室係など1700名がこの巨大なホテルを支えている。いち早く季節を感じることのできる鮮やかなフラワーアレンジメントや天井に輝くシャンデリアは368枚のガラス板が使用された造形作家の多田美波の作品。ロビーのラウンジでは、同じく多田美波の作品が。高さ8m、幅25mのこの壁は7600個のガラスブロックを用いて海辺の夜明けを表現している。

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メインロビーの一角には重厚な大谷石のレリーフがあり、様々な幾何学の装飾がある。明治23年開業の初代帝国ホテルは、明治政府と財界が一体となり日本の迎賓館として作られた。設計は内務省建築局の渡辺譲。初代本館は木骨煉瓦造の三階建で、世界各国の一流の家具や調度品を設えた最高級のホテルだった。二代目の帝国ホテルは建築家のフランク・ロイド・ライトが手掛けた。大正12年に通称ライト館が竣工した。圧倒的な存在感の建物は、鷲が翼を広げたような威厳あるアシンメトリー。大谷石とテラコッタを組み合わせた壮麗な造形になっている。また幾何学的に積み重なった装飾はその美しさから東洋の宝石と讃えられた芸術性豊かなホテル。そのホテルにはマリリンモンローとジョー・ディマジオが。その時記者と受け答えしたマリリンモンローの有名な「シャネルの5番よ」というセリフはライト館で生まれた。ライト館が竣工して今年で100周年になり、この幾何学的装飾のレリーフこそ東洋の宝石の限りないオマージュだったという。

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帝国ホテル東京の客室の中を紹介。フランク・ロイド・ライトスイートは、ライトの内装デザインで統一した世界唯一の部屋。家具や照明などはライトオリジナルで、ダイニングのイスは背もたれがキリッとしたスタイリッシュな作りで、ベッドルームを間仕切りで仕切った隣には書斎がある。一泊の宿代は高価だがリーズナブルに泊まれる部屋もあるという。三代目の帝国ホテルは昭和41年に当時社長の犬丸徹三が大勢の外国人客を受けいれる超高層ホテル建設を作りたいと乗り出した。設計を任されたのは建築家の高橋貞太郎。北アルプスを臨む山岳リゾートの長野県・上高地には赤い屋根の建物が佇んでいる。これは上高地帝国ホテルで高貴な気品漂う高橋貞太郎41歳の時の作品。さらに、日本屈指の名門ゴルフコースを要する川奈ホテルはリゾートホテルの代名詞。晴れやかで爽やかなスパニッシュスタイルの外観で、堂々たる室内の中に緻密な計算と空間表現が融合している。川奈ホテルは高橋44歳の作品。寡黙な建築家で、自らの作品についてほとんど語ることはなかったという。

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ホテルが竣工する昭和45年はジャンボジェット機が周航したことで大量光速輸送時代へ。大阪万博が開催した年でもある。高橋に託されたのは社長の犬丸からダイナミックな高層ホテルの設計。しかし、彼の設計は建築関係者から思いもかけない批判を浴びてしまう。ライト館の取り壊しを惜しむ建築会の人々は帝国ホテルを守る会を発足しホテル側を批判したという。そのことで板挟みになってしまった高橋だったが、ホテルを設計する意思は揺らがず。そこで建築家協会を脱退し何枚もの設計図を作り続けたという。昭和42年にライト館の一部が愛知県・明治村に移築保存が決定した。その三年後に高橋設計で帝国ホテル東京3代目本館が竣工した。隣の日生劇場と景観の調和をとるためホテルの低層部分には同じような石材を使用しているという。日生劇場は建築家の村野藤吾の傑作だという。高橋は帝国ホテル東京の建築について、一大エポックメイキングに設計者として参画できたチャンスは身に余る光栄としている。その年には高橋は京都で病に倒れ生涯を閉じた。

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帝国ホテル東京のオールドインペリアルバーの店内の奥まった場所にはライト館から引き継いだ壁がある。現在帝国ホテル東京には、17ものレストランやバーラウンジがあり、一流の食が堪能できる。地下にあるアーケードには46店舗が入り、ホテルにいながら買い物が楽しめる。今では当たり前のアーケードは帝国ホテルが発祥。他にも結婚式と披露宴をセットで行うホテルウエディングは、決まった料金で好きなだけ食べることができるバイキングも帝国ホテル発祥。仕掛けたのは初代総料理長の村上信夫。村上は本場フラン仕込みの西洋料理を優しい語り口でお茶の間に広めた元祖料理の鉄人。伝説のレシピは昭和50年にイギリスのエリザベス女王らが来日した際に、村上は魚介類好きな女王のために考案したメニュー。シタヒラメやホタテなどを海老にまいて特製のソースにかけたグラタン。今もそのメニューは受け継がれる。

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4代目帝国ホテルの外観を紹介。設計者の田根剛は、東洋の宝石と謳われたライト館を継承すると話している。

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(エンディング)
次回予告

新美の巨人たちの次回予告。

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