2024年6月2日放送 9:00 - 10:00 NHK総合

日曜討論
裁判員制度15年 これからの司法は

出演者
伊藤雅之 牛田茉友 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。15年前から始まった裁判員制度。これまでに12万人以上が務めた。辞退率の高止まりや裁判員の心理的負担などの課題が浮き彫りになっている。「裁判員制度15年・これからの司法は」について議論する。

キーワード
裁判員制度
(日曜討論)
裁判はどう変わったか

裁判員制度は「司法に対する国民の信頼を高める」司法制度改革の柱の1つで、刑事裁判に一般の人の感覚や意見を反映させ裁判を分かりやすく身近なものにする目的で始まった。裁判員裁判では18歳以上の人から抽選で選ばれた6人の裁判員が裁判官と一緒に被告の有罪・無罪や刑の重さを判断する。対象となるのは殺人や強盗傷害などの重大犯罪。ことし2月末までに計12万4000人余が裁判員や補充裁判員と務めた。元検事総長の大野恒太郎は安定的な運営が続けられて良かったと評価した。元東京高等裁判所部総括判事の三好幹夫は「見て聞いてわかる審理」に変わったと話した。日本弁護士連合会会長の渕上玲子は裁判員の経験者にはこの制度の良さが浸透したと思っていると話した。裁判員ACTの川畑恵子はまだまだ市民にとっては実感を伴っていないと話した。

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國學院大學日本弁護士連合会東京高等裁判所検察庁裁判員ACT裁判員制度
”辞職率”をどうみる

裁判員制度の具体的な課題について。裁判員が決まる過程、裁判員候補者の辞退率(去年66.9%)を紹介。参加した裁判員の感想(最高裁判所)では「非常によい経験と感じた」、「よい経験と感じた」が計96.5%。裁判員ACT・川畑恵子、元東京高等裁判所部総括判事・三好幹夫、日本弁護士連合会会長・渕上玲子、元検事総長・大野恒太郎、國學院大學名誉教授・四宮啓が“辞退率”をどうみるについて討論。川畑は「欠席率も高くなっている。やりたくないっていう気持ちの方が多いという状況が続いている」、三好は「70歳以上の人は原則辞退を申し立てれば認めるということになっている。6割を超えたということをあまり大きく捉えるべきではない」とスタジオコメント。

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最高裁判所裁判員制度
裁判員制度 課題は/裁判の長期化は/市民の意見 反映は

裁判員制度の課題について討論。渕上は参加しやすい環境のために何が必要かについて「審理の促進に向けて裁判所、検察官、弁護士がそれぞれの工夫と協同が必要」、大野は「裁判の期間が工夫されなければいけない。また、裁判員に参加する意義のようなものを改めてアピールして理解していただくことが重要」とスタジオコメント。

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裁判員制度

裁判の長期化も一つの課題。裁判員裁判の初公判から判決までの期間(平均)は2009年は3.7日だったが2023年は14.9日になった。裁判前に裁判官、警察官、弁護士が証拠や争点を絞り込む公判前整理手続きも長期化している。2009年には平均2.8か月だったが、去年は平均11.1か月となっている。日本弁護士連合会会長・渕上玲子、元検事総長・大野恒太郎、元東京高等裁判所部総括判事・三好幹夫、裁判員ACT・川畑恵子が裁判の長期化について討論。

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裁判員制度
市民の意見 反映は

裁判員制度から15年、これからの司法は。一審(裁判員裁判)の判決→二審で取り消された被告は246人(10.9%)。最高裁判所・裁判員等経験者に対するアンケート・裁判官の進行について(全体的な方向性は裁判官のある程度の結論ありき、あらかじめ答えが決まっていてそこに誘導されているような印象)。公判前整理手続きは裁判を短くして裁判員の負担を減らす狙いがある。裁判前に裁判官、検察官、弁護士が証拠、争点を絞り込んでいる。元検事総長大野恒太郎、裁判員ACT・川畑惠子、國學院大學名誉教授・四宮啓、日本弁護士連合会会長・渕上玲子、元東京高等裁判所部総括判事・三好幹夫のスタジオコメント。

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日本弁護士連合会最高裁判所裁判員制度
守秘義務をどう考える

守秘義務について判決について話し合った評議に関することを話すことを禁じる、違反すると罰則もある。元検事総長大野恒太郎、裁判員ACT・川畑惠子、國學院大學名誉教授・四宮啓、日本弁護士連合会会長・渕上玲子、元東京高等裁判所部総括判事・三好幹夫のスタジオコメント。

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裁判員制度
これからの司法は

これからの司法のあり方について、元検事総長大野恒太郎、裁判員ACT・川畑惠子、國學院大學名誉教授・四宮啓、日本弁護士連合会会長・渕上玲子、元東京高等裁判所部総括判事・三好幹夫が討論。渕上氏は取り調べの可視化も十分とはいえず、深刻な問題が多く残っている述べた。大野氏は司法に対する信頼の基本は公平公正であり、絶えず社会の実情に対応して見直すことが重要だと述べた。三好氏は裁判員経験者の96%が良い経験だったと答えていることが嬉しいと述べた。川畑氏は裁判所も報道もたくさん話題にすることが大事だと述べた。四宮氏は良い経験が社会貢献として評価される仕組みにしたいと述べた。

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裁判員制度

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