2025年3月16日放送 10:05 - 10:50 NHK総合

明日をまもるナビ
(153)防災・減災 AI技術活用最前線

出演者
片山千恵子 川村エミコ ヒャダイン 
(オープニング)
オープニング

自然災害が頻発する今、人々の命を守るためにAIを利用した取り組みが進められている。AIを使うことで防災・減災の現場がどう変わるのかに迫る。

キーワード
人工知能武雄市(佐賀)珠洲市(石川)
(明日をまもるナビ)
防災・減災 AI技術活用最前線/AIで防災・減災 データを自動で収集・解析

今回のテーマは「防災・減災 AI技術活用最前線」。防災科学技術研究所でデジタル技術を活用して防災の研究をしているナビゲーター臼田さんは、ChatGPTが生まれて一気にAIが生活の中に入ってきた、コンピュータに情報を覚えさせて人間のように答えを出していくのがAIと話した。今回の情報はNHK防災のサイトでも公開中。ラインナップは「AIで防災・減災!データを自動で収集・解析」「AIでつなげ!地域の情報とコミュニティ」「AIで予測!洪水を事前に察知」の3つ。

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ChatGPTNHK防災 日本の災害リスク・備え・対策の総合サイト人工知能防災科学技術研究所
AIカメラで火災を検知!

茨城県大洗町の大洗町消防本部の灯台にはAIカメラが設置されている。今年1月から運用が開始され24時間365日、火災の発生がないか確認している。大洗町ではここ10年の間、深夜帯に無人の家から出荷し付近に延焼してしまった火災が2件発生し、対策を急いでいた。そんな中に見つけたのがAIカメラだった。カメラから100mほど離れた駐車場でスモークをたいて実験をしてみた。消防本部にはカメラの映像が送られてきていて、カメラは3分ほどで1周する。AIカメラは赤く点滅し、火災を探知した。災害時に住民が避難し人がいなくなった時にも活躍が期待されている。去年1月の能登半島地震では輪島市で大規模な火災が発生したが、住民の避難で火災の発見が遅れた可能性が指摘されている。大洗町では同じような状況になったときにもAIカメラが活用すると考えている。

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令和6年 能登半島地震大洗町大洗町消防本部大洗町(茨城)珠洲市(石川)輪島市(石川)
AIカメラで火災を検知!/AIで防災・減災 データを自動で収集・解析

AIカメラは24時間365日監視が可能、昼だけではなく夜も監視が可能、人が避難しても監視が可能。能登半島地震の歳の輪島市での大規模な火災についての検討会の報告書では、地震・津波発生時は住民が避難することで火災等の覚知が遅れることが懸念される、AIを組み込んだ監視カメラ等の整備を促進していくことが必要だとしている。AIが火を見つけられるのかスタジオで実験してみる。アルコールランプに火をつけると、すぐにAIカメラが検知した。アースアイズの山内三郎さんは、カメラで監視をされることが嫌だと思われてしまうと難しくなる、進化すれば制限をかけることができるのでより効果的に活用ができるようになると話した。災害時情報集約支援チーム・ISUTはこれから支援に入るDMATなどに届けるという役目がある。最近はセンサーの情報や人工衛星画像などを人の目で確認するのは大変だが、AIがあれば映像や写真を検知してくれるのは助かる。

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アースアイズ令和6年 能登半島地震輪島市(石川)
AIで衛星画像を解析 土砂崩れを探せ

東京・千代田区にある民間企業では、土砂崩れの場所を自動で検出するAIシステムを開発している。土砂崩れを検出するAIを作る場合は、事前に土砂崩れの画像を学習させる必要がある。衛星画像から切り出した土砂崩れの画像、数千枚を通して衛星画像のどんな部分が土砂崩れかを学習していく。AIで能登半島地震の発生後に届いた衛星画像を解析した。探したのは川をせき止めるような土砂崩れが起きている場所。AIは1時間ほどで36の候補地を発見した。その地点の一つを見てみると、河道閉塞という状態になっていた。河道閉塞は下流で大きな被害が出ることもあるため、AIでこうした場所をいち早く見つけることは対策をする上で重要。このAIシステムはいずれは一般の人でも簡単に利用できるよう開発を進めている。

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Ridge-i令和6年 能登半島地震千代田区(東京)
AIで防災・減災 データを自動で収集・解析/自治体と住民をつなぐ AIチャットボット

AIを使って災害時の情報を使いやすくする取り組みがある。防災科学技術研究所では、地震の後に壊れた建物をいち早く検知するときにAIによる判定をしている。災害時には自治体と住民のコミュニケーションが重要になってくる。チャットボットは災害時に自治体が住民に情報を伝えるときに使用される。チャットボットは住民とのやり取りを自動でやってくれて、結果だけを自治体に伝えてくれるのだという。2022年から広めているところで、100を超える自治体で使用されている。スタジオで実際にチャットボットを使用してみる。スマートフォンで写真や文章を送って投稿する。

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SOCDA防災科学技術研究所
防災の知恵

防災の知恵。住宅用の火災警報器の点検と手入れについて。寝室と寝室につながる階段に設置することが義務づけられている。定期点検は少なくとも半年に1回。お手入れはほこりを乾いた布でふく。

AIで予測!洪水を事前に察知

AIが過去に洪水が起こったときに、どんな情報がどう変化したのかを学習させておくことで予測できるようになる。洪水や土砂災害は的確な予測が難しいため、国と都道府県のみが行っていたが、2023年に法改正があり民間事業者も気象庁の許可を得れば参入できるようになった。

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気象庁
AIで水位予測!洪水を事前に察知

AIを利用した洪水予報業務を民間ではじめて取得したベンチャー企業。この会社はこれまでも防災・減災に役立つ情報をAIを使って収集・分析し、自治体や企業に提供してきた。河川の水位予測を行うためのAIシステムの開発も進めてきた。情報を提供する必要性を強く感じていたから。気象庁と国土交通省、都道府県が出す洪水予報は流域面積が大きい指定河川のみ。それ以外の河川の水位予測を必要としている自治体も数多くある。愛知県豊田市の矢作川は洪水予報指定河川のため、氾濫の危険があるときには国から水位予測が送られてくる。一方、巴川は台風や大雨のときでも洪水予報はない。巴川は危険水位に達しやすいため市が監視を行っている。自治体の要望に応えるため、ベンチャー企業では河川の水位を予測するAI開発を進めてきた。予測するためAIに学習させたのはターゲットとなる川の過去の水位の情報など。今ではAIが水位の変化をかなり正確に予測できるようになった。この会社が気象庁から許可を得ているのは全国23の河川の洪水予報業務。今後その数をさらに増やしていきたいと考えている。

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Spectee千代田区(東京)国土交通省巴川気象庁矢作川豊田市豊田市役所豊田市(愛知)
防災・減災 AI技術活用最前線

AIも間違えている情報のときもあるため、そこを見極める私たちの目も大切ではある。ヒャダインさんは熱中症リスクが分かるようなAIを使ってアラートが出せるようになったらいいと思うと話した。臼田裕一郎さんはこれから大事になるのはAIをいかに育てていくか、AIは学習が大事、日本は災害大国で学習することがたくさんあるのでAIを育てていくことが大切だと話した。

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熱中症
(エンディング)
高専防災減災コンテスト 奈良工業高等専門学校

第3回高専防災減災コンテスト。入賞した奈良工業高等専門学校は、災害時に視覚障害者が避難所までの経路がわかる地図を開発した。モーターが2~3mm道を押し上げる仕組みになっている。自宅で保管できるコンパクトなサイズ。周囲の状況がわからず避難をためらう人たちを減らしたいという思いから開発した。

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奈良工業高等専門学校第3回高専防災減災コンテスト

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