- 出演者
- 池上彰 大浜平太郎 児嶋一哉(アンジャッシュ) 高畑淳子 ユージ 足立梨花
アリゾナ州とメキシコとの国境には不法入国を阻止する壁が続いていた。正式なルートでアメリカへの亡命を希望する移民が待機するメキシコの移民シェルターには現在120人が暮らしている。家族の安全のために亡命を決意したフアンさんはシェルターで9か月生活している。毎日アプリを開いて亡命申請の面接予約をしているが、未だに予約ができていない。
食の危機を救う!ニッポンの挑戦者たちの番組宣伝。
日本は8割以上の小麦を輸入に頼っており、世界情勢などによって価格は激しく動き高値のまま。新潟では10年前ほぼ生産されていたなかった小麦の栽培を始め、農業法人ではパンメーカーや農家の仲間と新潟産の小麦を広める会を結成した。気候変動によって作物が育たず、アフリカでは5人に1人が栄養不足となっている。農業博士の辻本さんはアフリカの暑さにも負けない小麦の開発を進めていた。スヴァールバル諸島でも人類が生き残るためのプロジェクトが動き出していた。
オープニング映像。
鳥取大学の辻本教授は鳥取砂丘を乾燥地の研究に利用し、砂漠の国を小麦の国に変えようとしていた。辻本教授は1960年代に発展途上国で起こった緑の革命に影響を受け、43年間小麦を研究し続けた。交配によって作り出した小麦の種は約10000。中には暑さと乾燥に強い小麦があり、JICAなどの協力を得てスーダン国内3か所で現地実験を行った。持ち込んだ1000のうち6つの系統がスーダンの環境に適応できることがわかってきた。あと少しのところで現地スタッフから内戦拡大の知らせが届いた。実験場も戦禍に巻き込まれ、保存していた種がだめになってしまった。その後モロッコの大学から共同研究の申し込みがあった。
辻本教授はモロッコを訪れた。モロッコでパンは1枚15円ほど。パン窯では焼き上がるとすぐに売れていた。モロッコのパンの小麦粉の市場価格はここ数年で1.5倍以上になっている。辻本教授は共同研究を申し込まれたモハメッド6世工科大学を訪れた。実験場には大きなプランターが何百も並び、乾燥に強い穀物を研究していた。モロッコでは水不足が深刻で、小麦の収穫はここ数年芳しくない。辻本教授は農家に水を30%節約できる小麦を渡した。
辻本教授はモロッコを訪れた。吸収力と保水力の高い砂「ポーラスα」を開発した鳥取再資源化研究所モロッコでの水不足を商機を考え、水を節約できる砂として農家にポーラスαを売り込んだ。評判が広がり、使う農家が増えている。
辻本教授はモロッコを訪れた。辻本教授が鳥取砂丘で育てた小麦の種がまかれた。
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佐々木蔵之介は地球最期の日のための貯蔵庫がある世界最北の町ロングイェールビーンを訪れた。人口は約2600人。スピッツベルゲン島がオランダ人探検家によって発見されたのは1596年。19世紀末に石炭が眠っていることがわかると各国の企業が進出し、採掘権や領有権をめぐる争いが続いた。1920年にスヴァールバル諸島を非武装地帯とするスヴァールバル条約が結ばれ、あらゆる軍事活動が禁じられた場所になった。奇しくも世界で最も安全な場所となり、世界を飢餓から救いたいと願う科学者たちが目をつけた。
佐々木蔵之介は地球最期の日のための貯蔵庫がある世界最北の町ロングイェールビーンを訪れた。炭鉱の跡地には鉄製の巨大な箱が置かれ、中には小麦と野菜の種が冷凍保存されていた。5年ごとに1つ取り出して中の種が発芽するか確認する100年試験が行われている。1986年に始まり、実験が終わるのは100年後の2086年。プロジェクトは高く評価され、現代版ノアの方舟が作られるきっかけとなった。この「スヴァールバル世界種子貯蔵庫」には世界中の作物の種が保存されるようになった。
佐々木蔵之介は倉敷市の岡山大学資源植物科学研究所を訪ね、日本の大麦研究を牽引してきた佐藤教授に話を聞いた。約50の国と地域の大麦が倉敷市で栽培されていた。ネパール産の大麦はスヴァールバル世界種子貯蔵庫に保管される。必要な情報を記載したパスポートデータが種と一緒に入れられる。佐々木は岡山大学から送られた箱が貯蔵庫に保管されるのを見届けた。山の中に築かれた建造物は地震や爆発なども想定して設計された。永久凍土に覆われているため停電が起きても保存可能。世界100以上の国と地域から届けられた130万種を超える作物の種が眠っている。
スピッツベルゲンにも温暖化の危機が迫っていた。島では2015年に雪崩が起き、麓にあった家々が押し流され2人が亡くなった。町で雪崩が起きたのは始めてのことだった。またスヴァールバル諸島の60%を覆う氷河は、近年かつてないペースで溶けている。氷がなくなればアザラシやホッキョクグマにも影響する。
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モロッコから帰ってきた辻本教授は若手研究者と話し合う機会が増えていた。常に次の人は前の人を追い抜かないと科学の進歩はないと教え子に伝えた。石井孝佳准教授は新しい食べ物イネコムギに挑んでいる。
辻本教授の背中を見て研究を続けてきた石井孝佳准教授は、小麦とイネから作り出した新しい食べ物イネコムギで世界の人口爆発に挑む。
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