- 出演者
- 池上彰 宇賀なつみ
金1gの値段(出典:田中貴金属工業)。近価格高騰の原因のひとつにトランプ関税。安定している金の需要が高まった。他にも、コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻などで経済不安になり世界各国が金を集めだした。日本も唯一、鹿児島の鉱山で金を採っている。金の輸出額(出典:日本銀行 時系列統計データ検索サイト)。密輸された金が輸出されている可能性がある。消費税分を稼ごうと密輸が増えた?
もやしの購入量(出典:総務省「家計調査」)を。2008年から急上昇。リーマンショックで世界中が不景気になった。家計を節約するためにもやしが売れた。
1990年代、家電の売り上げが急増。家電の売上高(出典:経済産業省 商業販売統計)。消費税の増額で家電などの駆け込み購入があった。エアコン、テレビ、冷蔵庫、VHS。
冷蔵庫の輸入台数(出典:財務相 貿易統計)。空気清浄機は2020年度、358万6000台、過去最高。コロナ禍の外出自粛の影響で冷蔵庫の購入する人が増加。
消費生活相談件数の推移グラフを見ると、2004年に急増し1992年時点の10倍になっている。2004年以降は詐欺への意識が高まって下がった。消費生活相談とは買い物や契約のトラブルなどの相談窓口。2004年、カメラ付き携帯が当たり前になり絵文字、写メ、着メロが大ブーム。インターネットが生活に溶け込み始めた。ネットの普及により出会い系サイトなどや架空請求詐欺が増加。また、相談件数が可視化された。各地の消費生活センターが全国ネットで情報共有する PIO-NETが整備。最近、悪質なショッピングサイトなどの通報件数が激増。2023年に前年比約60%増。理由は手口が巧妙化していること。AIの性能が進化して見た目で判断が難しくなった。迷ったら安全性の確認ができるチェックサイトを活用。宅配便に関する詐欺SMSの文面例を紹介。2023年1月の日別詐欺SMS件数グラフを見ると1月21日から27日の春節による休み期間はゼロ。春節は中国などで祝うもう一つの新年。春節はサイバー犯罪のオフシーズンとも言われている。
中国は日本への渡航自粛など極端なことをする。中国の億万長者数を示すグラフを紹介。資産が日本円で約1500億円以上ある億万長者の中国での人数は2024年、36パーセント減って753人。政府の取り締まりの影響が大きい。2021年、習近平国家主席は共同富裕政策を始めた。格差を解消して皆で豊かになろうという政策だが、格差をなくそうという方に力が入っているようで大企業にはお金を出せと指示。アリババ、テンセントは約2兆円ずつ拠出。その他大企業に寄付を要求。お金持ちの間に、お金を出さないと捕まるかもしれないという恐怖心が広がった。お金持ちの個人にも目立つなと指示。金持ち自慢のSNSの投稿が削除されたり、突然、姿を消したりした。怯えた富裕層が逃げ出したのか、2024年には、過去最多となる中国人富裕層約1万5200人が海外へ移住。今年は半導体などで新たに儲けた人がいたため、億万長者の数が増加。政策は続いているので今後海外に逃げ出す人も出てくると言われている。
中国の学習塾教の推移グラフを見ると、2022年2月は、2021年と比べ約9割減の9728校。中国では大学入試によって人生が決まると言われるほど受験競争が激しい。2021年の教育方針で塾を規制。既存の塾は非営利化し、小中学生向けの新設は認めない。夏休み、冬休みは授業を禁止し、学校の宿題にも制限をつけた。
中国政府は子どもや親の勉強・お金・時間の負担を減らすために学習塾を減らした。中国の低所得世帯の収入における教育費の割合は56.8%。貧富の差で学力の差をつけない狙いともいわれている。また結果的に少子化対策になるとみているが教育熱は冷めず闇の家庭教師が横行している。家庭教師の大学生はタピオカ配達員を装っているという。また教育環境が良い日本に来ることもある。多くの中国人が日本の中学受験塾に通っている。
日本・中国の自動車輸出台数の推移によると2023年に中国が1位となった。コロナ以降経済成長の勢いが減速したともいわれる中国だが自動車輸出は急成長。
2023年に自動車輸出台数が世界一になった中国。低価格での大量生産や輸出手続きの簡素化などで政策敵にも後押ししている。中国製EVはヨーロッパ、中東、南米、ロシアへの輸出が増加している。一方で充電インフラが不十分な国は日本のハイブリッド車が人気。日本政府は目標として乗用車は2035年までに新車販売を全て電動車にするとしている。
アメリカの報道の自由度ランキングは57位。アメリカは大統領選挙で国が真っ二つに分かれた。共和党支持者、民主党支持者らがフェイクニュースと批判しあいメディアへの信頼がガタ落ちになった。またトランプ大統領は自身を批判するメディアを取材拒否したり執務室への立ち入りを禁止した。ロイター研究所によるアメリカの世論調査で「いまの報道を信じている」は30%だった。主要国で最も低いレベル。国境なき記者団は名指しでトランプ大統領へ苦言を呈している。
報道の自由度ランキングTOP10・1位ノルウェー、2位エストニア、3位オランダ、4位スウェーデン、5位フィンランド、6位デンマーク、7位アイルランド、8位ポルトガル、9位スイス、10位チェコ。報道の自由度が高い国ではメディアが政府の監視の役割を果たしている。一方で日本は66位。政府は福島第一原発の事故で放射線量の公式データを予測が不確実という理由で公表しなかった。また報道記者らが政府に遠慮したり忖度するケースが多い。
