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オープニング映像。
鬼沢いちご園でイチゴをより美味しく育てるために導入した機械は作物の成長に欠かせないCO2をボンベから与える。CO2を与えるチューブは作物の近くにあって、光合成に必要なCO2をすぐそばから効率良く与えることができる。迅速に新しいボンベを届けて交換してくれるので手間もかからない。この機械を手掛けているのが今回のガリバー・高圧ガス工業。産業用の様々な種類のガスを取り扱い、中でもアセチレンガスの製造は国内トップシェアを誇る。アセチレンガスは主に鉄を切断する時に使われるガス、建設・造船では鉄の切断が欠かせない。ガスを入れるボンベは年間約3万本製造している。全国に42のガス製造拠点があって、日本のガスインフラを支えている。
アセチレンガスはカーバイドが水と反応して発生する。アセチレンガスは主に鉄を切断する時に使われる。高圧ガス工業はアセチレンの一強を目指している。高圧ガス工業は大阪に本社を構え、20の営業所と17の工場を運営している。年商は933億円、従業員数は849人。ボンベには150気圧という高い圧力でガスが充填されている。そのため、高圧ガス工業では強度の弱点となる継ぎ目のないシームレスボンベを主に製造している。1つの鉄の塊から1本のボンベを作っている。
高圧ガス工業では強度の弱点となる継ぎ目のないシームレスボンベを主に製造している。ボンベは一体成型なので中は空洞だ。しかし、高圧ガス工業が国内トップシェアを誇るアセチレンガスのボンベの中はマスが詰まっている。アセチレンガスは不安定な分子構造を持つ化合物で、衝撃などで自己分解を起こして発火する恐れもある。そこで、スポンジのような構造をしたマスにアセチレンガスを溶かすことで衝撃などを緩和させている。アセチレンガスのボンベはマスの品質管理を徹底しているため、製造には約1か月かかるという。全国に42のガス製造拠点があって、日本のガスインフラを支えている。
1958年、高圧ガス工業の前身・中部ガス産業を静岡市に設立。4年後、社名を高圧ガス工業に変更。時代は高度経済成長期。建設ラッシュに伴って創業7年目でアセチレンガスのシェアは国内トップに。1977年には高圧ガス容器の製造販売会社を子会社化。シリンダーガスビジネスを本格始動する。現在手がける事業はガス事業の他にITソリューション事業、食品添加物事業、化成品事業。
高圧ガス工業の常圧スマート浸炭はアセチレンガスを使うことによってきれいに浸炭させることができて、熱処理で発生するCO2を90%以上削減できるという。これまで使っていた浸炭炉を有効活用でき、追加の設備費はほとんどかからないという。高圧ガス工業今最も力を入れている開発はカーボンナノチューブ。高圧ガス工業ではカーボンナノチューブをアセチレンガスから量産することに成功した。一般的なカーボンナノチューブの長さは0.01mm程度だが、アセチレンガスから作ったカーボンナノチューブは最長3mm。それによってカーボンナノチューブを引き出してシート状にすることもできる。
「今後も必要とされる企業を目指します」などと黒木社長は語った。
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知られざるガリバーの次回予告。