- 出演者
- 高山一実 嶋佐和也(ニューヨーク) 屋敷裕政(ニューヨーク) 大和奈央 坂本彩 岸本小雪 和多田萌衣 小中千昭
人生初ドラマ撮影を終えたファイナリスト4人が女優として成長するための特別講義を受ける。今回はジャパニーズホラーの基礎を作った脚本家・小中千昭さんが講師として登場。
MC3人が今回の収録を振り返った。ニューヨークはこの放送を観てホラーの仕組みがわかった後で、2人がW主演した「劇場版 ほんとうにあった怖い話~事故物件芸人~」を観て欲しいと語った。
今回の講師は脚本家の小中千昭さん。サスペンスドラマでよく使われる効果音を奏でる「ウォーターフォン」を持って登場。「ほんとにあった怖い話」、「学校の怪談」などのホラー作品を手がけた脚本家。その経験から生み出された恐怖演出は「小中理論」と呼ばれ、ホラー映画に大きな影響を与えた。
- キーワード
- ほんとにあった怖い話マクザム学校の怪談
世界初のホラー映画「メアリー女王の処刑」(1895年)を紹介。映画の誕生とほぼ同じ時期に制作されたことから、小中はホラー映画について「観たい人はいるし、観せたい人がいた」と語った。約100年前に誕生したホラー映画は常に新たな方法で観客を怖がらせてきた。小中がホラー映画の歴史・ジャンルを講義。1つ目は「モンスター」。一例として1931年の映画「魔人ドラキュラ」を紹介した。500年前に死んだドラキュラが蘇り、生き血を求めて人々を襲う。吸血鬼・フランケンシュタイン・狼男・ミイラ・透明人間などのモンスターが登場する作品が数多く制作された。この映画は先にブロードウェイで舞台が制作されていた。2つ目は「動物ホラー」。「鳥」(1963年)や「ジョーズ」(1975年)などがある。ジョーズの大ヒットにより似たような作品が制作された。3つ目は「スプラッター」。「13日の金曜日」のジェイソン、「チャイルド・プレイ」のチャッキーが有名。4つ目は「SFホラー」。1979年の映画「エイリアン」が有名。エイリアンはSF映画と思われているが、小中は明らかにホラー映画で究極のホラーだと語った。世界中のホラー映画に触れてきた小中は独自の恐怖演出を考案。一言で表現すると「そこにあってはいけないもの」。例として1988年の映画「邪願霊」を紹介した。アイドルのプロモーションに密着した取材クルーが次々に怪奇現象を体験する内容だった。
小中千昭が関わった1988年の映画「邪願霊」を紹介。アイドルのプロモーションに密着した取材クルーが次々に怪奇現象を体験する内容で、所々に同じ女性が立っている。小中が幽霊像として想定したのは心霊写真だという。この映画が怖いと称賛してくれたのが後に「リング」の脚本を担当する高橋洋だった。
「小中理論」と呼ばれる恐怖演出を講義。1つ目は「幽霊に肉体感を持たせない」。1960~70年代にズームレンズが導入されたことで、襲われそうな女性を背中から追いかけるアングルが流行したが、小中は幽霊の主観はやめてくれと感じたという。肩越しのアングル「ナメ」もやってはいけない。幽霊が喋るのもNG。「呪怨」の清水崇監督は小中さんたちと同じことやったら目立たないと感じ、アタックしてくる幽霊を登場させたという。2つ目は「恐怖には段取りが必要」。ほんとにあった怖い話「霊のうごめく家」(1991年)を使って解説した。
小中理論の2つ目は「恐怖には段取りが必要」。ほんとにあった怖い話「霊のうごめく家」(1991年)を使って解説した。人が立っているのを見せるのが怖いのではなく、役者のリアクションで怖がらせる。観客が直接反応するのは俳優の演技。本当に怖がってなくてもいいが、怖がっている演技はリアルに見えなければならない。
「私が女優になる日_」の次回予告。
エンディング映像。