2025年1月31日放送 19:30 - 19:57 NHK総合

首都圏情報 ネタドリ!
サラダボウル社会 最前線を追う

出演者
合原明子 五十嵐泰正 
(オープニング)
首都圏は“サラダボウル”?

今月始まったNHKドラマ「東京サラダボウル」。舞台は東京。主人公は国際捜査係の警察官と通訳人。捜査を通じて日本で暮らす外国人の葛藤や人生に向き合っていく物語。いろいろな野菜が混在するサラダボウルのようにさまざまな国の人たちが共に暮らす社会が今、広がっている。在留外国人の数(東京・神奈川・埼玉・千葉)はコロナ禍以降、急速に増加。去年は140万人を超え過去最多となった。サラダボウル化が進む首都圏その最前線に迫る。

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オープニング

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サラダボウル社会 最前線を追う
首都圏は“サラダボウル”? 在留外国人が過去最多に

人気の街、東京・吉祥寺の駅前にあるのが飲み屋街、ハーモニカ横丁。横丁のあちこちで多くの外国人スタッフが働いている。この横丁で11店舗を経営する手塚一郎さん。現在雇用している従業員の7割が外国人。調理や接客だけでなく店を運営するマネジメント業務を担う外国人もいる。外国人抜きでは営業は成り立たない。店でアルバイトとして働く女性は2年前、ネパールから来日し経営を学ぶ専門学校に通っている。日本で学ぶ外国人留学生は現在36万人。国は2033年までに40万人の受け入れを目指す方針。女性は留学生として来日しているためアルバイトができる時間に制限があり生活は楽ではない。将来は日本で就職し家族と一緒に暮らすのが夢。外国人が増加しサラダボウル化が進む首都圏。その背景の一つが国が進める在留資格の拡大。特定技能という在留資格を設け6年前から外食業や建設など16の分野で外国人材の受け入れを始めた。東京・銀座の美容室で接客している中国人の女性は国が外国人美容師を育成するために新たに設けた制度によって働けるようになった。この美容室チェーンでは現在、3人の外国人美容師が働いている。海外からの客が増える中今後、外国人スタッフをさらに増やしていく方針。働く外国人だけでなく地域活動の担い手も増え始めている。住民の11人に1人が外国人の神奈川県愛川町。去年、外国人を中心とする消防団が結成された。メンバーはベトナム人やブラジル人、ペルー人など7人。リーダーを務める日系ブラジル人3世の女性。日本語が話せる女性には外国人から日々、さまざまな相談が寄せられている。日本語を話せない外国人が災害時に困らないよう消防団のリーダーを引き受けた。この日、町の消防団員たちと災害時の対応について意見交換をした。外国人メンバーから不安を抱える外国人との接し方について意見が出された。

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スタジオトーク。画面左上のQRコードから、サラダボウル化が進む首都圏各地の最新事情の記事が閲覧できることを伝えた。都市社会学の観点から共生社会について研究する五十嵐泰正教授(筑波大)が紹介された。五十嵐教授が「サラダボウル」について説明。1970年代頃に欧米で使われ始めた表現。従来の表現は人種が溶け合い1つの文化に同化する“るつぼ”だったが、多文化・多人種がサラダボウルの野菜のように混在する社会を指す表現(“るつぼ”に対するアンチテーゼ)として使われ始めた。近年、日本でも人手不足などで身近なところで働く外国人が増加してきた。日本社会と関わらないコミュニティも存在する。社会の分化によって懸念されるのは災害時の対応。先ほどのVTRでは、神奈川県愛川町がそれを解消しようとする取り組みを紹介した。(以下、次のトピックの予告)サラダボウル化が進む町ではすれ違いや軋轢が生まれることもある。アメ横商店街での例について紹介する。

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上野アメ横“サラダボウル化” すれ違いやあつれきも…

今、東京・上野のアメ横商店街では外国人が経営する店舗が急増。全体のおよそ2割に上っている。アメ横商店街連合会副会長の千葉速人さんは外国人が経営する飲食店とのつきあい方に頭を悩ませている。外国人が経営する一部の店舗がテーブルやいすを道に出して営業しており、商店街理事会では通行の妨げになるため、やめるよう呼びかけている。しかし、状況はなかなか改善しない。上野の街で外国人経営の店が急速に増えたのはコロナ禍がきっかけだった。街を訪れる客が減り日本人が経営する店が次々と閉店。そこに入ってきたのが外国人の経営者だった。この日、祖父の代から100年続いた店が閉店することになった。後継者がいないことに加え売り上げが減少したことが原因だった。千葉さんが今、特に頭を悩ませている店はコロナ禍で営業を始めた飲食店で経営するのは中国出身の男性。商売のしかたを巡って千葉さんと1度、激しい口論になったことがある。考え方の溝が埋まらないまま2年間、険悪な関係が続いている。千葉さんは70年間、日本人が中心だった商店街の理事会にトルコ人の経営者を迎え入れた。向かったのは中国出身の男性が経営するあの店。この街で共に生きていくために模索が続く。

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スタジオトーク。五十嵐教授はサラダボウル化で軋轢が生じた時のポイントとして、「何を守りたいか」の言語化をすることと、まちの魅力の担い手になってもらうことの2つを挙げた。郷に入っては郷に従えというのであれば、まず“郷”をしっかり教えることが大切。案外、外国人がそうしたコミュニケーションを待っていることもある。

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進む“サラダボウル化” 互いの文化 歩み寄るには

東京・江戸川区は全国の市区町村で最も多い7400人のインド人が暮らしている。特に西葛西はリトルインディアと呼ばれている。三枝産婦人科医院では訪れる妊婦の3割がインド人。妊婦の食事に提供しているのはビーガン食。宗教などの理由で肉や卵などを食べられない人に対応した食事。日本人とインド人の関わりに一役買ってきた江戸川インド人会・ジャグモハンチャンドラニ会長は日本に住んで50年近くになる。地域にインド人が増えたのはITが普及し始めた2000年前後。多くの日本企業がIT先進国インドから人材を募った。チャンドラニさんは来日してきたインド人のために食堂や住宅などを整備した。生活がしやすい街として多くのインド人がこの地域に定着した。20年たった今、日本人がインド人の家庭を訪問する取り組みが広がっている。民間団体が始めたこの取り組み。同じ食卓を囲むことで自然に相談もしやすくなる。

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スタジオトーク。今後サラダボウル化が進んでいったときにどういったことを大切にすれば良いか。五十嵐教授は多文化主義に対する言葉としてEUやカナダで使われだした「間文化主義」という言葉(交流や歩み寄りを重視する考え方)を紹介し、互いの文化に歩み寄ることと、無関心ではなく同じ社会にいるという意識を持つことが大切などと話した。

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(エンディング)
エンディング

エンディングの挨拶をした。

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