- 出演者
- 弘中綾香 入山章栄
安倍元総理が患っていたことでも知られる国が定めた指定難病「潰瘍性大腸炎」は完治は難しいと言われてきた。1975年の患者数はわずか965人だったが、50年間で150倍・15万人以上に急増している。腸の病気を解決しようとするスタートアップを紹介する。他人のうんちで腸を治療しキレイな腸が復活するという。
オープニング映像。
iPS細胞を用いた再生医療製品2製品が条件・期限付きで世界で初めて製造販売を了承された。うんちなどに含まれる微生物やその遺伝子の機能「マイクロバイオーム」に注目。メタジェンセラピューティクスCEO・中原拓と、CMOでもある順天堂大学医学部附属順天堂医院・石川大教授が人のうんちを使った新ビジネスの可能性を語る。
メタジェンセラピューティクスは2020年山形県鶴岡市で創業。これまでに100億円のお金を集めた。人のうんちで病気を治す「腸内細菌叢移植」(=輸血のうんこ版)という事業を展開。人の大腸の中に約1000種類・約40兆個いる微生物「腸内細菌」は消化吸収の補助や有害物質の産生するなど様々な体の機能に関わる。腸内細菌の塊・うんちを輸血のように集めて治療に使う。
山形県鶴岡市・メタジェンセラピューティクスを取材。うんちを提供するドナーの60代男性はつるおか献便ルームへ。飲酒や薬の服用などうんちに関する体の状態をチェックしてからプラスチック容器を持ち個室トイレで採取。提供された便はすぐに隣の研究室で腸内細菌を検出し創薬や治療の開発に利用している。提供者は鶴岡市近郊の20~60代男女で、1回で最大5000円分のamazonギフトカードがもらえるという。ドナーに認定されるための検査の通過率は全体の1割ほどで、現在約50名がうんちを提供。
山形県鶴岡市はユネスコ創造都市ネットワーク食文化分野で加盟認定されている。ご当地野菜や山菜などが豊富。腸内細菌を良くするため1週間に30種類以上の異なる野菜を食べることが実現できる環境だという。
to C(消費者)向けではなく、to P(Patient=患者)向け腸内細菌ビジネスを展開する会社として国内唯一。「潰瘍性大腸炎」の患者数は50年前約900人だったが現在20万人を超える。自己免疫性疾患で大腸の粘膜に炎症が起き強い腹痛や下痢などを引き起こす指定難病。免疫反応の異常、食生活の変化、腸内細菌の乱れなどで発症。一部の治療では薬の副作用が課題となっている。潰瘍性大腸炎を20年以上研究してきたメタジェンセラピューティクスCMOで順天堂大学医学部附属順天堂医院の医師でもある石川大が、人のうんちで解決しようとしている。抗菌薬で腸内細菌をリセットし、大腸内視鏡を入れてうんちから作った腸内細菌の溶液を注入して大腸全体に他人の腸内細菌が充満させる。献便のうんちから作った腸内細菌の溶液を投与することで患者の腸内細菌のバランスが安定し炎症を抑えることができるという。治療による重篤な副作用もない。最新の研究で治療を行った約半数に治療効果が認められた。さらにフリーズドライした腸内細菌溶液をカプセルに入れた経口薬の開発も進めている。
メタジェンセラピューティクスCEOの中原拓も元研究者。2008年アメリカ・ニュージャージー州で起業。帰国後は大手企業や投資会社で勤務したが再びスタートアップを目指したという。石川大はヘルスケア事業を行う会社・メタジェンに参画していたが、中原さんと出会い意気投合し創業に向け動き出した。腸内細菌の医療への応用を目指す。
バイオベンチャーは売り上げが立つのが10年後になるためお資金調達が難しく、サイエンスで判断するしかないため投資家も限られる。アメリカのVCや投資銀行は医学部を卒業している人や製薬会社出身の投資家や役員も多数いる。100億円の資金を集められた要因は石川大の研究データが大きかったという。
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国内外の脱炭素テクノロジーとスタートアップが集まるイベント「ZET-summit 2026」がことし2月に京都府向日市で開催。静岡発のスタートアップ「アドバンスコンポジット」に注目。鉄と同じ強度がありながら重さが3分の1の新素材を独自技術で量産化し、昨年開催された国内最大級のスタートアップイベント「IVS2025 LAUNCHPAD」で優勝を果たした。新素材の量産化に成功している企業は世界でも珍しく脱炭素社会に大きく貢献できると期待されている。
エンディングトーク。メタジェンセラピューティクスは世界最大のうんちプラットフォーマーを目指していくという。BooSTARは新年度から毎月最終金曜日の深夜1時30分~に放送時間を変更。次回は5月1日放送。
