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オープニング映像。
26歳の山本栞奈さんは進行性の難病を患うなか、笑顔を絶やさない。そんな山本さんを同い年の福島尚輝記者が取材した。
23年1月、福島記者が山本栞奈さんに取材を開始した。山本さんは幼い頃に両親と離れ、親族や児童養護施設に預けられた。両親がどこにいるのか杳として知れないが、友人に恵まれ、笑顔を絶やさない。看護師の坂口由紀さんは「こっちまで楽しく、訪問看護に来させていただいている」と話す。山本さんは「由紀ちゃんが親代わりですよ。ウザっとか言いますもん」と明かした。ただ、愛情、当たり前の日常が欲しかったという。
高校卒業後、山本さんは人の役に立ちたいと陸上自衛隊に入隊。だが、原因不明の体調不良から辞めざるを得ず、身体は徐々に動かなくなり、入院を余儀なくされた。熊本豪雨で病院も被災し、障害者支援施設へ。ほとんど歩けないなかで社会福祉士として働く坂田照美さんと出会い、山本さんは社会福祉士を志して大学進学を決意した。福島記者に親について訊ねた山本さんはバラバラになったきょうだいについて語り始めた。
山本さんの病状はゆっくりだが確実に悪化し、「楽しみが奪われるのが怖い」と話す。過去に自力での呼吸が難しくなったことがあり、気管切開を提案されていた。それは手術で声を失うことを意味する。23年3月、山本さんは自身の声を録音し、AIがつくった声で会話ができるよう備えていた。11月、26歳の誕生日を迎え、坂口由紀さんらに祝福された。翌月、新型コロナに感染し、2週間ほどで取材は再開された。山本さんは「病と闘うのではなく、共存。どう病気と向き合いながら、いまを楽しむか」と語った。
新年があけ、山本栞奈さんは訪問看護師の坂口さんと談笑していた。今月、福島記者に「みんなが笑ってくれるのが好きだから、自分も笑っていよう。『どうせ生きるなら、笑っていたいじゃん』っていう言葉を大切にしていて、悲しいことより嬉しいことの方がずっと残るような人生にしたい」と語った。
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「NNNドキュメント」の次回予告。