- 出演者
- 矢内雄一郎 大浜平太郎 片渕茜 平出真有 中原みなみ 森田隆之 木下智夫 鈴木浩史
10年物国債の入札について、鈴木さんは「年初から大きく日本の10年債利回りも上昇してきたが、9月以降はフランス国債利回りの上昇や米国の株式市場の下落など日本以外の材料が金融市場では話題となっている」などと話した。
NY株式、セクター別騰落率、為替、金利、商品の動きを伝えた。
インベスコ・アセット・マネジメント・木下智夫が解説。きょうのテーマは「アメリカ中間選挙とグローバル市場の今後」。2011年から12年にかけてのアメリカの経験がかなり参考になるという。当時は2009年から始まった原油価格の上昇が2011年4月まで続いた。インフレは2011年半ばには大きく上昇したが、2012年始めくらいになると下がってくる傾向がハッキリしてきた。今のアメリカの状況にかなり似ている。2027年半ばにはアメリカのインフレ率はイラン戦争の直前の水準まで戻ってくると思っているという。これまでのグローバル市場ではエネルギー価格が上がったことでインフレ懸念が高まり、FRBのタカ派が強い懸念としてマーケットで意識されてきた。これが債券安、非AI株の下落につながった。2027年半ばにはインフレが減速し、中央銀行は中立路線に転換するところが視野に入ってくる。インフレ懸念が和らいでくれば、債券価格が上昇していく。FRBの利上げ路線が修正されれば、非AI株も買い戻しの動きが広がってくる。この債権高、非AI株高という状況は来年の初めあたりには実現する可能性が高い。インフレの加速リスクが最も重要。インフレ加速につながるようなリスクはアメリカの財政拡張、イラン情勢激化による原油価格上昇、巨額のAI投資によるインフレ加速。10月に入ってから原油価格は上がったが、アメリカの長期金利は低下に転じた。株式はイラン戦争後の原油価格と非AI株の関係が崩れた。9月末ごろまでは非AI株の指数と原油価格が逆方向に動くという関係があった。10月に入ってからは原油価格が上昇したにもかかわらず、非AI株は下がらなかった。非AI株は10月のアメリカの市場では出遅れ株がリバウンドするという形で戻ってきたことが言える。S&500のセクター別騰落率(10月)を紹介。中間選挙で民主党が勝ったことで、イラン情勢のリスクは減退していくのか。トランプ大統領は今回の選挙に負けた背景にイラン戦争があると言っていて、トランプ政権の態度が今後二転三転する可能性もあり、市場としては原油高のリスクを意識せざるを得ない状況。
NEC森田隆之さんからお話を聞く。NECは、創立127年を迎える。過去には経営危機も乗り越えた。2009年3月期は、営業赤字は62億円、最終赤字が2966億円となった。2026年3月期には、営業利益が3599億円、純利益が2702億円とV字回復を遂げた。森田「ひとことで言うのは難しいが、長期的短期的に利益が出せる形に、事業の形、ビジネスのやり方、心のあり方、これを含めて事業を変えてきた。これを今も継続している。かつては、ハードウェアを中心に、パソコン、部品を手掛けていたが、ボラティリティが高く、量が経ると収益が圧迫してしまう。半分を外に出し、新たに事業を加え、ITと社会インフラに事業を集中してきた。NECの技術で世界一なのは、顔認証。アメリカでも政府機関で複数回世界でトップの技術と言われ、何年も表彰され、政府も使っているが、約300の空港・交通機関オフィスビルなど世界50以上の国と地域で事業を拡大している。安全・個人を守るため、必要とされている。某マイクロソフトもギブアップした」とした。NECは5月に中間経営計画を発表した。AIの社会実装と新たな安全保障の技術実装とした。森田「NECの技術ルーツがあるが、AIと安全保障はお金が動いているところ。あまり気づかれていないが、デュアルユースという観点から、AIと安全保障・特にデジタルインフラには親和性がある。ビジネスという面で影響が大きい」とした。主要テック・AIスタートアップ企業は、アメリカが強く、オープンAI、アンソロピック、Google、マイクロソフト、メタ、エックスエーアイとアメリカが強いイメージがあるが。森田「市場がすごく大きい。インフラからチップ、プラットフォーム、モデム、アプリケーションまで。先端モデルでは、アメリカが話題になっているが、例えばフィジカルAI、この領域においては、データであるとか、あるいは我々が暗黙知と言われているところに日本の強みがある。実装のところでは日本の立ち位置は良い場所にあると思っている」とした。森田「もちろん今まで通りだと死んでしまう。AIがもたらすこの変化はコンサルティングからシステム構築、運用までを一気通貫で価値を生み出すことができることになる。その視点で考えたときにビジネスのやり方とか仕掛けを組み替える、これができた企業は生きていける」とした。セキュリティ、顔認証では様々な応用が新しい市場でできてくる。NECは、4月に上場したアンソロピックと日本企業初のグローバルパートナーへ。森田「アンソロピックの技術的な先進性に着目した。アンソロピックが掲げている安心安全なAIの使いかた、哲学的な意味で共感した。それから、スピード」とした。そして、6月アンソロピックや金融8社と連携して金融分野でのAI活用に乗り出した。9月、アンソロピックとサイバーセキュリティ分野での協業強化を発表。先端AIミュトスを活用し、サイバー攻撃への防御力を高める取り組みを行っている。森田「AIの普及は必然、AIに対してはAIで対抗する。AIが変なことをしないように、想定外のことをしないようにする考え方がもうひとつ重要」だとし、国産AI開発企業Noetraでは、NEC、ソフトバンク、ソニーGホンダが中心で、国内44社が出資している。森田「よく勝てるのかという質問があるが、違う。これは補完関係がある。フロンティアAIには、科学技術研究などで有力なAIだが、安全保障、日本の文化、フィジカルAIでは、全てを知っているAIで領域を使っていかないと、我々は結果に安全を保障できない。透明性の高いAIを日本で作っていかないと。これは補完の意味合い。アンソロピック、オープンAIも含めてクローズドモデル。オープンウェイトも中身はすべて見えていない。Noetraでは、どういうデータを読ませたか、わかる。バックグラウンドで捜査をされないように、監視システムをあわせて使っていくことで、AIの整備を行っていく。我々のために365日24時間働いてくれる。同志国同盟国との間で、このあたりの基準や考え方を国際的にあわせていくこれが大事」とした。
森田社長は、地政学リスクが高まっていく中で、どう戦っていくのか。森田「新しい戦い方を含めて、宇宙、そして海底ケーブル、通信インフラ、AIなんかもこの領域では大きく成長していく、我々の中心はデュアルユース」とした。番組は、海底ケーブルの最前線を取材した。国内有数の工業都市福岡県北九州市、ここにNECの海底テーブルの拠点がある。ここでは、国際通信の約99%を担う。NECは、この一角で世界シェアトップ3を担っている。フランスのアルカテル・サブマリン・ネットワークスと日本のNEC、アメリカのサブコム。OCC川上社長「いま光ファイバーを銅テープと鉄の銅線の中に閉じ込めている」とし、この工程では光ファイバーの周囲を鉄や銅などで覆う。太いケーブルは浅い海に置き、浅い海だと船のいかりや漁具などで傷つけられる可能性が高いため、頑丈に作っている。浅海用ケーブルはポリエチレン(絶縁層)を重ねた後に、さらに亜鉛メッキを施した鉄を巻き付けて頑丈に保護している。浅海用で水深500メートルとし、深海用ケーブルは水深8000メートルまでとした。水につけて試験をしている。中継機は、長い距離を光通信するが、約90キロメートルで光が減衰するため、それを増幅する役割となっている。OCC海底システム事業所は、海底ケーブル年間2万キロメートル以上を生産し、海底ケーブルの試験が終わると、敷設船に積み込まれ、ケーブルを敷いていく。24時間稼働しても1万キロメートルに及ぶプロジェクトだと2カ月以上かかるという。NECはこれまでに総延長45万キロメートルの約地球11周分の海底ケーブルを延ばしてきた。
日本国内で海底ケーブルを作っているのは北九州の工場のみ。地球11周分の海底ケーブルを作って、まだニーズはあるのか。森田「これが、AIの普及のおかげで国際通信が活性化し、市場も伸びている。9月に発表したのが、米仏間の約7000キロの海底ケーブル「Petal」をメタ・NEC・住友電工と共同構築する。2029年運用開始予定。2030年目標は、世界シェア35%で年間売上高1500億円を目指す。NECの売上高は7割が日本で、海外3割だが。森田「伸びしろと呼んでほしい。1兆円規模の複数のM&Aで売り上げを延ばしてきた。周期的には利益の50%は国外から獲得していくという方針を持っている」とした。NECは、2030年までに最大1兆3000億円の成長投資余力を見込んでいる。アメリカでは通信・ケーブルブロードバンド事業者向け業務システム、欧州ではデジタルガバメント、事業者向け業務システムとした。森田「AI,AIの裏側のセキュリティ、そして安全保障、海外においては勝てる領域、これはアメリカ、ヨーロッパで買収をしている。ひとつの手段としてM&Aを見込んでいる。」最後に、株価と業績をみる。4日の終値は4616円。また、先月末の決算では、売上高3兆7400億円、営業利益4600億円、純利益3100億円と過去最高益を見込んでいる。年間配当は前期の38円から、2円プラスの40円を予想している。国内の強豪企業はたくさんあるが、NECはの最大のライバルは?森田「よく比較サれるが、テクノロジーに国境はない。自分自身が競争相手であり、世界中の企業が競争相手であり、お客さんも競争相手。ある意味ではAIを業務や社会に実相する。そのナレッジやノウハウをどれだけ我々が一緒に価値を高めていけるか。というところにこれからの企業の肝がある」とした。
カンブリア宮殿の出演者から。ヒャダイン「タイガー魔法瓶の社長が直接お金を稼ぐことを考え過ぎてはいけない。非効率でも信条をもってやることが重要。目先のことにとらわれない。でも余裕がなかったらそんなことは言ってられないけど」とした。金原ひとみ「多くの会社が技術の横展開をしている。ヘアケアとスキンケアの技術を農薬に活かしていたり、これまで知らなかったのでこういうやり方もあるのかと気付いた」とした。次回は池上彰さん。
天気予報を伝えた。千葉県と伊豆諸島にレベル4の土砂災害危険警報も。台風31号は日本から離れていくが、湿った空気が前線を刺激し、関東は雨が降る。
アメリカの中間選挙の結果を受け、NECの事業にはどんな影響がでるのか。ワシントン支局宇井さん「アメリカの特に政府機関、軍の関連施設、国境管理などで広くNECの顔認証の技術が使われている。ただ、国境管理の予算に消極的な民主党と妥当していく必要がある。NECは投資やビジネスとして縮小していく懸念はあるか」と聞き、森田「安全安心の領域においては、民主党共和党にかかわらず、非常に重要な国民の関心事となっている。その心配はしておらず、むしろ広がると思っている」と解答した。宇井「M&Aの戦略に力をいれるとのこと。日本製鉄による買収は当時のバイデン政権が買収の阻止に動いた。民主党が大統領もとった場合、足かせになるのか」と聞き、森田「日本は今回高市さんとトランプさんの交渉で明らかになったが、日本が最大の直接投資の国。経済に関する関心の高さ。日本からの投資は歓迎されるとする。戦況を分けた物価の領域がどのように実際の投票に影響を受けたと見られているか」とした。宇井「アメリカの4割をしめる無党派層が一気に離れた。テキサス州は、メキシコから渡ってくる中南米の一時労働者や移民が主な労働者。トランプ政権になり、正規の労働許可証の発行が減っている。経由高に比べ、人手不足で、賃金インフレが発生。小規模事業者からは不満が高まり、今回は民主党にいれるとの声が多く聞かれた」とした。森田「データセンターにおける反対運動においてどう見るのか」と聞き、宇井さん「東部バージニア州はデータセンター集積地だが、自分の家の隣にデータセンターができる、地域特有の悩み。反対デモを取材すると、共和党民主党の支持者どちらもいたのが印象的だった。翻って、連邦レベルでは、民主党が、議会で可決する可能性はあるが、トランプ大統領には拒否権があるので、民主党の象徴的政治的なメッセージにとどまる。テキサス州の州知事選では大きな争点となった。共和党現職のアボット州知事は、規制の強化、あるいは管理の強化、一方で、一時凍結とより厳しい規制を掲げたのは、民主党のヒノホサ氏。そして、ヒノホサ氏の当選が確実となった。そして、重要なのはデータセンターの許認可は知事の権限で、許認可をまだ取得していないプロジェクトについては1年から1年半計画の遅れが指摘されている」とした。
アメリカの半導体大手クアルコムが先ほど発表した7月から9月期の決算は、売上高が1年前から8%減った。顧客のスマホメーカーがメモリー半導体の供給不足を受け、生産を縮小していることが響いた。部品コストの高騰も重しとなっていて、10月から12月期の1株利益見通しの中央値は市場予想に届かなかった。決算を受け、株価は時間外取引で下落している。このほかクアルコムは決算発表に合わせ、宇宙企業スペースXが計画している携帯キャリア事業に自社の通信半導体を供給すると発表した。スマホ意外の収益源の開拓を進める方針。
森田「(AIをめぐる開発は)加速する。これからはエージェントを含めたセーフティな領域、この領域に技術開発が大きく進む」とした。
