人口の8割を黒人が占める南アフリカの建国の父・ネルソンマンデラ氏は白人以外に対する人種隔離政策を撤廃し、民主的な選挙を実現。ノーベル平和賞も受賞。それから約30年、アフリカ屈指の経済大国へと成長を遂げた南アフリカだが、縮まらない貧富の差や汚職も絡んだ深刻な電力不足で国が混乱している。去年1年間で300日近くもの間、国全体が停電。国民の生活に直結する電力危機のしわ寄せを最も大きく受けるのは貧しい人たち。南アフリカで白人の失業率は9%にとどまる中、黒人は37%に上る。政府に向けられる強い不信感。30年前、状況は大きく異なった。