28品目の岩盤サービス価格のうち、上昇傾向が見られる品目の1つが家事代行料。大手家事代行会社では去年6月、1時間当たり3630円で提供し続けていた主力の家事代行プランを4180円に値上げした。家事代行会社・服部祥子広報室長は「18年ぶりの価格改定。スタッフの待遇、給与、サービス研究を強化する目的で改定した」と述べた。値上げの理由は、スタッフの賃上げを行い、人手を確保するため。現場に出る社員については、平均で約4%の賃上げを実施。パートアルバイトの時給も約11%上げた。この春から、スタッフの研修の時間を増やして内容も充実させた。スキルアップを図ることで、サービスの質の向上を目指している。いわゆる岩盤サービス価格が上昇したことについて、みずほリサーチ&テクノロジーズ・河田皓史主席エコノミストは「“岩盤”はこれまでほとんど価格が動いてこなかったサービス。消費者がそういうものが値上げされるとネガティブなリアクションになるのが自然。長い目で見るとネガティブではない部分もある。価格転嫁という前向きな動きが少しずつ広がっていると評価することもできる」と述べた。専門家は「経済の好循環の兆しが見えてきた」と話していた。今後は「値上げの動きが再び加速する可能性」も指摘。電気ガス料金の政府の負担軽減措置が、今月の使用分までで、いったん終了することに加え、円安による輸入価格の上昇は遅れて物価に反映される傾向にあるから。経済の好循環を定着させるには、賃上げをいっときで終わらせず、続けていくことが重要になる。