大和証券キャピタルマーケッツアメリカ・高橋氏は1日のNY株式相場について「朝方は規制緩和期待でエネルギー株・金融株などが買われる一方、米中摩擦の悪影響を受ける半導体株が売られるなどトランプ氏当選による影響を反映した物色が進んだ。しかしその後は徐々に上昇セクターが上げ幅を縮小し、下落していた半導体株が買い戻されるなど、トランプ氏当選を見越したトレードは続かなかった。最終的にはダウ・S&P500ともに大きく動かず取引を終えた。米国市場は4日が独立記念日の休場かつ前日も取引時間が半日であり一方向に偏った物色が進みづらかったとみている。祝日に加え、企業の決算発表も少ないためしばらくは大きな方向感が出づらい可能性がある」と話した。決算発表は来週後半から本格化するが、それについて高橋氏は「今回発表される4-6月期の業績については1株利益が前年比プラス9%という2年ぶりの高い増益率が見込まれている。牽引役は情報技術セクターで今回のシーズンでは2割弱の増益が予想される。これまで情報技術セクターの業績に寄与してきたAIについて、今後はエヌビディアの新製品によるサイクルが期待できる他、9月にはアップルがAI機能を搭載したiPhoneを発表する可能性もあり、実績と同時に開示される見通しを支える効果にも期待できる。過去のS&P500企業の傾向を見ると、1株利益の実績はアナリスト予想を上回って着地する傾向があり、成長セクターを中心とした業績拡大が株式市場を支える構図は続くとみている」と話した。