世界最大の資産運用会社、ブラックロック・リック・リーダーグローバル債券CIOにインタビュー。ブラックロックの運用資金のうち500兆円分を統括する最高幹部はトランプ次期大統領の再選で投資戦略が変わると訴えた。米国のトランプ次期大統領は輸入品への追加関税の導入や石油などのエネルギー増産を掲げている。リック・リーダー氏は「トランプ次期大統領が選挙で掲げた政策はインフレ抑制だ。当選した後に公約は守ると発言した。複数の国や世界全体に対して広く関税が適用されることはないだろう。米国ではガソリン価格が消費者にとって非常に重要。政策が機能すれば最終的にインフレは抑制されるだろう」と述べた。原油増産に伴うエネルギー価格の下落でインフレ圧力が抑えられる可能性があると予想した。また米国経済の見通しについては「アメリカはサービス型の経済になっている。こうした安定経済ではハードランディングのような景気後退は起きにくい。今の米国経済の成長率は高いのでソフトランディングの場合でも経済成長を維持したままだろう」などと述べた。トランプ氏の大統領選勝利後に上昇した米国の株価についても「株式市場ではテクノロジー業界の素晴らしい成長がある。AIやソフトウエア分野の研究開発、エネルギー産業への支出も後押しだ。ファンドには9兆ドルの資金があり、人々の給与や収入の一定額が株式市場に流れ込んでいる。巨額の資金が流入する株式市場には買い手しかおらず売り手がいない」とコメント。アメリカの株式市場に落とし穴はないのかリック・リーダー氏は「株価が高いと投資家は調整による下落を期待するが、最終的に資金はどこかに流れ込む。成長の勢いがあるので資金を投資する場所はたくさんある。だから株価の調整は歓迎する。買いの機会になるからだ。株価の調整は短期間で終わり元のトレンドに戻るだろう」などと述べた。