長崎市恐竜博物館は日本で3つ目となる恐竜専門の博物館で、毎月2万人近く来場するという。同館には日本で初めて「恐竜」という言葉が記された理科の教科書が所蔵され、執筆したのは古生物学者の横山又次郎。恐竜学の父とも呼ばれる。1842年、イギリスの解剖学者が太古の巨大生物をDinosaurと命名した。ギリシャ語のDeinos(恐ろしく大きい)とSauros(トカゲ)を組み合わせた言葉。横山はトカゲではなく、「恐竜」という和訳にこだわったという。古より、日本人は竜が水を支配する神として崇拝し、平安時代には竜が棲むとされる霊場が祀られている。横山は神秘の姿、溢れるロマン、自然界の畏敬の念を伝えるには「竜」以外にないと考えたのかもしれない。