モンゴル在住のイブクロトモコが取材。ウランバートルでは日本の宮型霊柩車が「走る寺」と呼ばれ、街で見かけると縁起がいいとされている。一昔前のモンゴルでは故人の移送はリヤカーや軽トラックを使うのが当たり前だった。ある日、日本から帰国したモンゴル人力士が僧侶に「日本には走る寺があるぞ」と伝えた。2003年、日本で葬儀会社を営む荒木由光さんが立ち上がり、無償で霊柩車を提供した。日本では1990年頃から宮型霊柩車は不吉なことを連想させると捉えられるようになり、火葬場への出入りを禁止する自治体も現れた。モンゴルには仏教が迫害を受けた歴史があり、霊柩車は仏教復活のシンボルにもなった。