先月28日に投開票が行われたイランの大統領選挙。どの候補者も過半数の票を獲得できず5日の決選投票にもつれ込むこととなった。今回の選挙戦で躍進したのが欧米との対話に前向きな改革派。ペゼシュキアン氏は欧米との対話を通じて制裁解除をめざす姿勢を示し、国内経済の改善を望む有権者を引き付けた可能性があるという。今回の選挙では80人が立候補を届け出ていたが、最終的に認められた候補は6人だった。この背景にあるのが護憲評議会の存在。護憲評議会は最高指導者・ハメネイ師の指名で構成され、立候補者の事前審査を行っている。2021年に行われた前回の大統領選挙では護憲評議会が改革派や穏健派の立候補者を認めず保守強硬派・ライシ師が圧勝。今回の選挙でも保守強硬派の現政権に批判的な候補者や有力者は事前審査で多くが失格となっていた。イラン国民からは「私たちの投票で決まるわけではない」「だれが大統領になっても公約は守られない」と投票に消極的な発言が。5日の決選投票に大きく影響を及ぼすとみられているのが投票に行かなかった市民。投票に行かなかった人の多くから聞こえてきた改革派を支持する声。決選投票は隠れ改革派を動かせるかがカギとなる。