先週、フランスや南米を訪問した岸田総理大臣。一方、今週は中国・習近平国家主席がフランス、セルビア、ハンガリーを歴訪する。一見、つながりが見えにくいこの3か国を訪問する中国の思惑はどこにあるのか。フランスを訪れている習主席は、パリにある大統領府で、フランス・マクロン大統領の出迎えを受けた。日本時間のきょう午後6時過ぎから、マクロン大統領、EU(ヨーロッパ連合)・フォンデアライエン委員長との3者による会談に出席。マクロン大統領は「ヨーロッパの未来は中国の関係をバランスのとれた形で発展させ続けることができるかにかかっている」、習主席は「(中国とEU)双方の関係を安定的かつ健全に発展させ、世界の平和と発展のため絶えず新たな貢献をすべき」と述べた。EUが中国との経済関係を維持しつつ、依存のリスクを減らしていく「デリスキング」を掲げる中、フォンデアライエン委員長は「貿易の状況などについて意見を交わしたこと」を明らかにした。このあと習主席とマクロン大統領の首脳会談も行われる予定で、中国としては、ヨーロッパの主要国で、独自の外交路線を重視するフランスとの関係を強化したい考え。ヨーロッパを訪問するのは5年ぶりとなる中国・習近平国家主席。フランスの次はセルビアを訪問し、ブチッチ大統領と会談する予定。中国が掲げる巨大経済圏構想「一帯一路」で、セルビアはヨーロッパの玄関口になる。このため中国は、インフラ整備など積極的に投資してきた。最後に訪問するのはハンガリー。今回はハンガリー・オルバン首相と会談する予定。中国は、EV(電気自動車)がヨーロッパで普及することを見越し、関連工場の建設を進めるなど投資を続けている。