メジャーリーグは今週、各チームがキャンプ入りした。日本人選手と高額契約するケースが相次いでいる。日米の野球界の経済的格差が広がっている。ドジャース・大谷翔平選手は2日ぶりに屋外の施設に姿を見せた。チームメイトとキャッチボールを行ったほか、フィールディング、牽制の練習にも参加した。その後、打撃練習を行い、フルスイングを見せた。さらにデジタルブラジャーを使い、下半身強化のトレーニングも行うなど、休養日から一夜が明けフル回転の1日となった。今シーズン、5人の日本人が新たにメジャーリーグに挑戦する。契約金などから期待の高さがうかがえる。プロ野球ロッテからポスティングシステムを使いドジャースに移籍した佐々木朗希投手は日本円で約10億円の契約金、巨人からオリオールズに移籍する菅野智之投手は日本円で1年20億円の契約を結んだと伝えられている。日本のプロ野球を経ず、高校から直接メジャー球団と契約を結んだ森井翔太郎選手は約2億3000万円の契約金のほか、主に引退後に使用する学業補助金として約4000万円がついていると伝えられている。いずれも日本のプロ野球では考えられない金額での契約となっている。投手として東京大学から千葉ロッテに入団した桜美林大学・スポーツ経営学・小林至教授は巨額契約が次々と生まれるメジャーリーグの秘密について聞くと「売り上げが違うからだと思う。MLBの収益規模は1兆6000億円ぐらい、日本のプロ野球は2000億円ぐらい。事業規模が8倍違うのでここが一番の違い。1995年当時、日本のプロ野球の売り上げは約900億円。大リーグの売り上げは1400億円。1球団あたりの売り上げは日本の球団の方が上だった。MLBはインターネットによるストリーミング、ネットでの映像配信を行っている。MLBは2000年前後にMLB.comを立ち上げた」ととし、MLBは独自で「MLB.TV」などインターネットで視聴できる映像配信サービスを開始。見たい人は月4000円程度を支払っている。どこでも、いつでも見ることができるコンテンツは人気が高く、メジャーリーグの価値を上げた。さらに中南米やアジアでもメジャーリーグ人気が高まったこと、テレビ局とネット配信サービスの競争が激化したことなどが、放映権料の上昇に繋がった。桜美林大学・スポーツ経営学・小林至教授は「今、MLBの放映権料は大体6000億円くらい。日本は300億円くらいで20倍の差が広がっている。メジャーリーグとの格差は権利の集約、整理が出来ているか、出来ていないかで大きく開いた。MLBは30球団にインターネットに関する権利を全てMLB機構が代理店として扱い、全試合の中継、過去のアーカイブ、ハイライト、グッズ、チケットなどオールインワンのプラットフォームを2000年の段階で作った。ここが大きな差だと思う」とコメント。