エイミー（16歳）はアメリカ・カンザス州に住んでいた。ある日、エイミーは炊き出しを行うボランティアを見て心を打たれ、ボランティア活動に参加するようになった。また、エイミーはカンザス大学に入学。その後、ニューヨーク州ハンター大学大学院の社会福祉学を専攻した。
エイミーはニューヨークで苦しむ人々の手助けをしたいと考え、大学に通いながらさまざまなボランティア活動に参加。そして、DV被害に悩む女性の集まりに参加し、DVに怯える女性に笑顔を取り戻してもらうことを目標とした。また、住んでいた学生寮の取り壊しが決定し、引っ越しを余儀なくされた。貯金が少なかったエイミーは家賃の安い物件を探し、ブルックリン区プロスペクト・ハイツに引っ越した。
引っ越し後、エイミーは電車で片道1時間かけてボランティア施設に通う毎日を送っていた。その頃、ソーシャルワーカーのアダムと知り合った。アダムは高校生と手漕ぎボートを製作していた。また、エイミーはアダムと交際を始めた。
ある日、エイミーは帰宅中に、何者かに背中を刃物で刺された。ニューヨーク市警捜査官と救急隊が到着し、エイミーは病院に搬送されたが、搬送先の病院で死亡。26年の人生を突然、断ち切られた。なお、財布の中には現金とクレジットカードが入ったままだった。その後、捜査官は聞き込み等の捜査を続けるが、目撃者はいなかった。翌朝、検視結果が出て、「失血死」が死因で、刃渡り25cmのナイフが凶器だったことが判明。ナイフはエイミーの体に突き刺さり、先端は肺にまで達していた。柄の部分には布が巻かれていた。犯人の手がかりはなかった。
エイミー殺害事件について、捜査官は現金やクレジットカードが残っていたことに疑念を抱いた。捜査官はアリバイのないアダムを容疑者の一人として捜査を進めることにした。エイミーについてテレビや新聞は連日のように報道した。
1年半が経過。麻薬捜査担当の刑事から連絡があった。違法薬物の所持容疑で逮捕された女が、減刑と引き換えに情報を提供するという。女によると知人の家でのパーティーで、一人の男がエイミー殺害を告白したという。捜査官は男の身元を洗い出した。
捜査官が調べたところ、男はブルックリンで暮らしていた。男はパートナーの女性と同棲しており子供がいた。男はデビッドという名で、デビッドはエイミー殺害の容疑で逮捕された。
事件の真相を紹介。デビッドは定職に就かず金もない毎日に苛立ちを募らせていた。ある日、デビッドは仲間と共に強盗を計画し、1人歩きの女性を物色していた。そして、見張り役と実行役にわかれてエイミーの後を追い、エイミーを襲った。エイミーはデビッドに襲われている時に「大丈夫 今ならまだやり直せる 私を信じて」という言葉を投げかけた。デビッドは情けをかけられた自分が惨めに思えた。そのやり場のない感情はエイミーに向けられ、エイミーの背中にナイフを突き立てた。デビッドは怒りに我を忘れて、金品を奪わずに走り去った。なお、デビッドは第一級殺人で有罪となり、25年以上の禁錮刑が言い渡された。