- 出演者
- 高井正智 森下絵理香 川口由梨香
オープニング映像と挨拶。
米国ABCテレビによると選挙結果を左右すると言われる7つある激戦州の1つ、南部ノースカロライナ州で共和党のトランプ氏が勝利を確実にした。開票率91%、トランプ氏が50.9%の得票率で勝利を確実にしている。これまでにハリスが185人、トランプ氏が230人の選挙人を獲得している。またコネティカット州、バージニア州はハリス氏が取っている。
ワシントンから中継。トランプ氏としては勝利すべき大事な州をしっかりと押さえたと言える。ノースカロライナ州はサンベルトと呼ばれる南部から西部にかけての共和党が地盤としてきた州の1つで過去40年間では2008年のオバマ氏を除いて共和党候補が勝利してきた。しかし近年はハイテク関連企業による投資が増えるなどして民主党支持層も増加していて徐々に共和党が強いレッドステートから民主党が強いブルーステートへと傾きつつあった。また9月にハリケーンによって共和党支持者が多い州西部では大きな被害が出ていたため共和党支持者の投票率が下がるのではないかとの見方もあった。こうした逆風を跳ね返したという意味ではトランプ氏が安定した強さを示したということができる。一方、ハリス氏としては民主党の地盤となってきたブルーウォール、青い壁と呼ばれる3州を押さえることの重要性が一段と増したことになる。
野村総合研究所エグゼクティブエコノミスト・木内登英は「ノースカロライナ州は恐らく移民問題に対する感度が高い州で、移民規制を掲げるトランプ氏の主張が受け入れられたということもあると思う。また先月、先々月、ハリケーンで被害を受けている地域でもあるのでそれに対する今の、民主党政権の対応に対する不満ももしかしたら反映しているかもしれないなと思う」とコメントした。
米国大統領選挙の最新開票情報。トランプ氏が現在230人の選挙人を獲得しており、ハリス氏は185人の選挙人を獲得している。
フロリダ州にあるトランプ氏の陣営から中継で現在の様子を伝えた。激戦州の1つ、ノースカロライナ州でのトランプ氏の勝利確実が伝えられると歓声がわいたという。また会場ではトランプ氏の選挙運動を振り返る動画がスクリーンに映し出され集会での演説中に銃撃された事件の場面で大きく盛り上がった。支持者の1人は「バイデン政権のもとではスーパーに行ってもインフレで何もかも値段が高くひどかった。トランプ氏が勝利したらすべて改善してくれるはずだ」と期待を表していた。トランプ氏は会場近くの自宅で過ごしていて米国のメディアはトランプ氏が勝利に自信をのぞかせていると伝えている。トランプ氏はこの会場で演説を行うと見られるがいつ姿を見せるかはまだ分かっていない。大統領への返り咲きを願う支持者たちの熱気はますます高まっている。
東京証券取引所から中継。米国大統領選挙をにらみながらの東京市場、一部の激戦州でトランプ氏が優勢だと伝えられたことに市場が大きく反応している。また東京外国為替市場では午前中からドルを買う動きが加速し円相場はおよそ3か月ぶりとなる1ドル154円台まで円安ドル高が進んだ。朝方の水準からおよそ3円円安が進む荒い値動きとなっている。投資家の間で仮にトランプ氏が勝利した場合、米国で物価の上昇が続くという見方が出ていることがドル買いの背景にある。円安が進むにつれて東京株式市場でも買い注文が増え午後の取り引きが始まると日経平均株価は一時1100円を超える値上がりとなった。現在は700円以上の値上がりとなっている。市場関係者は今のところは円安株高だがこの先も開票状況に応じて投資家が反応する神経質な展開が続くだろうと話している。
首都ワシントンにあるハリス氏の演説会場から伝えている。会場にいるほとんどの支援者が大型のスクリーンで映し出される開票速報を食い入るように見つめている。つい先ほど、こちらでも南部ノースカロライナ州で共和党のトランプ氏が勝利を確実にしたと伝えられ会場は静まり返った。ノースカロライナ州は激戦州の1つでハリスも繰り返し現地を訪れて演説を行うなど支持拡大に力を入れていただけに打撃は小さくはない。ハリス氏はこの会場で演説することになっているがまだいつ姿を見せるのかは明らかになっていない。会場では支持者が期待と不安が入り交じりながら祈るような表情で開票の状況を見つめている。
野村総研エグゼクティブエコノミスト・木内登英は「トランプ氏が仮に勝利するとすると規制緩和とかあるいは法人減税とか企業側に有利な政策を打ち出すので株高にはなりやすいなという面もあると思う。一方でドル高というのは先ほどもお話あったけれど追加関税をかけて、そうすると輸入品の値段が高くなって米国国内の物価が上がって金利が上がる、だから金利の高い通貨が買われるドル高というロジック。追加関税、米国を悪くする面もあるので本当にドル高なのかちょっと持続性は必ずしも高くはないのかなというふうに思う。」とコメント。
トランプ氏とハリス氏の通商政策の違いについて解説。ハリス氏は中国製の鉄鋼など、輸入制限措置とあるが、現政権はトランプ氏が大統領在任中に導入したこの措置を継続している。一方のトランプ氏は中国について貿易上の優遇措置などを講じる最恵国待遇撤回、鉄鋼などの輸入の段階的な廃止を打ち出している。そして日本の輸出産業に大きく関わってくるのが関税。トランプ氏は日本を含む外国からの製品に原則10%から20%の関税をかける方針で、とりわけ中国からの輸入品には60%を超える関税をかけると示唆している。一方のハリス氏も5月には中国製のEV電気自動車への関税をこちら現在の25%から4倍の100%にすると新たに発表。そして中国向けの半導体の輸出規制の強化なども打ち出している。野村総研エグゼクティブエコノミスト・木内登英が解説。
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トランプ氏は米国第一主義を掲げ保護主義的な政策を主張している。愛知県の自動車部品メーカーは北米への輸出は売り上げのおよそ2割ということもあり、トランプ氏が打ち出す関税の引き上げなどを警戒している。ただ、ハリス氏に対しても懸念を感じている。それがEV(電気自動車)の優遇政策。バイデン政権が実施しハリスも引き継ぐと見られている。会社ではエンジンの部品などを製造しているがEVに転用できるものは半数程度。ハリスが勝利し、EVの普及が世界的に加速すれば2030年までに売り上げが2割減少すると試算している。そこで開発したのが生産効率を上げるための新たなシステム。工場内の200の製造ラインに小型のセンサーを設置し、機械が少しでも停止し生産数の目標値を下回るとそのラインが赤く表示される。こうしたシステムを他社に広く販売し、売り上げ減少を補いたいと考えている。
野村総研エグゼクティブエコノミスト・木内登英は自動車産業以外の貿易について「例えば輸出で言うと自動車に続くものとして、産業機械とか半導体製造装置とか建設機械とか化学とか鉄鋼とか現地生産で言うとやはり鉄鋼とか化学とか、そういったところはやはり全体として逆風になっていく、米国国内で生産を増やすということになると今度は日本国内で工場を縮小するということだから国内での生産減少、国内での雇用減少という形で日本経済にはちょっと逆風になってくるだろう」と指摘した。
米国大統領選挙の勝敗の鍵を握るのは激戦州と呼ばれる7つの州。そのうちの1つ、ネバダ州には6人の選挙人が割り当てられている。娯楽産業や観光業が盛んで最大都市のラスベガスはカジノなどのエンターテイメントで知られる世界有数の観光地。州の面積の多くを砂漠や乾燥した大地が占めていて人口のおよそ7割がラスベガスやその周辺に住んでいる。新型コロナで観光業が大きな打撃を受けて以降、失業率が全米の中でも高い状態が続いておりそこにインフレが追い打ちをかける形となっている。もともとは共和党が強い州だったが、近年は選挙のたびに勝者が入れ代わるスイングステートとなっている。前回、前々回ともに民主党が2ポイント余りの差で勝利している。今後は経済政策を巡ってどこまで有権者の支持を得られるかが勝敗のポイントになる。ネバダ州では失業率が高い中でインフレによる物価高住宅費の高騰というのも人々により重くのしかかっている。こうしたため両陣営とも有権者の暮らしに直結する訴えに力を入れていった。例えばハリス氏の側は賃金の引き上げ住宅購入費の支援などを訴えてきましたし、トランプ氏の側はサービス業の従業員が受け取るチップへの課税の廃止など減税を掲げてきた。こうした両候補の政策を有権者がどう判断するかが注目だ。
ABCテレビなど複数のメディアは7つの激戦州を除いては極めて高い確率でハリスが226人、トランプ氏が219人の選挙人を獲得すると予測していてここからの分析はその前提に立って伝えると、ハリス氏としてはもともとは民主党が強い地盤だったとして知られるこのブルーウォール、青い壁と呼ばれる州3つを取っていきたいところ。ウィスコンシン、ミシガン、それからペンシルベニア、この3つを取るとちょうど270に達するということになる。ただここで重要なのがやはりこの人数の多いペンシルベニアなのだがここで敗れたと仮にするともうすでにトランプ氏がノースカロライナ、押さえているので共和党のかつての地盤とされたこのサンベルトも残る3州のうち少なくとも2つは取らないといけないということになり、例えばジョージアとさらにもう1つネバダを取らないと過半数に達しないということになる。トランプ氏はここからどうしていきたいと見ているのか、トランプ氏のほうを見ていく。トランプ氏のほうはすでにノースカロライナ押さえたのでこの共和党のもともと地盤だったサンベルトのうち例えば人数の多いジョージアを取ったうえで、トランプ氏の側も最重要と見ているこのペンシルベニア、これを取るとちょうど270ということになる。仮にこのペンシルベニアで負けたとするとこのサンベルトの残る2州、アリゾナとネバダをトランプ氏が取ったとしてもこの270にちょっと足りないということになるのでこのブルーウォールの2州のうちミシガンかウィスコンシンかどちらか取らないといけないという形になる。
米国大統領選挙、ハワイ州でハリス氏の勝利が確実となった。
米国大統領選挙、ニューメキシコ州でハリス氏の勝利が確実となった。
野村総研エグゼクティブエコノミスト・木内登英は「2016年にトランプ氏が勝利したときにはこの3州(ウィスコンシン・ミシガン・ペンシルベニア)取ったときには中国からの安い輸入品で米国の製造業、雇用が失われているというのを大々的にキャンペーンしてそれに対して中国に対して追加関税で守るということが受け入れられた。今回は物価高、バイデン大統領の物価高政策は間違っているので労働者の生活が脅かされているというふうにアピールしてきた。物価高対策みたいなところが焦点になって、ハリス氏もそれは分かっているのでこの夏に不当な値上げをしている企業を取り締まるとか大統領に就任したらすぐに物価下げるとそういうことをアピールしたんで、こうしたハリス氏の物価高対策がどう評価されるかというのがかなりこの3州の選挙結果を左右するのではないか。ラストベルト3州に住む産業の衰退を目の当たりにしてきた人たちは物価高で生活が脅かされているという意識がより強いのではと思う。」とコメントした。更に米国の景気の先行きについて「私は少し厳しいのかなと思っている。まず4年前と比べても中国経済の勢いは相当落ちている。米国については今まで大幅な金融引き締めをしてきた影響がこれから出てくる可能性があってさらに、もしトランプ氏が勝った場合、大型の追加関税、これは前回のトランプ政権とは比べものにならないくらい大きな関税なのでかなり経済にダメージを与える。そうすると世界経済をリードしてきた中国、米国両方とも厳しい状況に置かれるということからすると世界経済はエンジンがなくなったような感じで、そこまではいかないかもしれないが勢いが落ちてきて非常に厳しい4年になる可能性があるんじゃないかなと思う。」とコメントした。
米国大統領選挙、ミシシッピ州、ルイジアナ州、アイオワ州、インディアナ州、オハイオ州、カンザス州、サウスダコタ州、ノースダコタ州、ミズーリ州、アイダホ州でトランプ氏が勝利した。ハリス氏はイリノイ州で勝利を確実にした。現時点でトランプ氏はノースカロライナ州などで230人、ハリス氏は194人となっていて、残りは6つの激戦州を含めて12州となっている。
エンディングの挨拶。