愛知県田原市の先端に位置する伊良湖港。地元の漁師たちはここ数年海の異変が気になっている。海の底には海藻がほとんどない。砂漠のように砂地が広がる磯焼けが進んでいる。海藻を食い尽くしているのがウニ。海藻不足の影響で身入りはほとんどゼロ。ウニは生命力が強くコンクリートなどに含まれるカルシウムでも生きられるため海藻がなくても数は減らず、磯焼けが続く現状に漁師たちが手を焼いている。そんな中、地元中学校の生徒たちが漁師やホテル関係者の協力のもと始めたのが海の環境を守るためにウニを陸上で養殖して出荷できるほどまで身入りをよくしようというプロジェクト。将来的なブランド化を目指し雑食であるウニの餌に選んだのが菜の花やキャベツの他、四葉のクローバー。どれも地元の名産。養殖をはじめてすぐにウニが大量死するトラブルもあったがその度に生徒たちが知恵を出し合い水槽の環境を改善した。飼育開始から約4カ月、ウニを割ってみると。まだ少しだが身が入っていた。海から揚げたばかりのものと比べると違いは歴然。やっかいものを地元の特産品にしようというだけでなく海の環境改善も目指す生徒たちの取り組み、大きな可能性に期待。