鹿児島の天然記念物・薩摩鶏。現在は観賞用として飼育されているが、養鶏家が困っているのは餌の高騰。餌として与えているのはトウモロコシに魚粉を混ぜたもの。近年その両方の価格が跳ね上がり倍近く餌代がかかるように。養鶏家が相談をもちかけたのは高校生。県立市来農芸高等学校は農業・園芸・畜産などを幅広く学んでいる。魚粉の代わりになるタンパク質として目をつけたのがコオロギ。コオロギの飼育は電気を使わず、餌や水にかかるコストもわずか。環境負荷が少ないタンパク質。成長したコオロギは冷凍して乾燥。これを粉砕し粉状にする。トウモロコシの代わりに低価格の米ぬかに混ぜることで栄養価は変わらず価格の安い餌を完成させた。従来の餌に比べて1キロあたり37円のコストダウンになる計算。これまでの当たり前を見直し困りごとを解決した高校生たち。コオロギをタンパク源として養鶏に活用する研究を実施したことが評価され文部科学大臣賞を受賞した。