首都移転の開始に向けて工事が急ピッチに進められているインドネシア。浮上する課題とは。人口や経済活動が集中する首都・ジャワ島のジャカルタから約2000km離れたカリマンタン島の東部にあるヌサンタラへ移転する計画だが、総工費は約5兆1000億円あまり。2045年まで段階的に行われる移転計画。すでに政府の主要機関が集まるエリアを含む第1段階の建設は約8割が完成しているという。政府が目指すのは森に囲まれて100%再生可能エネルギーを利用するなど環境に配慮し、最先端の技術を活用した「スマートシティ」の建設。再生可能エネルギーや脱炭素関連ビジネスの拠点も作ろうとしていて、そのための研究施設をアメリカのスタンフォード大学などの協力も得て設立する計画。ただ懸念の声も上がっている。政府は5兆円あまりの総工費のうち8割を国内外からの民間投資などで賄う計画だが、これまでに集まったのは約5000億円。巨大プロジェクトは本当に実現できるのか様子見の動きも少なくないのが実情。そうしたなか、先週には首都移転プロジェクトを担当するヌサンタラ新首都庁のトップとナンバー2が突然の辞任。ジョコ大統領は個人的な理由として詳細を明かしておらず、専門家は投資家にとって懸念材料となると指摘しているがジョコ大統領は問題ないとした。