5年前の今日、2月28日、ベトナムのハノイで金正恩委員長とトランプ大統領の会談が行われた。しかし、会談はもの別れに終わった。決裂の要因を探る。署名式や調印式がキャンセルされた。北朝鮮の非核化の措置、その見返りでアメリカは何を行うのか。折り合いgあつかなかったという。トランプ政権内には2つの異なる考え方があった。国務省のビーガン特別代表は小さな合意を、ホワイトハウスのボルトン大統領補佐官は大きな合意を求めていた。段階的非核化か、完全な非核化だ。小さな合意が書かれている合意文書の草案に、ボルトン大統領補佐官は納得できなかったという。北朝鮮側のキム・ヨンチョル副委員長にはなんの権限も与えられていなかったという。北朝鮮で何かを決められるのは金正恩委員長だけだ。ポンペイオ氏の回顧録では、金正恩委員長は、経済制裁を完全に解除すれば寧辺にある核施設を解体すると、申し出たという。トランプ大統領はこの提案をはねつけた。寧辺の他にも核施設があることをアメリカ側は知っていたという。トランプにインタビューしたボブ・ウッドワード氏の著書には、トランプ大統領は、5ヶ所の核施設すべてを放棄しなければダメだと言ったとのこと。金正恩委員長は、寧辺は最大の施設だと告げた。アメリカは、韓国政府の投資プロジェクトを容認する見返りを用意していた。しかし、北朝鮮側は、寧辺以外の放棄には応じず、すべての制裁解除を求めていた。ポンペイオ氏は、悪い譲歩も妥協も取引も行わなかったという。アメリカの各科学者のヘッカー博士は、北朝鮮の核開発の脅威を取り除く絶好の機械を失ってしまったという。早稲田大学大学院の李鐘元教授は、核問題が一歩も進展できなかったことを見ると失敗だったという。ハノイの失敗を検証する必要がある。歴史にifはない。北朝鮮は、アメリカとの協議に関心を失い、核開発に突き進む。北朝鮮は具体的に何を求めているのか、核開発を思いとどまらせるメッセージを送り続けることが必要だ。北朝鮮を協議の場に引き戻すための努力が必要となる。