米国大統領選挙に向けた共和党大会で、トランプ前大統領が指名受諾演説に臨み「すべての米国人のための大統領になる」と述べ、団結を訴えた。銃撃事件以降初めてとなるトランプ氏の演説は、約1時間半にわたり、大統領候補としては過去最長となった。インフレや不法移民問題などバイデン政権の政策を批判したうえで、自身が大統領になれば物価を下げ、国境に壁を建設して不法移民を強制送還すると訴えた。外交をめぐっては、ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘などを終わらせると断言したほか、北朝鮮の金正恩総書記とうまくやるなどと主張した。トランプ氏は、これまでのように分断をあおるのではなく、落ち着いた口調で、社会の不和と分裂は癒やされなければならないなどと団結を訴えた。新たなトランプ像をアピールすることで、大統領選挙に向け、穏健派や無党派層を取り込む狙いがあるとみられる。